西島秀俊、内野聖陽がダブル主演を務めるドラマ「きのう何食べた?」。よしながふみの同名コミックをもとに、西島演じる料理上手な弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、内野扮する美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の暮らしを、四季折々の食事とともに穏やかに描く物語だ。
映画ナタリーでは「Panasonic presents デジナタ」連載の1つとして、本作のメイン監督を務めた中江和仁へのインタビューを実施。「飯テロドラマ」としても評価が高い本作の要となる調理シーンにおいて、心強い相棒となる調理家電の注目ポイントを聞いた。さらに、毎週視聴者を癒やすオープニング映像の裏話や、西島に起きた“ショックな出来事”も明らかに。
取材・文 / 佐藤希 撮影 / 入江達也
Panasonic パーシャル搭載冷蔵庫 NR-F605WPX(600L)
業務用レベル急速冷凍※で出来立てのおいしさと食感をキープする「はやうま冷凍」と、急冷することで食材の下味付けや時短調理をアシストする「はやうま冷却」ができるクーリングアシスト搭載。専用アプリ「Cool Pantry」を使ってスマートフォンでクーリングアシストの操作、エコナビの運転状態も確認できる。ガラスの質感にこだわったラグジュアリーデザインがキッチン空間をより美しく演出。
※パナソニック調べ。運転状況や食品の種類・状態や量によって、効果が異なります。
Panasonic スチームオーブンレンジ ビストロ NE-BS1600
焼く・煮る・蒸す・揚げるがこれ一台。3つ星ビストロのハイグレードモデル。大火力で骨付き肉も予熱なしでこんがり焼ける。高精細・64眼スピードセンサー搭載で食材をボウルに入れるだけでパスタや中華ができる多彩な「ワンボウル」メニューも搭載している。細部のパーツまで徹底的にこだわったキッチンにしっくり溶け込むデザイン。
オープニングだけで何回も観たくなるものを
──ドラマ化が報じられて以降、SNSでは放送を心待ちにする声が数多く上がりました。中江監督は第1~3話と第10~12話を担当されましたが、原作ファンも多い作品の実写化にプレッシャーはありませんでしたか?
周りの監督や友人のプロデューサーから「あれやりたかったんだよ」とたくさん言われました。よしながふみ先生もこの作品にとても愛着をお持ちですし、コアなファンがいる作品は実写化のハードルが高くなる。でも実写でやる意味があるものにしないといけないと思ったので、西島さん、内野さんと「生身の人間が演じると、マンガで書かれているセリフを言っても違う感情が湧くことがある。すべて原作通りというわけにはいきませんが、それを恐れずにやっていきましょう」と話しました。
──原作ファンからのプレッシャーは、あまり感じていなかったということでしょうか。
プレッシャーをかけてくる友人はいましたね(笑)。特に女性から「これはBLだからね。腐女子の感性だからね」と。でも、男同士の恋人たちを描く物語ではありますが、男だから、女だからという目線はあまり入れないようにしました。あと、「マンガではこう描かれているけど……」という雑念が湧く恐れがあるので、脚本ができあがってからは極力マンガに触れず、俳優の芝居と脚本で進めることにしたんです。
──そうだったんですね。
いい意味で原作を意識せずにやってみた結果、原作ファンの方からもよい評価をいただけたことがうれしかったです。現場にいらしたよしなが先生も、モニターを見ながら「うわあ、すごい! かわいい」とおっしゃって、できあがった第1話を観て喜んでくださったそうです。お芝居として成功したんだなという気分でした。
──調理中のシロさんをケンジが動画撮影するという設定のオープニングも話題です。
オープニングだけで何回も観たくなるものを、というテーマでCMプランナーでもある企画監修の神田祐介さんと考えました。皆さんの反応がよくてよかったです。撮影時はスタッフが別室に隠れていたので、西島さんと内野さんしか詳しい状況がわからないんですよ。テイク1では、内野さんが途中でスマホの停止ボタンを押しちゃっていたみたいで「あれ……?」って言ってました(笑)。
西島秀俊としてヘコんでました(笑)
──シロさんとケンジのビジュアルが公開された際も、SNSがかなり盛り上がりました。「2人がマンガから出てきた!」と思えるようなそっくり具合も大好評につながったのではと思います。
内野さんとは今回初めてご一緒したんですが、最初にお会いしたときは内野さんがヤクザ役を演じ終えた直後だったので、顔つきがヤクザだったんですよ(笑)。髪も短髪で。僕の知っているゲイの方は目が優しくておっとりしている方が多いので、やわらかい雰囲気が出るように工夫しました。原作のケンジに倣って前髪を上げると、内野さんは男らしくなってしまうし、メガネのフレームも原作とは少し違いますね。
──ビジュアル作りには苦労されたということでしょうか。
お二人はビジュアルというより、お芝居のほうが苦労されたと思います。内野さんはセリフを話しながらでも髪を切る動作ができるようになるまで、何度も美容室で練習されていました。
──ちょっとした動作も不自然にならないように努力されたんですね。
さらにゲイの方にアドバイザーとして参加していただいて、西島さんと内野さんに会ってもらったんです。ドラマにも同じようなシーンがありましたが、シロさんを演じている西島さんとケンジ役の内野さんでは、どっちがゲイの方にモテるかその方に聞いたら「内野さんのほうがモテる、西島さんは全然モテない」と言われて。西島さんが真面目にヘコんでたんですよ。「やっぱ俺モテないんだ……」とシロさんじゃなくて西島秀俊としてヘコんでました(笑)。
──(笑)。内野さんの手元の演技に注目する視聴者も多いようです。
アドバイザーの方に初めて会っていただいたときに、内野さんがその方のしぐさやしゃべり方をすべてコピーしていたので、打ち合わせの終わり際にはアドバイザーの方が「あれ? 内野さん、もう全部僕のまねしてる……吸収されちゃったみたい」とおっしゃるほどでした。
いかに面白くしようかと悩んだ
──今回中江監督のほか、野尻克己監督(第4~6話担当)と片桐健滋監督(第7~9話担当)も参加されています。お二人とはどういうお話をされたんでしょうか?
事前に話したことは、山本耕史さん演じる小日向の恋人・ジルベールこと航が、シロさんの妄想に登場する場面をどう表現しようかということですね。僕は最初、航役の磯村勇斗くんの顔にアニメを合成しようと思ったんです。
──私もアニメになるのかなと思ったんですが、外国人風の美少年が出てきてびっくりしました!
笑えるシーンなのでいかに面白くしようかと悩んだ結果、アロハ・シェアードくんという子に出てもらいました。アロハくん以外にもオーディションでいろんな子に参加してもらったんですよ。
──ジルベール(仮)オーディションがあったんですね。
(笑)。アロハくんは日本語も英語も流暢なんですが、名前の由来になっている「風と木の詩」のジルベールはフランス人なので、フランス語で話してもらうという案もありました。でも、フランス語で話した場合に面白さが出るかということがネックでしたね。ジルベールが妄想の中で話している英語も大したことは言っていないので、英語が少しできる人であれば字幕を見なくても理解できるんです。そこをフランス語にすると、理解できる人数が減って面白くなくなってしまうので。
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シロさんが見たら本当に欲しがる機能