「コーヒーが冷めないうちに」有村架純×伊藤健太郎|“東京で一番平和”な2人がともに過ごした日々

水中シーンは神秘的でキレイ(伊藤)

有村架純

──現場で生まれた案がシーンに盛り込まれることも多かったそうですが、ご自身の出演場面でそういったことはありました?

有村 数が寝込んだときに、新谷くんとベッドのところで話すシーンは、最初は2人の間に少し距離があったんです。それが監督としては納得がいかなかったみたいで……(笑)。

伊藤 「違う、遠い!」って。

有村 そうそう。監督はキュンとする距離感をよくわかっている方なんです。そういうのはちょこちょことあったよね?

伊藤 ありました。僕は雪山で転んだ数ちゃんを助けるシーンで、監督に「赤ちゃんをあやす感じ」と言われたのをよく覚えています。弱い部分を見せた数ちゃんを、どうカバーして包み込んであげるかが重要だったので、なるほどと思って彼女の足に付いた雪をはたいてあげました。

「コーヒーが冷めないうちに」

有村 あのシーンはまだ3月くらいで、朝が早かったよね。寒さはあったんですが、天候に恵まれてすごくキレイな朝日が昇ってきて。

伊藤 (うなずきながら)キレイでしたね! 完成した作品を観て、朝早くからみんなでやってよかったと思いました。暗い時間から現場に入っていろいろと撮っていたのですが、日が昇るギリギリになってからはちょっとバタつき気味になって(笑)。やばいやばい!みたいな。

──そうなんですね。登場人物たちが過去に戻る場面で、水中に落ちる演出も印象的です。有村さんは実は水が苦手だと伺いました。

有村 はい(笑)。潜るだけだし大丈夫と思っていたら、水深が2mくらいあって。潜ると目を開けても自分がどこにいるかわからなくなるし服に重りを付けていたので、自分で水の中に飛び込んでいくのはちょっと怖かったです。

伊藤 僕は水中シーンの撮影には参加していなかったから、どう表現されるのかすごく気になっていました。できあがったものを観たときは光や水の表現が神秘的でキレイだなと。この映画にはキレイな画がたくさんあって、そこも見どころの1つだなと思います。

──本作には「4回泣けます」というキャッチコピーが付いていますが、ご覧になって泣いたエピソードはありますか? 伊藤さんは5回泣いたという話も……。

「コーヒーが冷めないうちに」

伊藤 はい。実際にそれくらい泣きましたし、松重豊さんが演じた房木さんのエピソードは、ああいう状況に直面したときに自分だったらどうするだろうか……と考えさせられました。松重さんと薬師丸さんのお芝居にも素直に感動して。

有村 私も松重さんと薬師丸さんのお話、あとは最後のエピソードも好きですね。まだ客観的になれなくて、数としての気持ちが押し寄せてきて泣いちゃいました。

オーディション雑誌を買ってよかった(有村)

──ちなみに、仮に過去に戻れるとしたらお二人は戻ってみたいですか?

有村 どちらかと言えば戻りたくはないです。でも戻れるとしたら高校時代がいいかな。もう少し英語を学んでいればよかったと思いますし、私は上京して友達と卒業できなかったので、みんなともっと思い出を作りたかったです。

伊藤健太郎

伊藤 僕も戻りたくないです! ちょっとだけ戻るなら、なんにも考えずに鼻水を垂らして、砂だらけになって遊んでいた幼稚園くらいの頃が楽しそうでいいな。

──この作品は、登場人物たちが自分の人生をちゃんと選んで生きていく物語だなと思いました。お二人は、ご自身の人生において大きな選択だったなと思うことは?

有村 私は中学3年生の頃、この世界に自分で応募したことです。今振り返るとあのときにオーディション雑誌を買ってよかったなと思います。

伊藤 僕もこの仕事をやろうと決めたときです。最初に出た作品のオーディションを受けたときは合格するとは思っていなくて、落ちたら高校を辞めてアメリカでバスケをやろうと考えていたんです。それで手続きも済ませていたら、奇跡的にオーディションに受かって! その選考は8回あったのですが、進んでいくにつれて自分の気持ちがお芝居のほうに傾いていきました。今の人生に大きく影響している選択です。

「コーヒーが冷めないうちに」
2018年9月21日(金)全国公開
「コーヒーが冷めないうちに」
ストーリー

時田数がいとこの流と切り盛りする喫茶店フニクリフニクラには、不思議な都市伝説があった。それは、店内のある席に座ると望んだ時間に戻れるというもの。そしてその願いを叶えるためには、いくつかのややこしいルールがあった。噂を聞いて店を訪れた客たちはどんなことをしても現実は変わらないと知りながらも、大切な人との再会を強く望んでその席に座る。そのとき彼らを待っていたものとは……?

スタッフ

監督:塚原あゆ子

脚本:奥寺佐渡子

原作:川口俊和「コーヒーが冷めないうちに」「この嘘がばれないうちに」(サンマーク出版刊)

音楽:横山克

主題歌:YUKI「トロイメライ」(EPICレコードジャパン)

キャスト

有村架純、伊藤健太郎、波瑠、林遣都、深水元基、松本若菜、薬師丸ひろ子、吉田羊、松重豊、石田ゆり子ほか

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有村架純(アリムラカスミ)
1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で主人公の母親の少女時代を演じてブレイクし、2017年には「ひよっこ」でヒロインを務めた。主な映画出演作は「ストロボ・エッジ」「映画 ビリギャル」「ナラタージュ」など。主演ドラマ「中学聖日記」が10月から放送されるほか、映画「かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―」が11月30日、「フォルトゥナの瞳」が2019年に公開を控える。
伊藤健太郎(イトウケンタロウ)
1997年6月30日生まれ、東京都出身。ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で俳優デビュー。近年の参加作には、主演映画「デメキン」をはじめとして「ルームロンダリング」、声のキャストを務めた「映画ドライブヘッド~トミカハイパーレスキュー 機動救急警察~」などがある。10月からはドラマ「今日から俺は!!」がオンエア。また出演作「覚悟はいいかそこの女子。」が10月12日、「ういらぶ。」が11月9日に公開される。

有村架純:スタイリング / 瀬川結美子(NOMA)
ヘアメイク / 尾曲いずみ(STORM)
伊藤健太郎:スタイリング / 池田友紀(Be Glad)
ヘアメイク / 伊藤ハジメ(Crollar)