AI人形のチャッキー、殺し方がめちゃくちゃ頭いい(あの)
──チャッキーのアンディに対するゆがんだ友情の暴走が、本作の見どころでもあります。2人の関係性はどう観ましたか?
市川 最初はお互いに初めての友達で、アンディにはチャッキーが、チャッキーにはアンディが1人しかいない存在だったんですよね。でも、途中からチャッキーの愛が独占的になって「僕のものなのに」という憎しみに変わってしまって。
あの うん。ゆがんだ形で出会ったがゆえにすれ違っちゃうのが、かわいそうだし悲しかったです。
──チャッキーの気持ちを考えると、怖いだけではなく切なくなりますよね。
市川 そうなんです。アンディが泣きながら悪さをするチャッキーを止めようとするシーンが印象的でした。本当は一緒にいたいのに、人を傷付けないようにやむを得ず……という気持ちがつらかったです。友達は大切だけど、ちゃんと話し合ってコミュニケーションを取らないと、誤解が誤解を生むんだなって。私たち人間同士でもあることですよね。
あの アンディは本来友達を作れる子じゃないですか。だからチャッキーと思いの強さが違うところもあるし、結局それが原因で嫉妬や憎しみを呼び起こしてしまいますよね。そうやって愛が暴走することって自分たちにも起こりうるし、最近のニュースとも重なって「これ今の日本じゃん」って思いました(笑)。ホラーだけどすごくリアル。
──なるほど。リアルさといえば、本作ではAIを搭載したチャッキーだけではなく、スマートスピーカーや自動掃除機など最新ガジェットも登場します。そのあたりも身近に感じましたか?
市川 Pepperくんや自動運転の車って実際に開発されているものだから、それが暴走したら怖いです。人間が作ったものなのに制御できないって、もう勝てないじゃないですか。だから新しいタイプのホラーというか「こんな殺され方あるんだ!」みたいなシーンがたくさんあって驚きました。
あの 「OK Google」とか「電気つけて」って最近身の回りでもよく聞くので、身近に感じました。プログラミングされているAI人形のチャッキーというのも今どきですよね。殺し方もめちゃくちゃ頭いいなと思って。自動掃除機が出てくるところとか。じわじわと追い詰める……みたいな。
市川 ひー! あそこはもう怖くて観れなくて、こうやって観てました(手で目を覆う)。
──あのさんは殺人シーンも大丈夫だったんですね。
あの 意外と大丈夫でした。あと、郊外の平和な雰囲気の中で、チャッキーが大暴れする場面がお気に入りです。カラフルな色のライトがどんどん消えていって、グシャグシャーってなるのが一番スッキリしました。
市川 めっちゃ笑顔じゃん! 怖かったよ、音が!
まるでアトラクションに乗っているみたいな感覚(市川)
──先ほどあのさんはチャッキーが欲しいとおっしゃっていましたが、もしお二人がこの高性能なチャッキーを“バディ人形”として迎えるとしたら、どんなことをしたいですか?
あの チャッキーくらいの能力があったらもう全部手伝ってほしい……。料理とかしてほしいですし、一緒にゲームの対戦もしたい。
市川 チャッキーがゆがんだ方向に行くかもよ?
あの そしたら「ずっと友達だよ」って言います(笑)。とりあえず言っておけば大丈夫かなと。
市川 それは言っちゃうんだ(笑)。私は小さい頃“ぽぽちゃん”で遊んでたので、なんだかんだチャッキーに夢中になるアンディの気持ちもわかるんです。だからおしゃべりもできるし、変な方向に行かなければ最高ですよね。私もお掃除や洗濯とか、なんでもやってほしいな。
──お二人はホラーがあまり得意じゃないと聞いていたのですが、存分に楽しんでいただけたようでよかったです。ホラーが苦手だという読者に向けて、改めて本作の楽しみ方を教えてください。
市川 もともとホラーは食わず嫌いだったんですが、登場人物のドラマもしっかりしているし、観終わるとスッキリもするので、苦手な方でも面白く観れると思います! 1人だけだと怖いかもしれないので、ホラーに強い友達と一緒に観に行くのがお薦めです。私はいちいちリアクションしちゃうほうなので、楽しんでくれる人が隣にいてくれると心強いなって思いました。
あの 怖いんですけどそれだけじゃなくて、コメディ要素や人間同士のドラマもあって、1人でも観られるタイプのホラーでした。今日は笑うポイントが人と違うのがバレたので、今度はかえって1人で観るかもしれないです……(笑)。
市川 私、最後は家族愛にウルッときちゃいました。観ているときはハラハラドキドキで、終わったあとは意外にほっこりするので、まるでアトラクションに乗っているみたいな感覚でした。実際に「チャイルド・プレイ」のアトラクションとかあれば楽しそうですよね。
──実は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィンイベントでもあったんです。過去シリーズの「チャイルド・プレイ」をモチーフにしたアトラクションが登場しました。
市川・あの へえー!
市川 すごく楽しそうです! 私たちもこのコスプレで行ったら仲間だと思われて襲われないかも(笑)。映画を観たあとだと「あそこが面白かったね」って会話が弾みそうだし、今年もあったらおそろいのコスプレで行ってみてほしい!