入学式で寂しくなっちゃうタイプ(赤楚)
──「仮面ライダービルド」テレビシリーズのあとに、この「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」とVシネクスト「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」を撮影されたそうですが、順番としては映画のほうがあとでしょうか。
水上剣星 はい。ビルドシリーズのオールアップは映画の現場でしたね。
──テレビシリーズのクランクアップを迎えた頃、犬飼さんは「まだ映画やVシネの撮影があるので」とおっしゃっていましたが、いざオールアップした感想はいかがですか?
犬飼貴丈 撮影が終わっても、取材や舞台挨拶をやらせていただいているので……。まだまだ僕は桐生戦兎として、赤楚(衛二)は万丈龍我として、(武田)航平さんは猿渡一海として、剣星さんはえーと……まあ……として。
一同 (笑)
水上 そう来るだろうなって気がしてた(笑)。
犬飼 はい。だからまだまだ、気持ち的には終われないですね。
──感慨はまだ来ない、と。
犬飼 たぶん僕、感慨はこの先も来ないタイプだと思います。
武田航平 うん、来ないだろうね(笑)。
赤楚衛二 そうですね。現に今こうやって万丈龍我の姿でいるわけですし、本当にすべてのお仕事が終わったら感慨みたいなものもやって来るのかな。このメンバーやスタッフさんたちから離れてみないと、その感覚はわからないかもしれない。
武田 たぶん、映画やVシネが公開されてすべてが終わったときにわかるよね。この4人で仮面ライダーをやっていることが日常すぎたので。
犬飼 (しみじみと)確かに。
武田 それが日常じゃなくなったときに、寂しさを感じるのかな。
犬飼 (おおげさに)確かに!
赤楚 それ、何!?
一同 (笑)
──武田さんは10年前の「仮面ライダーキバ」にもレギュラー出演されていましたが、当時もオールアップの段階では感慨は生まれなかったのでしょうか。
武田 僕の場合、「キバ」のときは役柄的に1人で動いていることが多かったので、「終わってしまって悲しい」という気持ちはあまりわからなかったですね。もちろんチームの中にはそういう気持ちになっていた人もいるかもしれないですが。感慨深いと言うよりは、「よし、俺はここまでやったぞ」っていう気持ちでした。これを最後にもう変身しなくなると思っても、これまでカメラの前でやってきたことは残っているわけで。それを何年かして振り返って、「ああ、俺は仮面ライダーをやっていたんだな」と感じることは実際にありました。このメンバーも本当に仲がいいので、いつか昔話をしているときに「懐かしいね」と言って、感慨みたいなものが湧くことはあるかもしれません。
赤楚 中学の卒業式で泣けなかったのに、高校の入学式でめちゃくちゃ寂しくなっちゃうタイプみたいな。
水上 ああー。
──武田さんは東映特撮ファン感謝祭で「つながりのために髪が切れない」という仮面ライダー俳優あるあるについて話していらっしゃいましたよね(参照:東映特撮ファン感謝祭、武田航平が「平ジェネ」出演を発表!白倉Pは“ドの系譜”解説)。一海ヘアからばっさりカットされたときは、気持ち的には一区切りだったのでは?
武田 そうですね。髪を切れる、イコール、もう撮影がないということですから。でも今日会ったら、赤楚くんが「誰だかわかりませんよ」って言ってくるんですよね(笑)。
水上 僕もなかなか切るタイミングがなくて。あっちゃん(犬飼)のお母さんから、実は……。
赤楚 そうだ、あっちゃんのお母さん、最初は剣星さん推しだったんですよね!
犬飼 そう。最初俺のお母さんは「剣星さんがカッコいい」って言ってたんですけど、終盤髪が伸びてきたら「なんや違うな」って(笑)。
一同 (笑)
──先ほどのスチール撮影中、水上さんはご自分で「チェ・ゲバラみたいでしょ?」とおっしゃっていました。
武田 ヒ・ゲバラ(笑)。
一同 (笑)
みんなコソ練してます(武田)
──毎年テレビシリーズ放送終了後に行われるファイナルステージで、昨年の「仮面ライダーエグゼイド」チームはほぼ全員が号泣していたのですが、今年ビルドチームの男性陣は誰1人涙を流さず、笑顔で終わったのが印象的でした(参照:お前ら最っ高だな!「仮面ライダービルド」ファイナルステージ、Tシャツで“39”)。
犬飼 もちろん泣くのが悪いとはまったく思わないんですが、僕、どうして泣くのかわからないんですよ。恥ずかしいからとか、ドライだからというわけではなくて、僕らはそういう空気にならないんですよね。
──観ている側としては、そんな大人でスマートな終わり方がビルドらしく思えましたし、そういった雰囲気は主演である犬飼さんの佇まいから生まれるものなのかなと感じました。実際のところ、どうなのでしょうか?
武田 大人でスマート。それ、事実です!
犬飼 それだけは事実! それ以外は幻想です!
赤楚 どういうことだよ!
一同 (笑)
武田 でも、ビルドらしさってなんだろう?
赤楚 心の底にはみんな熱いものを抱えているんですけど、それ以外がめちゃくちゃ、みたいなことじゃないですか?(笑)
犬飼 確かに。基本的に、合言葉のように「暑い」とか「寒い」とか言ってる。
武田 「ビール飲みたい」とか。
水上 確かに。
赤楚 文句しか言ってないじゃないですか!
一同 (笑)
犬飼 バスケ部やサッカー部に例えると、普段練習に行かず部室でサボってるけど、ちゃっかりレギュラー入りしているやつら、みたいな感じなんですよ。
武田 そうそう。まあそう言いつつ、たぶんみんなコソ練してるんです。
犬飼 うん。深夜にリフティング練習していたりするタイプ。
武田 だから現場での撮影に関しては、僕らの失態で駄目になるとか、芝居のせいで進行が止まるってことはまったくないんです。セリフを覚えて来るのはもちろんですし、仕事に関してはちゃんとやっています。
赤楚 それぞれが自立している印象ですよね。みんなでひとつになって……というよりは、それぞれが自分の役割を果たした結果、いいものができるみたいな。
犬飼 (元気よく)確かに!
武田 なんだあいつ(笑)。
──水上さんもコソ練していましたか?
水上 そうですね。僕もそういうタイプでしたよ?
赤楚 いや、してないでしょ!?(笑)
武田 現場で台本読んでたよね!?
犬飼 「1行も覚えられない」「なんだっけ、なんだっけ」って!
水上 そういうフリです!
犬飼 そうですね(笑)。そうやって場を和ませて、リラックスさせてくれたんですね。実際、撮影が始まったらセリフも覚えていましたし。そういう冗談だった、ということだ。
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ビルドファンの皆さんに恥じないように(水上)
2018年12月28日更新