「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」特集 「仮面ライダービルド」犬飼貴丈 / 「仮面ライダーエグゼイド」飯島寛騎インタビュー|レジェンドの背中と“自分らしさ”

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」が、12月9日に公開される。本作は、2人の仮面ライダーが共闘を果たす劇場版「平成ジェネレーションズ」シリーズの最終章。仮面ライダービルドと仮面ライダーエグゼイドが、仮面ライダーオーズ、仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダー鎧武、仮面ライダーゴーストといったレジェンドライダーたちとともに新たな脅威に立ち向かう。

映画ナタリーでは本作の公開を記念し、3回にわたる連載企画を展開。最終回では、現在放送中の「仮面ライダービルド」より仮面ライダービルド / 桐生戦兎役の犬飼貴丈と、前作「仮面ライダーエグゼイド」より仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢役の飯島寛騎のソロインタビューを2本立てでお送りする。レジェンドライダーキャストとの共演は、2人にどんな影響を与えたのか? また犬飼には「ビルド」本編で明らかになってきた戦兎という人物や、赤楚衛二扮するバディ・万丈龍我について、そして飯島には1年間ともに闘ってきたエグゼイドチームへの素直な思いを語ってもらった。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 佐藤類

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犬飼貴丈インタビュー

戦兎は“絶対正義マン”

──クランクインから約4カ月経ちますが、「仮面ライダービルド」中心の生活には慣れましたか?

犬飼貴丈

そうですね。だんだんとスケジュール的に忙しくなっている気がします。本編以外にもおもちゃやお菓子などたくさん展開している作品なので、そっちもかなり充実してきたということなのかなと。

──気持ちの面では変化はあるのでしょうか。

うーん、変わってないかもしれないですね。やっぱりがんばろうという姿勢とか、やらなきゃっていう責任感は変わっちゃ駄目だなと思って。意識して変えないようにしているのかな。

──桐生戦兎は記憶喪失という設定なので、8月に開催された製作発表では「台本を読み進めていくうちに戦兎と一緒に記憶を紡いでいっている」とおっしゃっていましたね。第5話では、バンド“ツナ義ーズ”のメンバー佐藤太郎だったという衝撃の過去が明らかになりました。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」より、桐生戦兎。

その展開も、最初はまったく知らなかったんです。僕としては普通に桐生戦兎のつもりでいたら、実は佐藤太郎だった(笑)。でも、佐藤太郎に関しての役作りやキャラクターの方向性について、監督は何もおっしゃらなかったので、自分でやっちゃった感じです。脚本にはセリフもなかったんですよ。

──ということは、第6話回想シーンでの「夜は焼肉っしょー!」のセリフも?

はい。やっちゃおうと思って演じたら、そのままOKをいただきました。え、大丈夫なの!?と思いつつ(笑)。

──それでも、戦兎としてのお芝居が佐藤太郎のキャラクターに引っ張られることはあまりないですよね。

犬飼貴丈

でもフルボトルができあがったときのテンションの上がり具合だったり、髪がピンと立ったりするところで、佐藤太郎に由来する部分も残っているかなと思います。佐藤太郎や戦兎の過去についてはこの映画や本編でさらに明らかになっていくんですが、その頃にはさすがに展開を教えてもらって、どう演じるか考えました。

──戦兎の過去を知ることによって、演じるうえで心境の変化はありますか?

話がどんどんシリアスになっていくので、重い雰囲気になりすぎたり、ずっと真面目な桐生戦兎のままになってしまわないようにしています。おちゃらけられるところはおちゃらける、というのを意識していますね。随所で桐生戦兎らしさや軽さを出すように。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」より、仮面ライダービルド(左)。

──クランクイン当初、田﨑竜太監督が「自主的に動いて。桐生戦兎は君にしか演じられないから」とおっしゃったそうですね。犬飼さんだからこそ出せる桐生戦兎らしさとは、どんな部分にあると思いますか。

動きについては考えていますね。戦兎はわりと、きびきびテキパキ動くのかなと思って。じっとしてるタイプではないので、アクティブに体を動かしたり、体で喜びを表現するような男なのかなと。

──「焼肉っしょ」以外に、犬飼さん発信のセリフやアドリブはありますか?

ボトルができあがったときの奇声です。4話で、偶然にもテンションが上がりすぎて、思わず出ちゃって。そのままOKをいただいちゃったので、それ以降やめるわけにもいかず、後戻りできなくなってしまいました(笑)。

──(笑)。戦兎は、自分の記憶を取り戻すことよりも、人助けを迷わず優先するような人物です。とことん正義を突き詰める姿はある意味で人間らしくないとも言えますが、理解に苦しむことはないのでしょうか。

犬飼貴丈

スパイだとわかった(滝裕可里演じる)滝川紗羽さんを受け入れたのも、すごいですよね。僕だったらめちゃくちゃ怒って、絶対許さない(笑)。でも紗羽さんも結果的にかわいそうなんですよ。だってあれだけがんばって盗聴器を仕掛けても、きっと戦兎と龍我の口論しか録音されてないですから。戦兎は“絶対正義マン”なので、もうそういうやつなんだと思ってやるしかないんです。そこで監督に「僕だったら自分を優先しちゃうので、このセリフは言いたくないです」って意見することはもちろんありませんし。演じていて清々しいほどに正義なので、そこに違和感はないですね。全部受け入れる、正義の心をきっちり持っている部分は、戦兎のすごく好きなところです。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」
2017年12月9日(土)より全国公開
「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」
ストーリー

すべてを超越する力を求め、人類消滅計画をもくろむ凶悪な科学者・最上魁星 / カイザーが現れた。立ち向かおうとする仮面ライダービルド / 桐生戦兎と仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢だったが、永夢は変身ができない。それは以前、ビルドのフルボトルに成分を吸収されたせいであった。そんな絶体絶命の危機にある2人を助けに現れたのは、あの男たち。無事人間としてよみがえった仮面ライダーゴースト / 天空寺タケル、“始まりの男”として神の力を手に入れた仮面ライダー鎧武 / 葛葉紘汰、母校・天ノ川学園高校の教師となった仮面ライダーフォーゼ / 如月弦太朗、アンクと再会を果たした仮面ライダーオーズ / 火野映司が帰ってきた。世界を救うため、ライダーたちが力をひとつにする。

スタッフ / キャスト

原作:石森章太郎
脚本:武藤将吾、高橋悠也
監督:上堀内佳寿也
音楽:川井憲次、ats-,清水武仁&渡辺徹、中川幸太郎
アクション監督:宮崎剛
特撮監督:佛田洋
出演:犬飼貴丈、飯島寛騎、渡部秀、福士蒼汰、佐野岳、西銘駿、赤楚衛二、高田夏帆、瀬戸利樹、松本享恭、岩永徹也、松田るか、小野塚勇人、黒崎レイナ、甲斐翔真、土屋シオン、柳喬之、滝裕可里、関智一(声)、三浦涼介、田中卓志(アンガールズ)、水上剣星、前川泰之、大槻ケンヂ

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犬飼貴丈(イヌカイアツヒロ)
1994年6月13日生まれ、徳島県出身。2012年に第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞した。2014年にドラマ「碧の海~LONG SUMMER~」で俳優デビュー。その後「ペテロの葬列」「美しき罠~残花繚乱~」「OUR HOUSE」「スーパーサラリーマン左江内氏」などに出演した。