「BLEACH」福士蒼汰×吉沢亮インタビュー|6年経っても変わらないもの

久保帯人のマンガを「アイアムアヒーロー」の佐藤信介が実写映画化した「BLEACH」が、7月20日に公開される。本作は、幽霊が見えること以外は普通の高校生・黒崎一護が、死神の力を譲り受け、悪霊・虚<ホロウ>と死闘を繰り広げるバトルアクション。主演の福士蒼汰のほか、杉咲花、吉沢亮、早乙女太一、MIYAVIといった個性豊かなキャストが集結した。

ナタリーでは、本作の公開記念特集をジャンルをまたぎ展開していく。第1弾では、一護役の福士と、死神に対抗する種族“滅却師<クインシー>”・石田雨竜役の吉沢が登場。世界中の原作ファンから注目される本作の魅力について話を聞いた。そして特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」で1号・2号ライダーを演じたことで知られる2人に、久々の再共演に関してもたっぷり語ってもらっている。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 草場雄介

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「BLEACHフェス」とは?

7月10日に東京都内で開催されたイベント。「BLEACH」の黒崎一護役・福士蒼汰や阿散井恋次役・早乙女太一が登壇し、主題歌を担当する[ALEXANDROS]がライブパフォーマンスを披露した。

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仮面ライダーの頃と、2人の距離感が似ていた(福士)

──本作で黒崎一護役を福士蒼汰さん、石田雨竜役を吉沢亮さんが務めると発表されてから、「仮面ライダーフォーゼ」ファンの方々がかなりの盛り上がりを見せていましたね。

福士蒼汰 やっぱり自分たち2人にはそのイメージがあるんだと思います。

吉沢亮 はい(笑)。

左から吉沢亮、福士蒼汰。

──お二人はこの配役を聞いたときどう感じましたか? 共演としては、「フォーゼ」本編直後の2012年公開作「ぼくが処刑される未来」「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」以来になりますが。

福士 その間に会っていなかったわけではなく、数回ほどごはんに行ったり、カラオケに行ったりしていたんです。でもお仕事として共演するのは本当にひさびさだったので、どんな感じなのかな?とは思っていました。実際に現場で会ったら、全然変わっていないなという印象でした。……相変わらず人見知りだし、初共演の相手とは全然話さないなあと(笑)。

吉沢 そっか、あの頃から僕は人見知りだったんですね(笑)。

福士 ライダーの頃も、亮くんは途中から入ってくる役だったこともあって、最初は全然話していなくて。そう思うと、いい意味で亮くんらしいままというか、変わっていなかった。

吉沢 福士くんもいい意味で変わっていなかったですね。相変わらず同世代の役者の中で大人っぽいですし。見た目もそうなんですけど、周りになじんでいるようでいてどこか俯瞰的に見れているところは、ライダーの頃からずっと同じだと思います。お芝居のテンションに関しても、2人でやるといい感じにハマるというか、やりやすくて楽しかったですね。

──お芝居に入ると、あの頃の距離感がよみがえるといった感じでしょうか。

福士 ライダーの頃と、キャラクターの距離感が少し似ていたんです。自分の役が熱い男で、亮くんの役がクール。それもあってなんだか懐かしさも感じながら演じていて、「この歯車の合わせ方でいいよね」と認識し合えました。

「BLEACH」より。左から吉沢亮演じる石田雨竜、福士蒼汰演じる黒崎一護。

吉沢 そうですね。最初は敵対していて、だんだん距離が縮まっていって、同じ目的のために共闘する。そんな僕らの姿は、ある特定のファン……特撮ファンの方からしたらたまらないんじゃないかな(笑)。それはこのキャスティングを聞いたときから思っていました。あとやっぱり、僕の中ではライダーのときの福士くんのイメージが強いんです。その後福士くんが出演している作品を観ると、わりとクールな役も多いんですけど、僕の中でのイメージは完全に如月弦太朗( / 仮面ライダーフォーゼ)。

福士 ははは。

吉沢 だから今回の一護のようなまっすぐで熱い役が、僕の中では福士くんにぴったりなんですよ。福士くんが主演と聞いたときはすごくハマりそうだなと思ったし、楽しみに感じました。

6年前から「この人、芝居が好きなんだな」と思っていた(吉沢)

──この6年間、お二人ともそれぞれ活躍されてきましたが、ご自身で成長したと思う部分があれば教えてください。

吉沢 6年前から比べて、ですよね……。ひげは、めちゃくちゃ伸びるようになりましたね。

福士 ははは! 全然ひげのイメージはない。

吉沢 ライダーの頃は全然生えなくて……。

福士 じゃあ、成長したところは“ひげ”?(笑)

福士蒼汰

吉沢 はい。ひげが成長しました(笑)。福士くんは?

福士 そうですね……自分もひげが伸びるようになりました。

吉沢 (笑)。剃る時間も長くなったよね。前は15秒くらいで、ウィーンってやったらはい終わり、って感じだったのに。今は2分くらいかかるもん。

──お二人とも、意外な回答でした(笑)。ではお互い成長した点を挙げるとしたら?

吉沢 福士くんは基本的には変わっていないんですけど、よりストイックになった気がします。当時から待ち時間も楽しそうに台本を読んでいる印象が強くて、「この人、芝居が好きなんだな」と思っていたんです。そのあとも福士くんは武術(ジークンドー、カリ、USA修斗など)を習ったり、英語を一層勉強しているそうですし。30代になってからそういうことを始める人はたくさんいると思うんですけど、10代や20代の頃から先を見据えて準備している俳優は、周りに福士くんくらいしか思い浮かばないですね。そういう部分はやっぱりすごいし、あの頃以上にストイックだなと思います。

福士 亮くんは……。

吉沢 僕、成長しました?

福士 なんだろう。本当に変わっていないという印象が強いんですが……。

吉沢亮

吉沢 ……(無言で期待のまなざしを送る)。

福士 ずっとこんなふうにニヤニヤしてる感じで(笑)。

吉沢 (笑)。意外と変わらないものだよね。

福士 そう、意外と変わらない。でも変わらないでいることが逆に大人なのかなと思います。20代前半になってくると、普通は大人っぽくしようとしてしまう。年齢は大人になってきたけど、中身が子供だからこそ、ギャップを埋めようとする。でも亮くんは心が成長しているから自然体のままでいられるんだろうなと思います。

吉沢 おう。

福士 ははは、おうって!(笑)

「BLEACH」
2018年7月20日(金)全国公開
「BLEACH」
ストーリー

高校生・黒崎一護はユウレイが見える霊感の持ち主。ある日、家族が人間の魂を喰らう悪霊・虚<ホロウ>に襲われてしまう。そこに現れたのは、死神を名乗る謎の女・朽木ルキア。彼女は一護に究極の選択を迫る。このまま家族とともに殺されるか、世の中のすべての人を虚<ホロウ>から護る<死神>になるか──。<死神>として生きていく道を選んだ一護の先には、想像を超えた闘いが待ち受けていた。

スタッフ / キャスト

監督・脚本:佐藤信介

原作:久保帯人「BLEACH」(集英社ジャンプコミックス刊)

脚本:羽原大介

音楽:やまだ豊

アクション監督:下村勇二

主題歌:[ALEXANDROS]「Mosquito Bite」(UNIVERSAL J / RX-RECORDS)

キャスト:福士蒼汰、杉咲花、吉沢亮 / 真野恵里菜、小柳友 / 田辺誠一、早乙女太一、MIYAVI / 長澤まさみ、江口洋介

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福士蒼汰(フクシソウタ)
1993年5月30日生まれ、東京都出身。2011年に「仮面ライダーフォーゼ」で初主演を務めて注目を集める。その後はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」や「図書館戦争」シリーズ、「神さまの言うとおり」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」「無限の住人」「ちょっと今から仕事やめてくる」など話題作に立て続けに出演した。2018年には主演作「曇天に笑う」や「ラプラスの魔女」が公開されたほか、10月26日に「旅猫リポート」が封切られる。南勝久のマンガをもとにした2019年公開作「ザ・ファブル」への出演もアナウンスされている。
吉沢亮(ヨシザワリョウ)
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2011年に特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の仮面ライダーメテオ / 朔田流星役で注目を浴びる。主な出演映画は「さらばあぶない刑事」「トモダチゲーム」「銀魂」「斉木楠雄のΨ難」など。2018年には「リバーズ・エッジ」「ママレード・ボーイ」「銀魂2 掟は破るためにこそある」「あのコの、トリコ。」といった出演作が続々と公開。現在主演ドラマ「GIVER 復讐の贈与者」がテレビ東京系にて、出演ドラマ「サバイバル・ウェディング」が日本テレビ系にて放送されているほか、2019年4月より放送のNHK連続テレビ小説「なつぞら」へも出演する。

2018年7月27日更新