リーアム・ニーソンが主演を務めたクライムアクション「ブラックライト」が3月3日に全国公開される。
ニーソンと言えば「シンドラーのリスト」などで演技派の地位を確立し、「スター・ウォーズ」シリーズのクワイ=ガン・ジン役でも知られるスター俳優だ。「96時間」シリーズなどアクション映画でも活躍し、70歳を迎えた現在もその屈強さは健在である。本作ではFBIの陰で働く“フィクサー”として政府の陰謀に立ち向かう役に挑み、さらに娘だけでなく孫をも守る“かっこいいおじいちゃん”の顔ものぞかせた。
そんな本作をひと足早く観たのは、納言の薄幸&やす子の仲良し2人。「映画を観て感想を言うだけのお仕事……?」とドッキリを疑うやす子だが、今回は本当に映画を観てしゃべるだけ。“洋画初心者”な2人もスカッと楽しめたという本作の感想や、映画に絡めたエピソードトークの数々に注目!
取材・文 / 柴﨑里絵子撮影 / 須田卓馬
70歳というのに驚きました(幸)
──今日はお二人に「ブラックライト」と主演のリーアム・ニーソンの魅力についてたっぷりと語っていただきたいと思っているのですが、普段洋画はご覧になられますか?
薄幸 あまり……。字幕だとどっちを観ればいいんだって、追いつかなくなってしまうんで。でも、映画は最近「RRR」と「THE FIRST SLAM DUNK」を観ました。
やす子 幸さんすげえ! 流行りを押さえてる! 私は直近で映画館に観に行ったのは「シン・ウルトラマン」です。映画は観たいものを観に行く感じですね。
幸 「シン・ウルトラマン」って最近?
やす子 去年ですかね。はいー。
──そんな“洋画血糖値”があまり高くないお二人にとって、「ブラックライト」はいかがでした? 楽しめましたか?
やす子 頭を空っぽにして観られるのと、むしゃくしゃしたことを全部発散してくれる感じがして、楽しく観ることができました。スカッとしました。
幸 難しすぎないので、めちゃくちゃ楽しめました。バンバンって戦って、ちょっとだけバカみたいなところもあるじゃないですか?(笑) おじいちゃんが1人で奮闘していてかっこよかったです。
──その“おじいちゃん”こそがリーアム・ニーソンという俳優でして、50歳を過ぎてからアクション俳優としての地位を築いたスターなんです。
やす子 えええ!
幸 すごい……!
──彼のことはご存知でしたか?
幸 知らなかったです。
やす子 私も今回初めて見た俳優さんでした。
──もともとは「シンドラーのリスト」(1993年)でアカデミー賞にノミネートされるような、演技派として知られる俳優だったんですけど、56歳のときにたまたま出演した、悪党に連れ去られた娘を救い出す「96時間」(2008年)というアクション映画が大ヒットしたんです。本人は公開すらされないと思っていたらしいのですが、演技派なだけあって芝居もリアルかつアクションもできる。さらに「お前を探し、お前を見つけ出し、そしてお前を殺す」という決めゼリフも世界中で流行して、結果、大人気映画になったんです。
やす子 えー! 「お前を殺ーす!」知ってます。はいー。
──よく芸人さんも言ったりしていましたよね。この映画のヒットを機に、彼のもとにはアクション映画のオファーが次々と舞い込んだのですが、悲しいことに同じタイミングで奥様をスキー事故で亡くしてしまった。その悲しみから逃れるために仕事に没頭し、来る仕事をどんどん受けていたら、すっかりアクションスターになっていたんです。
やす子 えーそうなんですね。
幸 いやあ、びっくりです。でも映画の中では主人公が疲れちゃったりもしていて、ちゃんと70歳でしたね(笑)。びっくり人間じゃないところがよかったです。
やす子 弾の入れ替えシーンにしても、ものすごくキレがよくて。本当に元軍人さんみたいな動きで、すべてがリアルでびっくりしました。
冒頭から「この映画、穏やかじゃなさそうだな」って(やす子)
──「ここはよかった!」というシーンはありますか?
幸 全然アクションじゃないんですけど……。トラヴィス(リーアム・ニーソン)が自宅の冷蔵庫の中にあるビールのラベルを前に向けてきれいに並べるシーンですね。
──(笑)。やはりお酒が心に残るシーンのトップに?
幸 お酒はもちろんですけど(笑)。実は私も冷蔵庫を開けたときに、飲み物のラベルが自分の方に向いていないと気持ち悪いんです。ルームシェアしていたときは、みんな適当にペットボトルを入れるので「ウーロン茶のラベルはこう向けておくんだよ」って大喧嘩になったりもしました。だから「わかるわー!」と共感しましたね。調味料のラベルも前向きにそろえないと駄目。
やす子 酒瓶がガンガン撃たれるシーンは、めちゃめちゃ腹立ったんじゃないですか?
幸 もったいないよー!って思った(笑)。
やす子 自分はもうアクションシーンは全部楽しかったですけど、特にクライマックスがめっちゃかっこよくて。伏線うまっ!て思ったり。あとは……(ソファにのけぞりながら)うわああああああああ! ちょっと(感想が)固まってないんですけど。はいー。
幸 ほかにないなら「あとは」って言わなくていいんだよ。
やす子 あ、あります! 冒頭からソフィアさんという女性を巻き込む事件が起こるじゃないですか。「そんな急に? この映画、穏やかじゃなさそうだな」って感じがしましたね。はいー。
──カーチェイスのシーンも迫力がありましたよね。
やす子 かっこよかったですうー。逃げきるのか、逃げきらないのかっていうスリルがありました。
幸 かっこいい!と思いながら、どうやって撮影してるんだろう?とも考えちゃいます。公道だったら国に許可を取るのかな、とか。どうしたらああいうシーンを撮れるのか本当に不思議です。