漫画編集者になってみたい?
──古田さんは昔、漫画家に憧れたことがあったと聞きました。
古田 高校のとき、漫研に入って同人誌を作ってました。大阪では「コミフェ」(※コミックフェス)って呼んでいたんですが、そこで自分たちが描いた漫画を売ってました。あと、NHK教育テレビ(現・NHK Eテレ)の「YOU」っていう番組に漫研代表として出演したことがあります。
松下 まんま醍醐さんですね(笑)。
古田 ちなみに、園山俊二先生と一緒に出てます。
松下 先生になんて言われたんですか?
古田 おいらの漫画を見て「うーん……ちょっと残酷だね」って(笑)。
──お二人は漫画編集者になってみたいとは思いますか?
松下 私にはこんな難しいことできないですね。
古田 大変な仕事ですよね。
松下 描いてきたものに駄目出しするのがすごい気が引けます(笑)。
古田 おいらは逆にひどいことしか言えない。「なんだこれ?」とか(笑)。「こうなったら面白くなる」ってアドバイスできる編集者がきっといい編集者なんでしょうね。
──ところで、醍醐はなぜ編集長を引き受けたのでしょう。
古田 自分が苦手だったけど尊敬していた先輩(南部)が亡くなったというところに引っかかったんだと思います。そして、編集部に行くと編集者としての血が騒ぐというか。彼の中に「編集長はこうあるべきだ」という思いもあったんでしょうね。ただ、最初はあんなに編集部員を罵倒していたのに、最後にはみんなに優しくなっていたので、しょせんその程度の男かと(笑)。
松下 でも、人間臭くていいですよね、その意味では。
漫画編集出身・長崎尚志さんの原作はミスリードがうまい
──今回の続編では、前作以上にいろいろな要素が複雑に絡み合って謎を深めていきます。
古田 単純にストーリーが面白いよね。
松下 ええ。下山事件が絡んでくるだけでなく、それが伏線になってどんどん物語が膨らんでいって、最後に爽快感がありました。
古田 ミスリードがうまいよね。こっちかと思わせて、実はこっち、みたいな。それから、優希のお父さんの死の真相についても今回は触れられているし。どうなるかは言えないけど。
松下 たぶんこれ……シーズン3ありますよ(笑)。あったらいいな。
──前作では優希の父の死について、謎はまだ残ったままですが。
松下 彼女にとってはそれが一番、大きな問題ですよね。もう何十年も引きずってることだし、それによって家族がバラバラになってしまったということもある。さらに、今回の事件とも少なからず並行して進んでいくので、果たしてどう着地するのかドキドキしますし、そこに強く惹かれますね。
古田 原作の長崎(尚志)さんが漫画編集出身なので、そこらへんの引っ張りが非常に上手ですよね。
──そのほかに今回オススメしたいポイントは?
古田 平泉成さん、岩松了さん、田中泯さん……いろいろなタイプが出てきます。
松下 皆さんそれぞれに怪しい雰囲気が漂っていて……。
2人は共演を通じた“伴走者”
──ドラマのタイトルにちなみ、共演という“伴走者”でもあるお互いに一言あれば。
古田 奈緒ちゃんは男らしい人だと思ってたから、実際にご一緒して「あ、やっぱり」と(笑)。
松下 前作のときは“おっさん”って言いましたよね(笑)。古田さんは変に壁がないというか、自然に「今、伴走してるな」って思えるし、一緒にいて助けてもらっているなって感じはいつもします。
──気が早いですが、シーズン3がもしあったとしたら?
古田 あったらがんばります(笑)。
松下 もっと醍醐さんのセリフが増えるかもしれませんね(笑)。でも、長ゼリフのあとに一言セリフを言うのも緊張するんですよ。
古田 でも、この作品は脚本が何より面白い。脚本が面白くなかったらなんとかして面白くしようと燃えるけど、脚本が面白い作品が面白くなくなったらおいらたちの責任だからね。がんばります!
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