「ARGYLLE/アーガイル」から目が離せない!宇垣美里が超刺激的なマシュー・ヴォーン最新作をたっぷり掘り下げ

映画「キック・アス」や「キングスマン」シリーズで知られる監督マシュー・ヴォーンの最新作「ARGYLLE/アーガイル」が3月1日に全国で公開。北米では2月2日に封切られ、週末興行ランキングで初登場から2週連続のナンバーワンを獲得した。

本作は現実と空想のスパイ世界が交差していくファンタジック・アクション・エンタテインメント。スパイアクション小説「アーガイル」の作者が、新作の内容をめぐり、実在するスパイ組織から狙われるさまが描かれる。小説に登場する凄腕エージェントのアーガイルをヘンリー・カヴィル、危機的状況に陥る「アーガイル」の作者エリー・コンウェイをブライス・ダラス・ハワード、彼女を助けようとするスパイのエイダンをサム・ロックウェルが演じたほか、ブライアン・クランストン、キャサリン・オハラ、デュア・リパ、アリアナ・デボーズ、ジョン・シナ、サミュエル・L・ジャクソンといった豪華キャストが集結した。

映画ナタリーでは、ひと足先に本作を鑑賞した宇垣美里にインタビューを実施。試写の興奮冷めやらぬ中、宇垣はマシュー・ヴォーン作品の世界観や、まるで踊っているような華麗なアクションに言及。「え、イーサン・ハント!?」と思わず感じてしまったサム・ロックウェルの魅力についても楽しそうに語ってくれた。

取材・文 / 折田千鶴子撮影 / 西村満
ヘアメイク / 北一騎スタイリング / 滝沢真奈

映画「ARGYLLE/アーガイル」予告編公開中

めちゃくちゃ景気がいい!「誰と観ても絶対に盛り上がります」

──「ARGYLLE/アーガイル」を観終えた、第一声をお聞かせください。

面白くて目を離す隙もなく、ずっとワクワクしっぱなしでした! 冒頭から、「マン・オブ・スティール」(でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィル)に、どんな髪型させてんねん!?ってツッコみたくなりました(笑)。ヘンリー・カヴィルが、まさかの角刈りですから。そこで目を奪われ先制パンチを食らわされましたが、同時に“この作品は、そういう映画ね”とわかるので、そこからのセリフの応酬にもずっと笑いっぱなしで。そのちょっとトボけた感じが最高でした!

宇垣美里

宇垣美里

──冒頭でヘンリー・カヴィルと対峙するのが、デュア・リパです。

デュア・リパの華やかさと言ったら! さすがの“ディーバ感”でバーンと登場する、目を惹き付けてやまない存在感に思わず、ありがとうございます!という気分になりました。本当に豪華絢爛でいろんな要素が詰め込まれ、超特急な展開が目白押し。それこそ、ゴージャスなマシュー・ヴォーンの世界観を感じました。これは、誰と観ても絶対に盛り上がりますね。

映画「ARGYLLE/アーガイル」より、デュア・リパ演じる女(左)とヘンリー・カヴィル演じるエージェントのアーガイル(右)。

映画「ARGYLLE/アーガイル」より、デュア・リパ演じる女(左)とヘンリー・カヴィル演じるエージェントのアーガイル(右)。

──ほかの作品も含め、マシュー・ヴォーンの世界観は特に何が魅力だと思われますか?

これまで「キングスマン」シリーズや「キック・アス」などを観ていますが、突拍子もないことを大真面目にやるところが、やっぱり大好きです。ド派手でゴージャスでそんなバカなー!!っていう、ちょっと現実離れした奇想天外な世界に連れて行ってくれるところ。スパイグッズやガジェットもすごく夢があり、音楽との合わせ方も含めて毒がある感じが好き。スパイものと言えども、ダニエル・クレイグ主演の「007」シリーズなどの、シリアスでハードボイルドなテイストとはまた一線を画す、荒唐無稽で不謹慎で、でもとってもハッピーな映画というか。めちゃくちゃ景気がいい感じがするのが、マシュー・ヴォーンが監督するスパイ映画の魅力だと思いますね。

華やかさとカラフルさ満載なアクションシーンの数々

──もちろん本作もアクション満載です。印象に残ったシーンを挙げてください。

どのアクションも目が離せず、ドキドキハラハラの素晴らしいシーンばかりでした。そんな中でもっとも印象に残ったのは、カラフルなスモークの中で踊るように戦うシーンです。あの華やかさとカラフルさは、マシュー・ヴォーンっぽさの1つですよね。現実離れしてはいますが、同時にギリ“あるかもしれない”と思わせる絶妙なラインで。スケートのシーンも記憶に残っていますが、映画館で楽しんでいただきたいですし詳細は伏せます。でもここも発想が素晴らしく、あっぱれと思いました!

宇垣美里

宇垣美里

──予告編にも出てくる、電車内におけるアクションシーンはいかがでしたか。

サム・ロックウェルが登場するシーンですね。すごく好きな俳優さんですが、ちょっとトボけていたり、クレイジーだったり、変顔したりするコミカルなキャラクターを演じることが多いイメージを強く持っていました。そうしたら今回、見れば見るほどかっこよく見えてきたんですよ。意表を突かれ、「え、イーサン・ハント(「ミッション:インポッシブル」シリーズでトム・クルーズが演じる伝説のスパイ)!?」って思ったほど(笑)。キメる瞬間もあるけれど、ヤラれたりボケたり、ちょっと大丈夫!?と思わせる姿が、かわいくて目が離せず面白かったです。初めて現れたときは「サム・ロックウェル……だよね?」というような風貌で一見誰なのかわからないぐらい。でもよく考えたら、むしろスパイらしさってこういうことかなと納得したりして(笑)。予告編にも使われている電車から脱出するシーンも、わっしょいー!といったお祭り感がすごくありました。アクションをはじめ迫力ある映像要素が多いので、大きい画面と大音量で観るのにぴったりだと思いましたね。

だんだんイーサン・ハントに見えてくる!? スパイのエイデン役を務めたサム・ロックウェル。

だんだんイーサン・ハントに見えてくる!? スパイのエイデン役を務めたサム・ロックウェル。

──確かに本作はIMAX®、Dolby Cinema®、Dolby Atmos®、Screen Xといったラージフォーマット上映も行われます。

やっぱりアクションがあればあるほど、私は大きい画面で観たい。大きければ大きいほどいい、と勝手に思っていて。映画は基本的に映画館で観るべきで、やっぱり作品のスケールに見合った画面で観るのがいい気がします。もちろん小さな画面で観ても絶対に楽しいけれど、細かい部分を見逃しちゃう気がしてもったいないと思うんです。マシュー・ヴォーンの作品は、どの映画のどのシーンも「うわ、お金掛かってるな」と思うので、それを享受するためにも、せっかくなら大画面で観てほしいですね。