中国ドラマ「安楽伝」が7月3日からU-NEXTで独占先行配信、同日よりDVDが順次リリースされる。ディリラバ(迪麗熱巴)とゴン・ジュン(龔俊)が初共演を果たし、「山河令」のゲイリー・シン(成志超)が総監督を務めた本作は、数々のドラマランキングで1位を獲得したロマンス時代劇だ。劇中では、皇太子のいいなずけという立場から一転して謀反人の娘となり現在は海賊として生きる任安楽と、彼女の正体を知らぬまま惹かれていく皇太子・韓燁の宿命の愛が描かれる。
映画ナタリーでは、中国語を勉強しており、ダンス&ボーカルグループのWATWING(ワトウィン)のメンバーとして活動するほか、俳優としても活躍する八村倫太郎にインタビューを実施。中国ドラマ初鑑賞で感じた物語やキャラクターの魅力、自身がチャレンジしてみたいアクションを聞いた。
そのほかの「華ざかり!華流パラダイス」中国ドラマおすすめ作品特集はこちら
取材・文 / 金子恭未子
中国ドラマ「安楽伝」予告編公開中
「この中国語わかる!」とか、日常の中で成果を感じるとうれしい
──海外の作品にハマったことがきっかけで外国語の勉強を始める方も多くいます。八村さんも、英語や中国語を勉強されていますが、どういったきっかけで始めたのでしょうか?
海外のアーティストや文化に触れるのが好きで、中学生の頃からOne Directionのファンなんです。「ワン・ダイレクションTHIS IS US」というドキュメンタリー映画は何回も観ているんですが、メンバーのハリー・スタイルズのインタビュー映像を観て、声のトーンや話し方をマネしていました。英語をしゃべっている自分、かっこいいなって、ちょっと酔ってみたり(笑)。
中国語は話者数も多いので、将来自分の引き出しになればいいなと思って、大学の第二外国語で選択したのがきっかけです。どんな言語でもそうですが、自分の話が通じたり、相手の言っていることが理解できたりするとすごく楽しいですよね。
──八村さんが英語、中国語をお話しされている動画を拝見したんですが、発音をとてもしっかり勉強されてきたのではないかと感じました。
めちゃくちゃ気を付けていますね。学校の授業で音読するときも発音に注意してしゃべっていたんですが、それが今に生きていると実感しています。中国語は漢字を使うので、その点では日本語と通じる部分もあるんですが、同じmaという音でも声調のパターンが4種類あるので、発音が本当に難しくて。でも語学の最初のステップとしてすごく大切にしている部分なので、発音に気を付けて勉強していました。
──これはお薦めという学習法はありますか?
学生時代に1週間程度、留学したんですが、その言語しか使わない環境は大きいなと思いました。あとは、音楽が好きなので、歌詞を自分で訳してみたり、海外の作品を観たあとに、日本語字幕はこうなっていたけど、もともとのセリフはどうなっているんだろう?と調べてみたり。自分の気になったことを掘り下げています。
──勉強を続けていると「今のセリフ、聞き取れた!」とうれしくなる瞬間がありますよね。
あります! あります! 電車のモニタの表示を見ていて、「この中国語わかる!」とか、日常の中で学習の成果を感じるとすごくうれしいです。
文化の違いに触れることができて楽しかった
──今回、八村さんにはディリラバとゴン・ジュンが共演した中国ドラマ「安楽伝」を観ていただきました。いかがでしたか?
中国ドラマは、今まで観たことがなくて、初めてだったんです。壮大な作品だなと思いました。オープニング映像の作り方も日本にはない感じで、文化の違いに触れることができて楽しかったです。日本建築と中国建築にはそれぞれ特徴がありますし、色彩感覚の違いも感じました。落ち着いた日本の色使いもとても好きですが、豪華絢爛な宮廷がどーん!とあるのも、わかりやすくて素敵だなと。
あと、キャストの皆さんが、すごくおきれいですよね? 画が強い!って思いました。皇帝や皇太子など身分の高い人が登場するということもあって、ヘアメイクや衣装も美しかったです。
──そのほか日本の作品との違いを感じた部分はありましたか?
すべての作品に当てはまるわけではないですし、日本の時代劇はこうだとか、中国の時代劇はこうだと言うことはできないと思うんですが、日本の時代劇は、武士だったり、1人の登場人物にスポットを当てているようなものが少なくないのに対して、中国や韓国の時代劇は、宮廷内の権力争いにフォーカスが当たっていたり、物語に政治が絡んでくるものが多いイメージがあるんです。「安楽伝」も、宮廷内の陰謀や、権力者たちの思惑が描かれていて、ヒロイン・帝梓元の復讐だけにフォーカスした作品ではないんだなと思いました。
──おっしゃる通り、復讐劇、ラブストーリー、宮廷サスペンスとさまざまな要素が楽しめるドラマになっていますよね。
「安楽伝」ってどんなドラマ?
何者かの陰謀によって、帝梓元は、皇太子のいいなずけという立場から一転、ある日、謀反人の娘となり、一族を皆殺しにされてしまう。斬首される寸前で皇太子・韓燁に救われるも、幽閉生活を強いられることに。10年後、一族の汚名をそそぐべく、任安楽と名を変え女海賊として復讐の機会を狙っていた帝梓元は、一途に自分を思い続ける韓燁と再会。正体を隠し、彼を利用しようと近付くも恋に落ちていく。
──劇中では、3万の水軍を指揮する豪快な女海賊の任安楽と皇太子である韓燁の恋模様が描かれます。任安楽は、突然求婚し、皇太子に近付きますが、実は復讐を果たすという目的がありました。
会えずにいるいいなずけの帝梓元を10年間一途に思い続けている皇太子が、どんどん任安楽に惹かれていってしまう。その心情変化が見どころの1つだなと思いました。任安楽も利用するために、皇太子に近付いたのに、どんどん惹かれていく。どちらも、相手を好きにならないようにしているのに、恋に落ちていく過程が、この物語の魅力ですよね。
──韓燁は、いいなずけである帝梓元しか娶らないと宣言して、任安楽の求婚を断りますが、実はその任安楽こそが帝梓元本人なんですよね。
そこが面白いですし、キュンキュン、ムズムズするところ。任安楽も複雑な気持ちを抱えていると思いました。韓燁は自分のことを好きだと言ってくれているけれど、でも彼の目の前にいる私は、帝梓元ではないって。
僕はいいなずけがいた経験がないので(笑)、わからない部分もあるんですが、韓燁と帝梓元の結婚は彼らが幼少期の頃に周りが決めたことですよね。でも10年後に韓燁は、自ら任安楽(帝梓元)に惹かれていく。そこもすごく素敵だと思いました。
次のページ »
ゴン・ジュンさんは、気品ある皇太子役にぴったり