アワアワしちゃいました(賀来)
──桐生、西村、桜庭がHOPE社で初めてそろうシーンでは、撮影にあたって皆さんで何かお話されましたか?
大沢 「よっしゃ行くぞ! おー!」みたいな決起集会はありませんでしたけど(笑)、実はクランクインの日にあのシーンの撮影をしたんですよ。
──そうだったんですね。
大沢 クランクインはどの作品でも緊張しますし、しかも賀来くんは報道陣の前でスピーチするので「なんでこの人はクランクインの日にこんなに大変なシーンをやらなきゃいけないんだろう……」って思っていました(笑)。いきなり難しいセリフだったからけっこう苦戦してたんじゃない?
賀来 いやあもう、段取りから噛み噛みでしたよ……。アワアワしちゃいました。
大沢 そこで岩田くんが現れるんだけど、なんかもうシュっとしてたよね。
賀来 そう、名刺とかもヒュッて出しますし。
岩田 (笑)
大沢 こっちはガタガタ震えてるっていうのに(笑)。
そこのビジネスに乗りたい(大沢)
──劇中では「のぞみ」が国民の個人情報や健康を管理してくれる、という設定です。皆さんがAIにサポートしてもらうとしたらどんなことを期待しますか?
岩田 いろんな知識を記憶せずに、チップのようなもので頭の中にインプットできるシステムができたらめちゃくちゃ便利だろうなと思いました。人の得意不得意はさまざまなので、その差も埋められる気がするし、暮らしが豊かになるんじゃないかなと思います。
賀来 僕は自分の代わりに自動運転してくれるAIがいいなと思います。例えば運転中ものすごく眠くなったら、AIにピッと切り替わって、少しの間だけAIが運転してくれる、みたいな(笑)。
──大沢さんはいかがですか?
大沢 うーん……この作品に出演させていただいていろいろ思うところがあったんですが、今マッチングアプリが盛んじゃないですか。これからAIがさらに進歩したときに、恋人や友達探しを彼らがやってくれるようになるんじゃないかと思うんですよ。
──最近はいろんな種類がありますよね。
大沢 そう! だから、そこのビジネスに乗りたい。
賀来・岩田 (爆笑)
賀来 大沢さん、撮影中もずっと「なんで僕はYouTubeという存在にもっと早く気付かなかったんだろう」「YouTuberになりたかったなあ」って言ってたんですよ!(笑)
さまざまな愛に注目して(賀来)
──いよいよ公開を迎えますが、心待ちにしているファンの方々に向けて皆さんの注目ポイントを伺いたいです。
岩田 「ここまでのハプニングは今すぐには起きないだろう」とフィクションとして捉える方は多いんじゃないかと思いますが、実際にこういう事件が起きたら「自分はどういう決断をするんだろう」ということや、究極の取捨選択を迫られるときに何を大切にしたいのかを考えさせられる作品になっています。そういうメッセージが伝わったらいいなと思います。
賀来 もちろんすべてが見どころと言いたいところですが、ずっと目が離せない展開の中で、根底にあるさまざまな愛に注目していただきたいです。年齢性別関係なく受け取れるものがあると思うので、なんの前情報もなく劇場に来ていただいて、皆さんにそれぞれ何かを感じ取っていただけたらうれしいです。
大沢 この作品のお話をいただいたのが1年半ぐらい前なんですが、その頃ですら、AIがこんなに進歩するとは思っていませんでした。10年後が舞台の作品ですけど、撮影を終えてみると現実が映画に追いつくまでには10年も掛からないと思えるぐらい、AIが僕らの生活に入り込んでいます。ですから、映画で描かれる事件は決して起きないとは言い切れません。東京大学大学院の松尾豊先生をはじめとする、人工知能分野で最先端を走っていらっしゃる方々に監修をしていただいており、スケールが大きいですがリアリティのある作品となりました。自分のこととして観られる内容になっていると思います。