宮城県石巻市出身の佐藤が大川地区で撮影した両作。14歳の少女・祐未が主人公の「春をかさねて」は、震災で妹を亡くした女子中学生2人の心の揺れがみずみずしく描かれたフィクション作品だ。ドキュメンタリー「あなたの瞳に話せたら」では、津波で大きな被害を受けた石巻市立大川小学校を舞台に、友人や家族を亡くした子供たちが何を感じ、どのように生きてきたのかが映し出される。
予告編には「春をかさねて」より被災地で暮らす女子中学生たちの会話や、映像作家の
映画監督の
「春をかさねて」「あなたの瞳に話せたら」は12月7日から27日まで東京のシアター・イメージフォーラムで上映。全国でも順次公開される。なお公開初日には佐藤による舞台挨拶とQ&A、12月10日には小森を迎えたトークが行われるほか、公開期間中には佐藤の大学時代からの友人である「ナミビアの砂漠」の監督・
「春をかさねて」「あなたの瞳に話せたら」予告編
いとうせいこう(作家 / クリエイター)コメント
死者に向かっても生者に対しても、鎮魂でないカットはひとつもない映像だ。再構成であれ、ドキュメンタリーであれ。あのとき大川小学校の子供たちに何があったかを、何度も語り直すこと、記録すること、伝えること。それがそこで生きる人の日々の営みなのだと頭を垂れる。
今村純子(美学・表象文化論 / 立教大学特任教授)コメント
たとえ震災のような大変な経験がなくとも、人が生きてゆくというそのことだけでも大変で、そのなかで自分の感受性を正確につかむことは難しく、その感受性が表現に結実していることに驚きました。ただただ「花が花の本性をそのまま開花させる」という、素朴であるのにもっとも難しい表現に触れたと感じました。
小川紗良(文筆家 / 映像作家 / 俳優)コメント
切り取られてきたものを、自らの手で「撮り戻す」。その覚悟があまりに強く押し寄せて、私はただ、見つめることしかできなかった。自分の無力さを知り、同い年の彼女のまなざしに心から敬意を抱いた。
永井玲衣(哲学者 / 作家)コメント
この作品は、ひとつひとつの言葉がとぎすまされている。たっぷりとした時間と、ていねいな葛藤が、言葉をはりつめさせるのだろう。作品を受け取ったわたしたちにできることは、今も、これからも、もがきながら向きあうひとたちをひとりにしないことなのだろう。
三浦哲哉(青山学院大学教授 / 映画研究・評論)コメント
他人に撮られてしまうことの違和感は、自分自身が撮ることで消えただろうか。
おそらくそうではないだろう。しかし、違和感からけして目を背けず、違和感を抱きかかえながら撮り切ることで、この真摯で勇敢な制作者は、確実に大きな一歩を踏み出し、これまで誰もスクリーンで見たことのない光景を現出させた。
三宅唱(映画監督)コメント
心打たれました。つい何度も涙がこぼれ落ちそうになりながら、それを押しとどめられるような凄みがありました(といっても2回目は、冒頭とタイトルとバスと合唱と他いろいろと、ぜんぜん我慢できませんでしたが)。もし、今年公開される映画のうち一本しか10年後に持っていけないとしたら、「春をかさねて」を選びます。題材ゆえというよりも、映画としての具体的な探求ぶりに、その真剣な実践に、同じ時代の作り手として、一人の人間として、深く驚き、反省し、刺激を受けました。
鷲田清一(せんだいメディアテーク館長)コメント
ちぎれ、もつれ、散らばってしまった心はいつか元に戻せるのだろうか? 時がやがてそれを平らにしてくれるのかもしれないが、もっと大事なのはそれを他人と持ちあえるかどうかだと、この二つの映画に教えられた。
映画『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』 @aruharufilm
12/7(土)公開 『#春をかさねて』『#あなたの瞳に話せたら』
本予告解禁&7名の著名人よりコメントが到着しました🌟
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