「コンビニ人間」で知られる村田沙耶香の小説「消滅世界」が映画化。映像ディレクターの川村誠が監督・脚本を担当し、2025年秋に全国公開されるとわかった。
2015年に刊行された「消滅世界」の舞台は、人工授精で子供を産むことが定着した世界。夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は家庭の外の恋人か、二次元キャラというのが常識になっている。両親が愛し合った末に生まれた主人公・雨音は母親に嫌悪を抱いており、清潔な結婚生活を望み夫以外の人やキャラクターと恋愛を重ねていた。だが夫と移住した実験都市・楽園(エデン)でその生活は一変する。「日本の未来を予言する小説」と話題を呼んだ本書は、2025年にアメリカとイギリスで翻訳版の刊行が決まっている。
村田は初となる自作の映画化について「映像になるということは、言語で制作した自分の作品世界が、監督さんの作家性や俳優さんたちのその瞬間の演技など、私には想像がつかないもので化学変化のようなことが起き、映像という形に凝縮されて新しく生まれ直すことなのかな、と思っています。自分の作品とは違う映像の『消滅世界』に広がるのがどのような光景なのか、まだ未知の世界で想像できませんが、とても楽しみにしています」と期待を寄せた。
川村はレディオヘッド、オアシス、マッシヴ・アタック、ザ・スマッシング・パンプキンズなどのフェス・ライブ映像をはじめミュージックビデオやCM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなどさまざまなフィールドで活動しており、本作で長編監督デビューを果たす。原作との出会いを「足元が揺らぐような衝撃を受けました」と振り返る彼は、「この物語から受け取ったイメージを私の感性で映画として表現する自由をくださった村田沙耶香さんに心より感謝しています」とつづった。
「消滅世界」の撮影は6月に実施されており、出演者は後日発表される。配給はナカチカピクチャーズが担う。
村田沙耶香 コメント
私の作品が映像になるのはこれが初めてです。私の個人的な感覚ですが、映像になるということは、言語で制作した自分の作品世界が、監督さんの作家性や俳優さんたちのその瞬間の演技など、私には想像がつかないもので化学変化のようなことが起き、映像という形に凝縮されて新しく生まれ直すことなのかな、と思っています。自分の作品とは違う映像の「消滅世界」に広がるのがどのような光景なのか、まだ未知の世界で想像できませんが、とても楽しみにしています。
川村誠 コメント
想像を超える規格外の世界観、耳を疑うようなセリフの数々、
思考を刺激する美しい言葉で綴られた原作と出会い
足元が揺らぐような衝撃を受けました。
この物語から受け取ったイメージを
私の感性で映画として表現する自由をくださった
村田沙耶香さんに心より感謝しています。
これは、自分たちが「正しい」と信じているものの
奥底にある本当のことを探る不思議な思考実験であり
恋愛・結婚・家族―全ての価値観が激動するこの世界で
性に悩み、愛に迷う方々に捧げる映画です。
この狂おしく切ないストーリーを
美しく繊細に映像化することを目指しました。
最高のキャスト・スタッフと共に作り上げた本作を
是非劇場で味わっていただき、今を生きる皆さんの心に
少しでも突き刺さる何かが残れば幸せです。
SYO @SyoCinema
わ、マジか
しかし2025年の秋は作品ラッシュで凄いことになりそうだな…
村田沙耶香の小説「消滅世界」が映画化、2025年秋公開 川村誠が長編監督デビュー https://t.co/92hGsvIhDP