2021年3月にケララ国際映画祭のインタビューで「そのふたつのシナリオを完成させて、自分の映画人生、映画監督人生を終わりにする。そして映画に別れを告げる」と語っていたゴダール。翌年の2022年9月13日、居住していたスイスで安楽死によって亡くなった。54分の「Scénario」は最後の作品として注目を集めた「遺言 奇妙な戦争」のあとに完成した“本当の遺作”となる。コラージュ技法による18分の本編「シナリオ」と、ゴダール自身が制作のビジョンを語る36分のドキュメンタリー映像「シナリオ:予告篇の構想」の2部で構成された。
Roadsteadは今年、黒沢清の中編「Chime」を世に送り出して注目を集めたサービス。映像流通の新しい仕組み・Digital Video Trading(DVT)を提供するメディア配信プラットフォームで、ユーザーは購入した作品を視聴して楽しむだけでなく、第三者へのリセールやレンタル、非営利の上映といった形でさまざまな利用が可能だ。「Scénario」の販売価格は2500ユーロ。予約特典としてゴダールが制作したノートのレプリカが用意された。Roadsteadは製作にも参画しており、同サービスを提供するねこじゃらしの代表取締役・川村岬がプロデューサーに名を連ねている。
なお「Scénario」は第37回東京国際映画祭にてTIFFシリーズの1本として正式出品。本日夕方から東京・TOHOシネマズ シャンテにてアジアンプレミアが行われる。
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Roadsteadで売るのか。なかなかマニアの心をくすぐってくるな。
ゴダールの本当の遺作「Scénario」全世界100個限定で予約販売、劇場公開も予定(予告あり / 写真12枚) https://t.co/v1iJG8jvzW