映画「
本作の舞台は、ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに自分と同じ見た目の“それ”の保有が許された世界。劇中では、死が身近に迫る新次が、自分と同じ姿だが異なる内面を持つ“それ”に心を乱されていくさまが描かれる。井浦が新次を演じ、水原が臨床心理士のまほろ、永瀬が新次の担当医に扮した。
甲斐は「自分の中でも一番長い年月を掛け、スペシャルなキャストの方々の才能に力をいただいて、スタッフ一丸となって作った大切な作品です。今日皆さんに満席でお届けできて光栄です」と挨拶する。井浦は「今日もたくさんの映画が公開される中、この映画を選んでくださり本当にありがとうございます」と真摯に言葉を紡いだ。
新次と“それ”の2役を演じた井浦は「それぞれの生まれ育った環境や生活を勝手に想像して膨らませて撮影をしていました。お芝居でテクニカルに演じ分けるよりも、それぞれが生きてきたものを映したいなと思って演じました」とコメント。水原は「セットの関係上、新次のシーンを撮りきってから“それ”のパートを撮るんじゃなくて、役を行ったり来たりしないといけなかったのをそばで見ていて、自分だったら泣いちゃうなと思いました。すごかったです」と称賛する。井浦が「行ったり来たりするほど、監督がケラケラ笑って楽しそうにしてくれてたので、『やったー!』という気分でした」と話すと、甲斐は「想像を超えるお芝居をされるとうれしくなっちゃって。爆笑してすみません」と撮影時を述懐。続けて「新さんが新次の夢と“それ”の夢どっちも見たという話を聞いて、本当に大変だったんだろうなと思いました」と井浦の苦労を慮った。
井浦は、初共演となった水原に関して「映画でもお芝居を見ていますし、それ以外のさまざまな分野でも自己表現に妥協のない方という印象でした」と語り、永瀬については「20代の頃からよきタイミングにお芝居をさせてもらっていて、一緒のシーンがあるたびにいつも衝撃を食らわされている。永瀬さんにいただいたきっかけや悔しいという思いを、消化させて自分でも何かしたいと思わせてくれる方」と評した。そして「何が生まれるかわからない希子さんと、積み重ねてきた永瀬さんと、こうやってお芝居できてすごくうれしかったです」と話す井浦に対し、永瀬は「めっちゃいいこと言ってくれますね。新くんはずっといいやつです」と伝えていた。
「なるべく目立たないように」と意識しながら撮影に挑んだという永瀬は、その真意について「初めて脚本を読んだときに『僕はいないな』と思ったんです。遠目の存在でいたいと思ったし、僕の役は新次さんの心の中の葛藤を具現化したものではないかと考えていた」と口にする。また「あれだけ何度も台本を読んでいたのに、新次の漢字を“神”次だと思っていたんです。それぐらい新次は崇高な役だったんですよ」と明かした。
最後に井浦は「僕は昨日も、恩師である若松孝二監督の13回忌の特集上映でここテアトル新宿に立っていました。若松監督と甲斐監督は師弟関係でもないし、作風も人物像も違うけど、作品作りへの本気さ・真剣さや、世の中へ向けている刃の鋭さには、勝手に系譜を感じていました」と吐露する。続けて「甲斐監督本人からは激しさとか凶暴さを感じないけど、作品からあふれちゃっている。だけどそれは観客を傷付けたいんじゃなくて、僕らに問い続けたいんだろうなと感じるんです。監督が芸術を持って起こそうとしている小さな革命を、皆さんに楽しみながら味わっていただければと思います」と呼びかけ、イベントは終了した。
「徒花-ADABANA-」は全国で公開中。
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