「エスター」シリーズの
本作では、大学の女子ボート部に入部したアレックスが同期のジェイミーと熾烈なレギュラー争いを繰り広げるさまが描かれる。レギュラー入りで得られる奨学金が必要なジェイミーは画策に走り、その座を奪取。出し抜かれたアレックスは雪辱を果たそうとするが、その執着心は次第に狂気を帯びていく。
映像にはアレックスが激しいトレーニングで思わず嘔吐するシーンを収録。彼女はジェイミーがコーチに褒められているのを見て、さらに闘志を燃やす。ファーマンは約6週間にわたって1日6時間の水上トレーニングを行いアレックス役に臨んだ。
大学時代にボート競技に没頭した経験を持つ監督の
本作を鑑賞した新井英樹は「冒頭数分の痛いキャラ描写だけで『面白い!』と確信 肩を力ませ努力と執念だけを武器に 勝利を求めるヒロインが熱量全開でのたうち回る。人間が必死に自分を確立させようとする戦いは 不毛でも切実で苦しく愛おしい!」と推薦。「さらば雑司ヶ谷」の作家・樋口毅宏は「『純粋な狂気』を宿した『青春映画』を黙殺するな! 安易な共感を拒否する、『天才あるある』系名画」と称賛している。ISO、春日太一、
「ノーヴィス」は11月1日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿ほか全国で順次公開。
映画「ノーヴィス」本編映像
新井英樹(マンガ家)コメント
冒頭数分の痛いキャラ描写だけで「面白い!」と確信 肩を力ませ努力と執念だけを武器に 勝利を求めるヒロインが熱量全開でのたうち回る。人間が必死に自分を確立させようとする戦いは 不毛でも切実で苦しく愛おしい!
ISO(ライター)コメント
数字と優劣に固執する持たざる者の強迫観念が、輝かしい青春のすべてを破壊していく。「努力すれば報われる」という言葉に呪われたイザベル・ファーマンの相貌は「エスター」よりも恐ろしかった。これほど鋭く、狂気的で、悲痛なスポーツ青春映画を他に知らない。
ジャガモンド斉藤(映画紹介人 / お笑いコンビ)コメント
イザベル・ファーマンが(相変わらず)狂ってる!…と思いきや、だんだん普通だと思えてくるのは僕だけだろうか? 競争社会に放り出され異常な焦燥感にかられて、自滅する。“青春”てこういう痛々しいものだし、ひょっとして未だにそのサイクルから抜け出せてないんじゃないか…? 「そうだよ」この映画の最後のカットが、そんな僕の不安に答えてきたかのようで怖かった。
春日太一(映画史・時代劇研究家)コメント
そこまで頑張る必要がないのに、頑張り過ぎて自身を追い込んでしまう主人公。周囲からの「リラックス!」という叫びは、呪いのような上昇志向に囚われた我々現代人への呼びかけにも聞こえる。そんな声を無視してわが道を貫く主人公の姿は、痛快にすら映った。
高橋諭治(映画ライター)コメント
この映画は恐るべき18歳の少女のポートレートだ。内なる狂気に駆られるかのように、または悪魔に憑かれたかのように、自分自身の限界超えに挑み続けるその姿に身震いせずにいられない。
ナマニク(文筆業 / 映画評論家)コメント
軀も心も友情も引き千切り、赤剥けた手でオールを漕ぐ……。自己破壊的な執念に畏怖を覚え、破壊による自己発見に光を感じる。「ノーヴィス」は“一番になる”本当の意味を教えてくれた。
樋口毅宏(作家)コメント
「純粋な狂気」を宿した「青春映画」を黙殺するな! 安易な共感を拒否する、「天才あるある」系名画。
ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)コメント
勝利への執着、たゆまぬ努力、困難に挑むチャレンジ精神。これらの明るく前向きなフレーズが異常な執着心と極限まで自分を追い込む精神によってダークに染め上げられていく。鬼気迫る演技と圧倒的な存在感のイザベル・ファーマンから目が離せない。
LiLiCo(映画コメンテーター)コメント
頑張らなければ生き残れない。努力して自分を追い込む姿勢はカッコいい。しかし人間はムキになった瞬間に醜くなる。それをそのまま描いてるからこそ引き込まれる。オンナの様々な気持ちが激しく溢れ出る1本! そしてまた生きるために漕ぎ続ける....。
イザベル・ファーマンの映画作品
リンク
George Ujiie,氏家 譲寿(ナマニク) @namaniku29
11月1日公開「#ノーヴィス」にコメント寄稿しました。少し前の映画なんだけれど、イザベル・ファーマンがゴリゴリに役作りをして挑んだ気合い入った、ボート漕ぎ……というか、もはや暴力の域に達している根性映画です。 https://t.co/CZs82TKY7A