本作は戦国時代を舞台に、強い絆で天下統一を成し遂げた豊臣秀吉・秀長の兄弟の生涯を描いたサクセスストーリー。TBSの「半沢直樹」「下町ロケット」や連続テレビ小説「おちょやん」を手がけた八津弘幸が脚本を担当する。クランクインは2025年6月を予定。演出には渡邊良雄と渡辺哲也、時代考証には黒田基樹と柴裕之が名を連ねた。
池松が演じるのは、仲野扮する秀長の3歳上の兄で、織田信長のもと頭角を現し、やがて天下統一を果たす秀吉。池松は「10代の頃から知る仲」という仲野との関係性について「俳優の仕事やものづくり、互いの人生について、たくさん対話を繰り返し、一緒に時間を過ごしてきました」と明かす。今年3月に仲野が本作で主演を務めると発表されたときのことを「本当に心からうれしくて」と回想。その翌日には、池松にも出演のオファーがあったそうで「まさか自分が秀吉を演じるとは想像していなかった。あまりにも驚いてしまい、しばらく固まってしまいました」と振り返る。
大河ドラマへの出演は2007年の「風林火山」以来19年ぶり3度目となる池松。「もう何百年も語り継がれている豊臣家のこと、そして豊臣秀吉のこと。この国が誇る歴史を、自分たちがどのように、これからの時代に向けて語り継ぐことができるのか。時代に見合ったヒューマニズムを探していけたらいいなと思っています」と意気込みを語る。これまでに秀吉を描いた大河ドラマ「太閤記」「秀吉」のタイトルにも触れ、「正直、今の知識は歴史の教科書レベル。秀吉は近年、ヴィラン・悪役としてのイメージも強い。撮影まで半年以上ありますので、これから、いろいろと勉強して演じたい」と話した。
記者から「(池松と)見た目や雰囲気が似ている」と指摘された仲野は「同じ猿顔と言いますか(笑)。普段からよくしていただいていて、親近感しかない。背格好や見た目もそうですが、僕自身、池松さんには尊敬の念がある。自分としても心の兄と思っている方。こうして一緒に大河ドラマをできるのは、これ以上ない幸せ。ものすごく気合いが入っています」と力説。池松も「遠目から見ると似てるのかな……? 猿が2匹いると思っていただければ(笑)。どういうバディになるかわかりませんが、小さい頃から知っているので、もう親戚のような気分。“ブラザーズ”みたいに言われることもあった。表立っては話してませんでしたが、一番仲のいい、何かあったらいろんな話をしてきた相手です」と、深い信頼関係をのぞかせた。
永野は秀長(小一郎)と同い歳の幼なじみで初恋の人・直(なお)役で出演。史実にはないドラマオリジナルのキャラクターで、小一郎のことをひそかに慕う存在だ。乱世に翻弄される“悲劇のヒロイン”と紹介されている。永野は「太賀さん演じる秀長が初恋できるように、魅力あふれる女性を演じられたら」と話した。
吉岡が演じるのは、秀長の正室にして、のちの慈雲院となる慶(ちか)。仲野が本作の主演に決まって「感動した」という吉岡は、「初めての夫婦役は太賀くんだったんです。そのときは本当に仲の悪い夫婦で(笑)。今度こそ一緒に闘って、慶が支えて、秀長も信頼してくれて。夫婦っていいなと思ってもらえる夫婦像を演じられたらうれしい」と述べつつ、「この前の打ち合わせでは、もしかしたら仲が悪い可能性もあると聞いたので、どのように描かれるかは未知数ですが(笑)」と付け加えた。
さらに秀吉にゆかりのある関西出身の吉岡は「ずる賢く描かれがちですが、秀吉は農家の出で、たくましくて、差別に負けず、階級にも抗うような個人としてのポテンシャルの高さがある。関西人として、そういうことを豊臣家からは感じているので、今回は豊臣家のすごさ、素晴らしさが描かれる大河になるのかな?という予感がしてます」と期待を込めた。
北政所(きたのまんどころ)と称される秀吉の正妻・寧々(ねね)役の浜辺は「そうそうたる女優さんたちが演じられてきた役で、今まで以上に緊張しております」と吐露。制作統括は浜辺が出演した連続テレビ小説「らんまん」と同じ松川博敬であり、「とっても温かい気持ちも持っておりまして、池松さんをはじめ、皆さんとご一緒できる機会を『逃したくない』という思いでお受けしました。最後まで責任感を持って演じたい」と述べる。出演が決まってからは寧々を描いた小説を読むなどの下準備をしているそうで、「思った以上にすごく感情が動く、寧々の感情が流れ込んでくる感覚がありました。まずは勉強をしつつ、脚本をいただいてから、寧々を改めて生きたい」と続けた。
吉岡と浜辺は今回が大河ドラマ初出演。吉岡は「祖母に『里帆ちゃんは大河ドラマに出られへんのか』と寂しそうに聞かれたことがあって(笑)。俳優業をやっていておばあちゃんに認めてもらうには、やはり大河ドラマ。プレッシャーもありましたし、その期待に応えたい思いもありました。会見の前に『今日のニュースは絶対に見てね』と電話しました。私にとって、すごく重要な日です」と明かす。浜辺も「朝ドラのときは隣で大河ドラマを撮っていて、また違った緊張感が漂っていました。とてものぞきにも見学にも行けず。今回初めて現場に入れるということで、興味深く思う気持ちもあります。私も同じく、家族が喜んでくれるのが一番の喜びです」と言葉を紡ぐ。
新キャスト4名を前にして、仲野は「キャストの方々が1人ひとり決まって、その報告を聞くたびに『こんなに頼もしいことはない』と。僕個人としても大好きな俳優さんが集まってくださって背筋が伸びる思いです。長い撮影ではありますが、これだけ素敵な方々が集まってくれて不安はない。撮影が楽しみで仕方ありません。みんなで力を合わせて素敵なドラマを作っていきたい」と語った。
65作目の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は2026年1月よりNHKでオンエア。
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「豊臣兄弟!」仲野太賀、池松壮亮は“心の兄” 兄弟役は「これ以上ない幸せ」
ナタリー
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