映画「
本作では、あるリゾート地を5年ぶりに訪れた幼なじみの佐野と宮田が、佐野の亡き妻・凪と出会った思い出の場所を巡りながら、かつて失くした赤い帽子を探すひと夏が描かれる。
上映後、大きな拍手を浴びた佐野は「これは6年間待ち望んだ景色なので、今日は胸がいっぱいです」とコメント。2018年の冬に佐野と宮田が「自分たちで考えて、それを映画として形にしたい」という趣旨のメールを五十嵐に送ったことがきっかけで企画が始動したそうで、2人は「本当に感無量です」としみじみ。メールを見返した宮田は「そこには目標として海外映画祭に行くこと、新宿武蔵野館さんで上映することと書いてあった。それを見て、僕らも本当にびっくりした」と述懐した。
凪役の山本は「6年前ってまだ俳優すらやっていなかったんです。なので、そんな頃から動いていたものに私が巡り合い、参加させてもらうことは不思議な気持ち」と語る。五十嵐は「コツコツと一緒に歩んできて、チームになれたというか。自分たちの人生で豊かな時間を作れたのがうれしいですし、そういう中で作った映画が悪くなるはずがないだろうと信じています」と言葉を紡いだ。
ベトナム人のホアン・ヌ・クインは、ホテルの従業員アン役で映画初出演。「緊張しましたが、家族のような温かいチームの皆さんのおかげで、楽しく撮影に取り組むことができました」と笑顔を見せる。カラオケで「Beyond the Sea」を歌うシーンでは「監督は私を信じてくれたので、私も自分のことを信じて。自信を持って歌いました」と回想。山本が「いつ教えてもらったの?というくらいに、カットが始まると普通に芝居をしている。一緒のシーンはとても過ごしやすかった」と賛辞を送ると、ホアン・ヌ・クインは「なんとなくスムーズな状態でいましたね」とクールに返答し、一同から「天才だ!」と称賛された。
サン・セバスチャン国際映画祭での上映に話が移ると、佐野は「満席で途中退出することなく。最後まで誠実に観てくださって。ちゃんと笑って、いい反応をしてくださった」と思い返す。五十嵐は街ゆく人から「スーパーハッピー!」と声を掛けられたと明かし「ポジティブに捉えてもらったというのも、自分たちの生活がちゃんと伝わったんだなと思って、うれしかったですね」と振り返った。
最後に佐野は「なんてことのない偶然が積み重なって、奇跡のような瞬間やかけがえのない記憶になるということを、この映画を通して知ることができました。僕にとってこの映画は宝物です」と伝える。五十嵐は「僕らの出会いもそうですが、出会いによって何かが生まれる。それは映画なのか、愛なのかわかりませんが、それはとても素朴で、日常にありふれたもの。しかしとてつもなく大切なもので、それがなくては生きていけない。本作ではそのことを描いたつもりですし、個人個人がそういう素朴な愛を抱えて一緒にがんばっていけたらなと思っています」と伝え、イベントの幕を引いた。
「SUPER HAPPY FOREVER」は全国で順次公開中。
映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】佐野弘樹&宮田佳典「SUPER HAPPY FOREVER」公開に感無量、ホアン・ヌ・クインに「天才!」
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