女優の
1938年にオーストリア・ウィーンの名門俳優一家のもとに生まれたシュナイダー。両親の離婚により不遇の幼少時代を過ごした彼女は14歳で俳優になることを決意し、「太陽が知っている」「夕なぎ」「追想」などさまざまな話題作に出演した。1982年製作の「サン・スーシの女」を遺作に43歳という若さで亡くなったあとも、世界中の映画ファンに愛され続けている。
本特集では、シュナイダーが17歳にしてスター女優へと上り詰めた「プリンセス・シシー」、第1回セザール賞で主演女優賞を獲得した「最も重要なものは愛」、
ロミー・シュナイダー映画祭2024
2024年10月18日(金)~11月14日(木)東京都 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
上映作品
- プリンセス・シシー
- 最も重要なものは愛
- デス・ウォッチ
坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)コメント
「ロミーの顔は、一瞬で表情が変わる。嵐が起こったかと思えば、次の瞬間は光輝く青空が見える。そう、彼女の顔はまるで広大な風景のようだ」そう述べたのは脚本家ジャン=ルー・ダバディだった。ロミー・シュナイダーはまるで映画と一体化するかのように、目の前の人間、世界を映し出してしまう独特の力を有している。
今回特集される3本の作品を見ることで、ロミー・シュナイダーがその30年近くに亘る女優人生で、ひとつのイメージや役柄、演じ方に留まることなく、リスクを怖れずあらたな試みに挑み続けてきたことをあらためて確認することができるだろう。生き生きと可憐なオーストリア皇妃を演じて世界中に巻き起こした「シシー現象」から、まるで自由を求め続けるシシーのように解き放たれることを望んだロミー。「最も重要なものは愛」の危うさや脆さと高貴なまでの威厳を併せ持つ女優ナディーヌ、死を前にして人生を果敢に横断してみせる「デス・ウォッチ」の女流作家キャサリン。ロミーが演じた女性たちは、見終わった後も深く、私たちの心の中に生き続けてゆく。
babby @cipriani_s
『デス・ウォッチ』はVHS題『SFデス・ブロードキャスト』で監督はタヴェルニエ。音楽デュアメル『最も重要なものは愛』は、ズラウスキのフィルモグラフィ『悪魔』と『ポゼッション』の間にあたる作品でドルリュー、『プリンセス・シシー』はロミー16歳時の作品。 https://t.co/wA7QJN1eZ4 https://t.co/pbSb1enWCa