藤ヶ谷太輔「傲慢と善良」で演じたキャラと同じ腕時計購入、奈緒は唐突にモノマネ披露

映画「傲慢と善良」のジャパンプレミアが本日9月11日に東京・有楽町朝日スクエア＆ホールで行われ、キャストの藤ヶ谷太輔（Kis-My-Ft2）、奈緒、倉悠貴、桜庭ななみ、監督の萩原健太郎が登壇。原作者・辻村深月も参加した。

本作は、マッチングアプリで出会った西澤架（にしざわかける）と坂庭真実（さかにわまみ）の“一生に一度の選択”を描く恋愛ミステリー。藤ヶ谷が“傲慢”な架、奈緒が“善良”に生きてきた真実を演じ、倉が災害ボランティアのリーダー・高橋耕太郎、桜庭が架の友人・美奈子に扮した。

イベントの冒頭、藤ヶ谷はサプライズで奈緒に白い花束をプレゼントし、エスコートしながら登壇。「うれしい！ 聞いてないよ～」と喜ぶ奈緒に、「だってサプライズだもん！」と応じる藤ヶ谷は「『大切な作品を一緒に作れてうれしい』という気持ちを込めました」と伝えた。

原作が「人生において一番刺さった作品」だという藤ヶ谷。オファーを受けた心境を聞かれると「2019年に（原作と）出会ったときは『面白い』ということだけを周囲に伝えていたので、まさか自分が演じることになるとは思っていませんでした。でも言霊として形になったのかなと」と感慨深げに語る。そして「痛い部分も含めて原作の香りは残したいし、映画ならではのよさも入れなければいけない。監督や奈緒ちゃんと話して、みんなで作ったことがいい思い出として残っています」と回想した。

奈緒は「“傲慢”と“善良”という2つの言葉がありますが、なるべく1つの物事をどちらかに決定付けないように意識しました。自分だけではなく、みんなの価値観を共有しながら“傲慢“と“善良”の間で揺れ動くことができました」と振り返る。印象的な出来事として奈緒、萩原とともに食事したことを明かす藤ヶ谷は「映画や役の話をする中で『愛とは何か』『人に優しくするとは何か』というテーマになって。今思うと恥ずかしいことも言ってたのかな（笑）」と思い返す。奈緒が「語る感じでしたね」と目線を送ると、藤ヶ谷は「『ボクらの時代』みたいな（笑）。カメラなし、オンエアなしですが」と笑った。

倉は佐賀でロケを行ったことを懐かしみ、「穏やかな時間で、東京とは違うなと。リラックスしてやれましたね」とにっこり。奈緒が「台本にはない、アドリブで会話しているシーンも使われていた」と打ち明けると、萩原は「奈緒さんが倉さんを笑わせている様子が面白くて。なかなかカットをかけられなかったんです」と告白する。そして「真実にとって（自分は）嫌な役」と話す桜庭は「でも美奈子なりに友達思いで、まっすぐ突き進んでいる姿が“傲慢”と“善良”を兼ね備えているな、と。演じていて楽しかったです」と晴れやかに語った。

萩原は本作を制作するにあたって「映画だからこそできる表現を入れたいなと。単に“実写化”という言葉ではなく“映画”として作りたかった」と思いを伝える。辻村は「冒頭に『婚活は就職活動に似ている』というセリフがあります。原作にはない言葉なんですが、原作と同じようなしんどさを感じる。そういうものを汲み取っていただけるチームにお預けできたのだなと」と太鼓判を押した。

トークは物語と絡めた質問コーナーに。「共演者の知らなかった一面」を聞かれた藤ヶ谷は「奈緒ちゃんに『休みの日に何してる？』と聞いたら『倖田來未さんのモノマネにハマってる』と。そのときは『そうなんだ』と終わらせましたけど、夜に風呂入っているときぐらいに『すごいエピソードだったな！』と思った」と回答。すると奈緒は「濁点を付けると倖田さんっぽくなる……」と唐突にモノマネを披露し、観客を笑わせた。

さらに「一生に一度の選択」について質問された藤ヶ谷は、劇中で架が付けていた腕時計を購入したことを報告。「自分にとって大切な作品ですし、ともに時間を過ごした架のものを買おうと思って。お守りのような感覚ですね」と話す。辻村が「著者として本当にうれしいです。書いてよかったな」と感謝を伝えると、藤ヶ谷は「『書いてよかったな』ってすごくない？ 記者さん太文字でお願いします！」と胸がいっぱいの様子を見せた。

「傲慢と善良」は9月27日より全国ロードショー。