「ぼくのお日さま」スケートシーンはほぼ池松壮亮・越山敬達・中西希亜良のアドリブ

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映画「ぼくのお日さま」の先行公開記念舞台挨拶が本日9月7日に東京・TOHOシネマズ シャンテで行われ、キャストの越山敬達中西希亜良池松壮亮、監督の奥山大史、主題歌を担当したハンバート ハンバートの佐藤良成と佐野遊穂が登壇した。

左から池松壮亮、越山敬達、中西希亜良

左から池松壮亮、越山敬達、中西希亜良

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「ぼくのお日さま」先行公開記念舞台挨拶の様子。左から奥山大史、池松壮亮、越山敬達、中西希亜良、佐野遊穂、佐藤良成

「ぼくのお日さま」先行公開記念舞台挨拶の様子。左から奥山大史、池松壮亮、越山敬達、中西希亜良、佐野遊穂、佐藤良成[拡大]

雪の降る街を舞台にした同作では、吃音を持つホッケー少年タクヤ、フィギュアスケートを学ぶ少女さくら、さくらのコーチである元フィギュアスケート選手・荒川という3人の視点から物語が紡がれる。越山がタクヤ、中西がさくら、池松が荒川を演じた。

奥山大史

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奥山は「ハンバート ハンバートのお二人の音楽に出会うことで『映画を作ってみたい』と思い、池松さんと出会うことで『この人に出てもらえたら映画になるかもしれない』と信じさせてもらって、(越山と中西の)2人に出会って『今作るしかない』と思えました。そんな皆さんとこの日を迎えられて本当にうれしいです」と感慨深げに述べた。

越山敬達

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中西希亜良

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越山と中西は、ともに4歳の頃にスケートを始めた経験者だ。一方で、劇中で見せたアイスダンスとアイスホッケーについては初挑戦だったという越山。奥山が「アイスダンスは成長が早かったんですけど、アイスホッケーはすごく嫌そうでした。防具を着けられると毎回不機嫌になる(笑)」と明かすと、越山は「ガンダムみたいで重くて……。普段から動きたくてしょうがない僕からすると、動けないことが嫌でした」と素直に吐露する。また彼は初心者の動きや“こけ方”が上手だったといい、池松は「『(このシーンは)まだそこまで上達してないよ』と敬達に言うと、『OK』と言って調節できる(笑)。希亜良もですが、一言伝えただけでモーションをつかめるので、可能性の塊でしたね」と述懐。また本作で演技に初挑戦した中西は、「映像に映っていないけど、こんなに多くの人が集まって協力し合って映画を作っているんだなと思いました」とコメントした。

左から奥山大史、池松壮亮

左から奥山大史、池松壮亮[拡大]

奥山が「スケートを滑るシーンは、(越山と中西の)2人には台本を渡していなかったのと、大人のキャストに渡した台本も薄いもので『だんだん上達していく3人』とかしか書いていない」と話すと、会場からは驚きの声が上がる。続けて「池松さんがコーチっぽい言葉を言ってくださってそれに2人が応えてくれた。長いときは20分ぐらい回していたので、ドキュメンタリーを撮っているような感じでした」と明かした。さらに彼は光の演出についての話題で、「スケートリンクに入る光は自然光ではなくて、照明を窓の数分……12個かな? 用意しました。とても丁寧に、幻想的で寓話的な光作りができたかなと思います」と裏話を語る。

左から佐野遊穂、佐藤良成

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これらのこだわりを受け、佐野は「音楽を映像にしたり、具体的な登場人物にして物語を動かすのは、ともすれば音楽の余白を限定的にしてしまう危険もあると思う。でも今回は映像にすることでさらに世界が広がった感じがしました。台本が薄かった話などは初めて聞いたんですけど、そういう演出だったからなんだとわかりました」と納得する。佐藤は完成した映画について「ラストシーン、ある登場人物がなんとも言えない顔をしたあとに曲が始まったとき、胸がいっぱいになって、本当にいい映画に出会えてよかったなと思いました」とコメント。奥山は「プロットを書き終わった時点で、『ぼくのお日さま』の楽曲の影響をかなり受けていた。これをエンドロールでかけられないなら企画として成立しないかもと思っていたので、快諾のお返事をもらったときはうれしかったですし、やっと(監督作として)2本目の映画が撮れるという安堵の気持ちでいっぱいでした」と回想した。

左から越山敬達、中西希亜良

左から越山敬達、中西希亜良[拡大]

第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式出品された本作。現地での思い出を問われると、佐藤は「77回もやっているのに段取りがぐちゃぐちゃなんですよね(笑)。専用の黒塗りの車で出発!というときに運転手さんが警察から職務質問なのか連れていかれたのが面白かったです」と驚きの出来事を語る。中西は「公式上映の前日に、みんなで海辺で遊んで写真をいっぱい撮った」「レッドカーペットを歩くとき、目の前のミシェル・ヨーさん、後ろのケヴィン・コスナーさんに挟まれた」とエピソードを披露。奥山は「公式上映のときに、グザヴィエ・ドランさんや是枝裕和さんといった背中を追いかけてきた監督たちが座っていたのが、ただただ光栄でした」と笑顔を見せた。

池松壮亮

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最後に池松は、「敬達の初主演、希亜良の初出演映画の公開、奥山さんの商業デビューの初日、本当におめでとうございます」と祝いの言葉を述べ、「3年前に奥山さんから言われた『今だからこそ優しい映画を作りたい』という言葉通りになったと思います。この現実世界を映画でカバーしていく奥山さんの感性に共感できましたし、一緒に作ることができて誇りに思っています」と声を張る。奥山は池松をはじめとするキャスト、スタッフ、宣伝チーム、上映劇場、観客に対して丁寧に感謝の思いを伝え、イベントは終了した。

「ぼくのお日さま」は9月8日まで東京・テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテで先行上映が行われ、9月13日より全国公開される。

映画作品情報

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(c)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

映画「ぼくのお日さま」60秒予告

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緋村 月 @himuralight

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