ワイズマンが2022年から撮影・編集を行った本作の舞台は、親子3代でミシュランの三つ星を55年間持ち続け、グリーンスターにも輝く最高峰のフレンチレストラン・トロワグロ。オーナーシェフ3代目のミッシェルと4代目のセザール、さらにスタッフたちの終わりなき食への追求の日々にカメラを向け、挑戦を続ける彼らの秘密に迫っていく。
映像にはセザールが野菜の買い出しに出かけるシーンを収録。クレソンをガーリックマスタードと一緒に購入する姿や、巨大な平茸に「美しい。まるで彫刻だ」と盛り上がる様子から、トロワグロが普段どのように食材を仕入れているかが垣間見える。
濱口は「驚かされるのは、料理に携わる人たちにとっての言葉の役割の大きさだ。彼らは頭の中でその日のメニューを完成し、共有する。しかし、それが余すことなく我々に伝えられるのは、優れたマイク技術、そして被写体の近くにとどまる撮影者たちの力による」とコメント。平野は「実り豊かな自然との対話を通じ、インスピレーションと熟練の技術とが織りなす、目も綾なる料理の数々。『食べる』という人間の行為の、最も洗練された、美しい祝福。フランス料理の究極のエスプリを体験されたし!」とつづった。そのほか家政婦のタサン志麻、ソムリエの
「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」は8月23日より東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国で順次ロードショー。
映画「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」本編冒頭映像
平野啓一郎(小説家)コメント
4時間もの大作! しかしこれは、飽くことなく見入ってしまう。実り豊かな自然との対話を通じ、インスピレーションと熟練の技術とが織りなす、目も綾なる料理の数々。「食べる」という人間の行為の、最も洗練された、美しい祝福。フランス料理の究極のエスプリを体験されたし!
野村友里(eatrip主宰 / 料理人)コメント
愛され続け継承される料理という壮大な芸術作品がどのように生み出されるのか
その想像力、感性、知性、情熱、追求、視野、勤勉さ、映画を見終わると自分の経験としてその時間が刻まれることでしょう
94歳の監督が向けた眼差しの先と時間はドキュメンタリーの真髄であった
濱口竜介(映画監督)コメント
フレデリック・ワイズマンの新作「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」を見ていて驚かされるのは、料理に携わる人たちにとっての言葉の役割の大きさだ。彼らは頭の中でその日のメニューを完成し、共有する。しかし、それが余すことなく我々に伝えられるのは、優れたマイク技術、そして被写体の近くにとどまる撮影者たちの力による。ワイズマンは90歳を超えた今も自分でマイクを振っているのだろうか? 料理と映画の「技術の粋(すい)」が出会う、その至福。
タサン志麻(家政婦)コメント
レストランの仕事はオーケストラのようだ。テーブルに座った私達の目には見えない、たくさんの心遣いがあるからこそ、忘れられない思い出になるのだろう。私は家庭料理が好きだ。でも、久しぶりにゆっくりと、レストランで食事をしたくなった。
三國清三(料理人)コメント
ここまでキッチンを見せるレストランも映画も僕は知らない。
毎日試行錯誤して、話し合う、その繰り返えしで三つ星を55年獲得し続けている。
三つ星の料理はディテールの積み重ね。あれがグランメゾン、あれがトロワグロ。
食に興味のある方、特に料理人には観てほしい。
小田香(映画作家)コメント
終わらない探求と試行。
’It's never finished. It's always in the movement’と語るミッシェル・トロワグロ氏の言葉と実践に、
90代になっても映画を撮り続けているワイズマンの姿が重なって見えた。
田崎真也(ソムリエ)コメント
人に、時間を、空間を、料理を、そして幸せを提供することの意義と、プロフェッショナルとは?を、改めて考えさせられた。
小川糸(小説家)コメント
プロの料理人たちの真剣な眼差しに、時間を忘れて魅了されました。
料理の一つひとつが愛にあふれ、レストランを囲む田園風景が美しく、
地球に生きている喜びを感じずにはいられません。
こんなにも素敵なレストランが、この星に存在するのですね!
土井善晴(料理研究家)コメント
「自然を支配する人々」(旧約聖書)の
土壌を知り・感覚所与を記号化した新しい農業(biodynamie)と、
あまりにも人間的な料理(gastronomie)の仕事・・が描かれている。
平松洋子(エッセイスト / 作家)コメント
家族の肖像画の内側から現れる、フランス料理の真実。
洗練と素朴が睦み合うひと皿、ひと皿に圧倒的な説得力がある。
大久保英樹 @okokubo
めちゃくちゃ面白そう。
ワイズマン映画が大ヒットするかも… https://t.co/d7LTgXGN3N