フランスの長編アニメーション「
「ひろしまアニメーションシーズン2024(HAS)」のプログラムとして上映された本作は、ベルギー出身の絵本作家ガブリエル・バンサンの代表作「くまのアーネストおじさん」シリーズを映画化したもの。大きくて無愛想なクマのアーネストおじさんと、小さなネズミの女の子セレスティーヌの奇妙な出会いや彼らの友情、冒険が、水彩画のような淡いタッチで描き出される。共同監督として
上映後、客席から舞台上に登場したオビエは「ここに来ることができてとてもうれしく思っています。ちょっと緊張しています」とはにかみ、「公開から少し時間が経っているので私自身も久しぶりに観ました」と述べる。ストップモーションコメディ「パニック・イン・ザ・ヴィレッジ」シリーズを手がけたオビエが、スタイルの違う本作に参加した経緯については「『パニック・イン・ザ・ヴィレッジ』を終えた頃、フランスのプロデューサーがスタジオを訪ねてきてくれたんです。同作を一緒に作っていたヴァンサン・パタールとの協働がとてもうまくいっていると思ってくれたそうで、バンジャマン・レネールが『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』をやると決まったときに、私たち2人も入ることでよりよい制作ができるんじゃないかという提案をされ、そのアイデアに乗ったという感じです」と回想した。
MCを担当したアニメーション作家・宮崎しずかが「主人公たちが出会うシーンで、アーネストがセレスティーヌを食べようとして口を開く描写など、印象的なカットがいくつもありますよね」と話すと、オビエは「この作品では、アーネストとセレスティーヌの感情の変化こそが物語をドライブしていると思います。出会いは2人の人生を変える重要なシーンです」と口にする。また「緩急のあるアニメーションは、レネールの初期からの作風でもあります。この作品では甘い瞬間もダークな瞬間もあって、(ネズミ用の)罠を(クマに)かけるシーンなんかは自分でも『すごいな』と久々に観て思いました」と語った。
制作工程について聞かれたオビエは「まずは、絵本からダニエル・ペナックが脚本を作ってくれたのですがすごく厚い本で……。これを長編の映画にするにしてもかなり要約しなければならず、その作業に時間を要し、その後絵コンテの作成には1年ぐらいかかっています」と説明する。また、「もちろん絵本とそれをもとにした脚本がありますが、映画化するのであれば、あくまで私たちのスタイルでアーネストとセレスティーヌの物語を描き直すということを大事にしていました」と制作中に意識していたことにも言及した。
※宮崎しずかの崎は立つ崎(たつざき)が正式表記
すぎまる @sugimarco
【イベントレポート】「くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ」監督が回想「絵コンテに1年」 https://t.co/07ozW0n0Sg
#ひろしまアニシズ
#ステファンオビエ