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香港映画界で活躍した、“和製ドラゴン”こと倉田の凱旋帰国50周年を記念して公開される「帰って来たドラゴン」。あらゆる犯罪と暴力が渦巻く“悪の魔窟”金沙村(ゴールドサンドシティ)を舞台に、チベットの寺院から盗まれた秘宝シルバーパールをめぐる戦いが描かれる。主演およびアクション監督を
会場いっぱいに集まったファンの大きな拍手を受け、倉田は「いかがでした? 古臭さはなかったですか? パワーを感じていただけたらありがたいです。CGもワイヤーもない時代ですから。今やれと言われてもとてもできないんですけど。お集まりいただきありがとうございます」と 感慨深げに挨拶する。観客と一緒にスクリーンで鑑賞したという谷垣は、倉田とブルース・リャンのことを「神様がジャンプ力の調合を間違えたような2人」と表現し、「力強い作品ですよね」と絶賛した。
また谷垣は、当時の香港映画について「観直すたびに『できないな』と思う」と感服。「この方たち(倉田ら)が作ったレールに乗ってアクション映画を撮ってますけど、僕らが作ってる映画は“味の素”をいっぱい足しているんです。でも『帰って来たドラゴン』は役者の素材のよさが生かされている」と先人たちのすさまじさを解説する。さらに「ブルース・リーが“間”の中で一発パーンと勝負するとしたら、『帰って来たドラゴン』は手の多さがすごい。今のアクション映画も手数は多くなってますが、戦って走って、戦って走って。今のアクション映画のお手本みたいな作品ですよね。アクションという種目だったら金メダルだと思う! 観れば観るほどすごい映画」と称賛が止まらない。倉田が「当時は2人だけ(倉田とブルース・リャン)ですから休憩時間なんてないんですよ。2人がどうできるかというだけ。手(アクションの動作)も付いていませんでした」と振り返ると、谷垣は「手が決まってるんだかないんだかという中でのやりとりが面白いんだろうなと。今日また発見しました」と興奮気味に語った。
今回の上映では、倉田主演・製作総指揮の短編「夢物語」(2023年)、「夢物語・奪還」(2024年)も週替わりで併映される。「夢物語」の制作経緯について、倉田は「単純なものです。コロナ禍で撮影もなかったので、カメラを持って、77歳がどれだけ動けるかやろうよという話になって。1週間、竹藪にこもって蚊に食われながら(撮影しました)。海外の映画祭に出したら賞をもらったりしたけど、日本では上映できないよねと言っていたら、たまたま今回の機会があったわけです」と説明。谷垣は「現役感バリバリでした。『夢物語』を観ると、何か言うのが野暮だと思えるぐらい(笑)」と舌を巻く。そして司会者から「『夢物語』がシリーズ化し、谷垣が監督するのはどうか?」という提案が飛び出すと、倉田は「その話もしたんですけど、彼が忙しくて。日本にいないんですよ。谷垣健治監督で、79歳の倉田保昭のアクションをぜひね」と乗り気で、観客からも期待の拍手が。倉田が「でも彼も私の手の届かないところに行っちゃってね」と嘆くと、谷垣は「やめてくださいよ先生!」と苦笑していた。
そして倉田は「全国にも挨拶に回りますけど、とにかく東京で皆さんに観ていただかないと話にならないので。1人でも多くの方に観ていただきたいと思います」と力強く呼びかける。谷垣は「僕も今日初めてスクリーンで(『帰って来たドラゴン』を)観ました。やっぱり面白かった。こういう映画はもう作られないと思うので、皆さんが生き証人になって伝えていってください!」と訴え、「まだスクリーンで観たい作品、僕いっぱいあるんで。『激突!キング・オブ・カンフー』とか観たくないですか?」と問いかけて観客の共感を誘った。
「帰って来たドラゴン(2Kリマスター完全版)」は全国で順次公開。
谷垣健治 @KenjiTanigaki
さっき「帰って来たドラゴン」を間違えて、「帰って来たらドラゴン」って書いてしまった笑 でも本作の日本公開をきっかけに当時日本では無名だった青年俳優が凱旋帰国を果たし、「闘え!ドラゴン」なんかに出るようになったんだからあながち間違いではないかもしれない笑
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