イギリス映画「
本作は英ロンドンのムスリム家庭に生まれ、スタントウーマンを目指す女子高生リア・カーンを描いた青春バトルアクション。姉リーナの婚約者の一族に不審な点を感じ取ったリアは、結婚の裏に隠された陰謀に迫っていく。長編映画初出演となったカンサラがリアを演じ、ドラマ「絶叫パンクス レディパーツ!」で知られるパキスタン系イギリス人のニダ・マンズールが監督と脚本を担った。
インド系イギリス人であるカンサラは「Thank you! ありがとう。こんにちは」と日本語を交えて挨拶。レンガと呼ばれるインドの民族衣装を着ており、「実はサリーのほうが着るのが大変なんです。なので今日は失礼して、着やすいレンガにしてしまいました。でもこの色彩がこの作品の鮮烈さを表しているように感じたので選びました」と話す。今回が初来日の彼女は日本で楽しみにしていることを聞かれると、「Everything! (すべて!)」と満面の笑みを浮かべ「すべての日本食を試してみたいですし、東京で行けるところすべて行きたいです。そしてコンビニも制覇したいですね」と明かした。
リア役にはオーディションで選ばれたカンサラだが、当初は異なる役でオーディションを受けていたそうで「それを見た監督が、リアのほうでぜひ受け直してほしいと声をかけてくれました。再度オーディションに参加して、1週間後には出演が決まり、そこから自分の人生が変わったんです」と述懐。主演に起用されるまで武術やアクションの経験がなかった彼女は「クランクインまで2カ月間もなかったのですが、すべてを学ぶ必要がありました。素晴らしいスタントチームに恵まれ、ファイトコレオグラフィー、アクションでのワイヤーの使い方、回し蹴りなどを練習しました。とても楽しかったです。今でもレッスンを受けているのが柔術。今では私を構成する一部ですね」と振り返る。
また、アクションの経験がなかったことが、リアを演じることについては幸いしたという。「脚本を読んでいたら、これはなるべく自分でスタントをしないといけない役だと感じました。リアはスタントウーマンを目指して、トレーニング中の女性。彼女も完璧にアクションをこなせるわけではない。もちろん自分も完璧にはスタントをこなせないけど、だからこそ自分が演じることでリアルになったんじゃないかと思っています。アクションが初めての私と、それを学ぼうとしているリアがうまくマッチした。スタントダブルに全部任せてしまったら、それは叶わなかったこと。チャレンジをしてよかったと思います。撮影を通して、自分が思っていたよりもこういうことができるんだと実感しました」と語った。
プレミアには姉妹のシスターフッドの物語にちなんで、藤岡弘、の長女で女優の
映画の感想を聞かれた愛は「アクションが本当に素晴らしい。アクションとダンスが融合していて今までにない新感覚のエンタテインメントでした。自分1人でも生き抜いていけるような強い女性像をアクションや主人公を通して体現されていて。同じ姉妹として共感しながら拝見しました。まさに『私たち』だなって」とコメント。続いて天音も「リアが力強くてエネルギッシュ。何も恐れずに1人で挑んでいく。逃げない、負けない、屈しない、あきらめない、そんな強い意志が見える憧れの女性でした。姉妹からしか感じられないような友情や、お互いに助け合う場面もあって、共鳴する瞬間がたくさんありました」と絶賛した。
2人の感想を聞いたカンサラは「とても素敵な言葉をくださって本当にありがとうございます。アーティストにとって最高の栄誉は、自分が関わった作品が誰かの心の琴線に触れたり、共感してもらえたりすること。この映画はパキスタン系イギリス人の姉妹を描いた特定のストーリーですが、とても普遍的なテーマがある。姉妹ならではの関係性、自分も求めているようなシスターフッドが、とても美しい形で反映されていると思います。観て、笑って、感動して、楽しんでいただけた。そして、つながりを感じてくださったという言葉が何よりもうれしいです」と感謝を伝える。
愛が「この作品、父も一緒に観たんです」と打ち明け、天音が「『リアのような女性になりなさい』と言われました」と話すと、カンサラは爆笑。さらに愛は『一歩を踏み出す勇気を与えてくれるパワフルでエネルギーにあふれた作品だね』と。一緒に観ながら感動してました」と父親の感想を伝えた。舞台挨拶では、カンサラが劇中に登場するボリウッドダンスを披露し、2人に振り付けを指南する一幕も。そして3人そろってダンスを披露すると、客席から拍手喝采が贈られた。
最後にカンサラは、自分をはじめ映画を作った関係者にとって本作が持つ大きな意味に言及。「この映画を世界の方々にお届けできることがとても光栄です。実は個人的に、こういう映画が私が幼い頃に存在していたらと思う気持ちがあります。私が生まれ育った国のテレビの画面では、私のような見た目の人を観ることができなかった。もし、自分がこういう映画に若い頃に出会えていたら、もっと若いうちから自信を持てたり、違うことは違うと言える女性になれていたと思います。そういうインスピレーションを与える作品を作れたことがとても誇りです。皆さんには、ぜひインスピレーションを受けていただき、笑っていただいて、ちょっとだけ現実逃避のように楽しんでいただければ。この作品の喜びを一緒に分かち合えることが本当にうれしいです」と話し、イベントを締めくくった。
「ポライト・ソサエティ」は8月23日に東京・新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。
ビニールタッキー @vinyl_tackey
『ポライト・ソサエティ』主演のプリヤ・カンサラさんの来日イベントはアクション好きの姉妹の物語ということで天翔愛・天翔天音姉妹が一緒に登壇したり、この映画が持つ大きな意味に関するプリヤさんのコメントが素晴らしかったりと本当に素敵な宣伝なので見てほしいです。
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