ピーター・バラカン音楽映画祭でバーバラ・デインのドキュメンタリーなど6本が初公開

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ピーター・バラカンが作品選定を担当した音楽映画祭「Peter Barakan's Music Film Festival 2024」が9月6日から19日まで東京・角川シネマ有楽町で開催決定。このたび上映作品が発表された。

「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」場面写真 (c) Diana Davies

「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」場面写真 (c) Diana Davies

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「ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王」場面写真

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「キング・クリムゾンの世界」場面写真

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今年で4回目となる本映画祭では、21本の作品がスクリーンにかけられる。1950年代からフォーク、ブルーズ、ジャズを歌ってきた現在97歳の歌手バーバラ・デインの人生を追った「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」、ガーランド・ジェフリーズを彼の妻が撮影した「ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王」、キング・クリムゾンを捉えた「キング・クリムゾンの世界」など6本が日本初上映作品となった。

「自分の道 欧州ジャズのゆくえ」場面写真

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また、ナチスドイツを逃れたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフが創立したレーベルについてのドキュメンタリー「BLUE NOTE/ハート・オブ・モダン・ジャズ」は、今回新たに権利を取得して上映。9月6日に公開される「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」のプレミア上映も行われる予定だ。そのほか「コンサート・フォー・ジョージ」「シド・バレット 独りぼっちの狂気」「響け!情熱のムリダンガム」「アメリカン・ユートピア」もラインナップに並んだ。上映スケジュールなどの詳細は劇場の公式サイトで順次発表される。

「ボビー・チャールズ 極楽の歌」場面写真

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バラカンは「今年も様々なジャンルと地域の音楽を扱った新旧の作品が集まりました。ロック、フォーク、ジャズ、ジャンプ・ブルーズなどのR&B、フラメンコ、世界の民族音楽、インド、ルイジアナ名物ボビー・チャールズのドキュメンタリーまであります。ぜひ開催中の2週間の間に有楽町に足を運んでいただければと思います」とコメントしている。

Peter Barakan's Music Film Festival 2024

2024年9月6日(金)~19日(木)東京都 角川シネマ有楽町

日本初上映作品とピーター・バラカンの紹介コメント

「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」

1950年代からフォーク、ブルーズ、ジャズを本格的に歌いながら様々な社会活動も続けてきたバーバラ・デインは現在97歳です。ルイ・アームストロングからもボブ・ディランからも絶賛された彼女の妥協のないユニークな人生を追った素晴らしいドキュメンタリーです。

「ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王」

ニューヨークのブルックリンで生まれ育ったガーランド・ジェフリーズはジャンルにこだわるアメリカのメディアでは捉えきれない、音楽的に幅の広いシンガー・ソングライターです。最近引退を表明した80歳の彼のことをブルース・スプリングスティーンからローリー・アンダスンまで多くのミュージシャンが語ります。

「キング・クリムゾンの世界」

50年以上の歴史を持つキング・クリムゾンはロバート・フリップを除けば夥しい数のミュージシャンが出入りしてきたバンドです。このドキュメンタリーで最新ライン・アップの活動を追いながらも、音楽のことよりもこれまでの様々なメンバーのインタヴューで人間関係を描いています。キング・クリムゾンのファンとは言えないぼくもとても興味深かったです。

「自分の道 欧州ジャズのゆくえ」

ユリアン・ベネディクトによる2006年のドキュメンタリーです。第二次大戦後のヨーロッパで、アメリカの様々なジャズの影響を受けながら各地で独自のジャズ表現が生まれてきたプロセスを分かりやすく紹介しています。スウェーデンのボボ・ステンソン、ノルウェイのヤン・ガルバレク、ドイツのヨアヒム・クーンをはじめ、ヨーロピアン・ジャズを確立するのに大きな役割を果たしたミュージシャンが次々と登場します。中には一般的な知名度は高くないものの、これを見ればもっともっと聞きたくなります。

「ボビー・チャールズ 極楽の歌」

1972年に知られざる傑作アルバムを作ったボビー・チャールズはルイジアナ州南西部の田舎で生まれ育ったソングライターでした。1950年代にロックンロールの大ヒット曲「See You Later Alligator」の作者でもある彼は歌手としても素晴らしい才能を持っていたのに、極めてシャイな性格で脚光を避けていました。日本には意外に多い彼のファンの一人としてこのドキュメンタリーをぜひ多くの音楽ファンに見ていただきたいです。

「サウンディーズ 元祖ミュージック・ヴィデオ!」

1940年代のアメリカで、MTVの先駆けともいうべき存在だったのがサウンディという名の映像ジューク・ボックスのような代物でした。有名無名、記録が残っている様々なサウンディは玉石混交なのですが、その中からデューク・エリントン、ナット・キング・コール、ファッツ・ウォラー、ルイ・ジョーダンなどゴキゲンな作品を30曲集めました。このフェスならではの企画です!

「BLUE NOTE/ハート・オブ・モダン・ジャズ」※映画祭で新たに権利取得

今や伝説のブルー・ノート・レコードはナチス・ドイツを逃れたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという2人のユダヤ系ドイツ人によって1939年に創立されたレーベルです。多くの名作を生んだ彼らの物語は普遍的な魅力を持っています。ユリアン・ベネディクトが1996年に制作したドキュメンタリーです。セローニアス・マンクやサニー・ロリンズからカサンドラ・ウィルスンや大西順子まで色々な時代のミュージシャンが多数登場します。

プレミア上映

「セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男」

本映画祭初上映

LISTEN リッスン
「コンサート・フォー・ジョージ」
「シド・バレット 独りぼっちの狂気」
フラメンコの魔性と神秘
エリック・クラプトン : ライヴ・イン・サンディエゴ~伝説の一夜
LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー
MONTEREY POP モンタレー・ポップ
リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング

アンコール上映

「響け!情熱のムリダンガム」
「アメリカン・ユートピア」
ブリティッシュ・ロック誕生の地下室
バビロン
ルーツを掘る アーフーリー・レコード物語

ピーター・バラカン コメント

早くも4年目の音楽映画祭。もう自分の(高齢の)頭の中では恒例の催し物になりつつあります。今年も様々なジャンルと地域の音楽を扱った新旧の作品が集まりました。ロック、フォーク、ジャズ、ジャンプ・ブルーズなどのR&B、フラメンコ、世界の民族音楽、インド、ルイジアナ名物ボビー・チャールズのドキュメンタリーまであります。ぜひ開催中の2週間の間に有楽町に足を運んでいただければと思います。以前上映した映画のアンコールのリクエストをいただくことが少なくないですが、権利が切れたなどの理由で上映できないことが多く、チャンスがあるうちにぜひ見てください。地方での上映も歓迎します。作品によって上映スタイルの融通が利くものもあるので、稚内でも与那国でも(もっと近くでもいいですよ!)少人数の上映会の希望もご遠慮なくお伝えください。音楽と映画を皆に!

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外園一馬 ソトゾノカズマ @KazumaSotozono

忘備録。

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