関野吉晴によるドキュメンタリー本予告、甲本ヒロト「うんこが、次の何かを作る」

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フジテレビ系の紀行番組「グレートジャーニー」で知られる探検家・関野吉晴の初監督作品となるドキュメンタリー映画「うんこと死体の復権」の公開日が8月3日に決定。このたび本予告編、ビジュアル、場面写真、甲本ヒロトコムアイら著名人のコメントが一挙到着した。

「うんこと死体の復権」ビジュアル

「うんこと死体の復権」ビジュアル

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「うんこと死体の復権」場面写真

「うんこと死体の復権」場面写真[拡大]

アフリカで誕生した人類が南米最南端まで拡散した5万kmの足跡を、動力を使わずに逆ルートでたどる「グレートジャーニー」を40代で始め、足掛け10年で踏破した関野。彼はアマゾン奥地の狩猟最終民族との暮らしを通して、現代人が自然とどう共生していくべきかを考え続けてきた。そして関野は、2015年に始動した「地球永住計画」というプロジェクトで3人の賢人に出会う。半世紀にわたって野糞を続ける伊沢正名、糞から生物と自然のリンクを考察する生態学者・高槻成紀、死体食いの生き物を執拗に観察する絵本作家・舘野鴻。本作では、3人の活動を通じて生命の循環を見つめる。

「うんこと死体の復権」場面写真

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YouTubeで解禁された映像には、「自分のうんこがほかの生き物の食べ物になってる」と語る伊沢の姿や、舘野がネズミの死体に群がる虫たちを描く様子などが切り取られた。場面写真には、森の中を観察する関野らが写し出されている。

「うんこと死体の復権」場面写真

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ひと足先に本編を鑑賞した甲本は「食べることは破壊だ。心配ないぜ。うんこが、次の何かを作る。あとはまかせた。がんばれ! うんこ! 死体と共に!」とつづり、コムアイは「タイトルを見て怪訝な顔をしたあなたにこそ見てほしい!」と述べる。ジャーナリストの丸山ゴンザレスは“「狂気」の学習映画”と評し、「本作を観て我々こそが命の循環から外れているのだと気がついた時、野糞をする使命感が生まれるはずだ」とコメントした。

映像制作会社・ネツゲンの前田亜紀大島新がプロデューサーとして参加した「うんこと死体の復権」は、東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。

ドキュメンタリー映画「うんこと死体の復権」本予告編

甲本ヒロト コメント

今の何かは、次の何かの材料になる。そのために、壊す。
立派に育った野菜を切り刻み、歯ですりつぶし、胃液で溶かす。
食べることは破壊だ。心配ないぜ。うんこが、次の何かを作る。
あとはまかせた。がんばれ! うんこ! 死体と共に!

コムアイ コメント

タイトルを見て怪訝な顔をしたあなたにこそ見てほしい!
…そう言ってはみたものの、きっとあなたも現代社会に逆行して、人が見ようとしないものを見ようとする好奇心旺盛な人間なのでしょう!
(これを読んでいるからには。)
私も、自分のうんちが虫や微生物に食べてもらえているのを目撃した時、なんだか妙に!嬉しくなります。毎日美味しいご飯を食べてばっかりじゃなくて、少しは誰かの役に立ちたい、と願っているからです。

田口ランディ(作家)コメント

この映画は、ヤバい映画だ。それくらいショッキングだと言うことを、断っておく。なんたって、うんこと死体が主役の映画なのだから。そして、死体とうんここそ表現の原点だ。うんこと死体が復権した時、魂の奥底から立ち上がってくるものがある。生きることができなかった陰の部分。動物としての感覚。懐かしい何か。きっとそれを表現したくなる。

田中優子(法政大学前総長・名誉教授)コメント

全ての生き物が循環の中にいる。昆虫や動物は毎日、死体や排泄物を食べて生きている。「きれいなもの」によって隠されてしまっている「死体」と「うんこ」。実はそれこそが循環の要なのだ。その当たり前のことがこうして目の前に持ち出されると、こうも過激な映画になるのか。都市化の進んだ江戸時代でも死体や排泄物や灰は土の中に戻っていったのに、私たちはその循環を切断してしまった。何とかしなければと、胸がざわつく。

藤井一至(土の研究者)コメント

R指定ですよね? ちょっと良い子には見せられない(土は食べたらダメ、ゼッタイ!)。
でも、糞土師とウジ虫とセンチコガネが生み出すのは、かけがえのない土と命の循環だという発見と感動をトイレに流すのはもったいない。

藤原辰史(歴史研究者 / 京都大学准教授)コメント

人はものを食べる。人は食べものにもなる。いやそれどころか、人は食べものを自分のからだから生み出しつづける。人間世界で最も蔑まれてきたものにこそ、極上の美が宿る。その美に取り憑かれた人たちのあらがいといつくしみの物語。

丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)コメント

「狂気」の学習映画である。何せうんこと死体がテーマなのだからだ。それでも本作を観て我々こそが命の循環から外れているのだと気がついた時、野糞をする使命感が生まれるはずだ。

山極壽一(総合地球環境学研究所所長)コメント

野グソがなぜ爽快なのか。それは動物たちの糞や死体に群がる虫たちに聞いてみるとよくわかる。排泄という行為は自然の流れの中に私たちを連れ出し、生と死が循環する意味を教えてくれる大切な入口なのだ。

湯澤規子(法政大学教授 / 歴史地理学者)コメント

死の輝きを寿ぐことを忘れてしまった私たちは、いのちの受け渡しの物語の中に、もう一度、還っていけるだろうか。地球の美しさとは、賑やかで逞しい死と生の饗宴そのものである。この奇跡を次世代へ贈るために、うんこと死体に出会い直さなければならない。さあ、大いなる出会いの旅へと漕ぎ出そう。この映画が満帆に風を与えてくれるのだから。

この記事の画像・動画(全17件)

(c)2024「うんこと死体の復権」製作委員会

読者の反応

ユッキー👱‍♀️ニューオリンズに魂 滞在中!!ストーンズ一生推し!💘 @Pank_Flamingos

ヒロトのこんな捉え方!素敵やん❤️
うんこ💩すら愛おしい!!!
絶対見に行く!
ヒロトと同じ世界を見てみたい!!
https://t.co/HDGTbVh2yD

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