本作は、ゴミ収集作業員の仕事を通して描かれる再生の物語。精神的な理由により自衛隊のパイロットを辞め、家族を養うために転職した浩一は、指導員の花とともに深夜のゴミ収集を担当する。批判や感謝などさまざまな人のまなざしを受けながら、周囲を汚さず通行者に配慮しながらひたむきに働く花の生き方に、いつしか浩一はある種の美しさを感じ始めるのだった。
「唄う六人の女」などに出演してきた
綿密な取材とゴミ収集会社の協力によって制作された本作。大黒は実際の収集員への取材を振り返り「『ゴミ屋なんて誰でもできる、大したことない仕事』だと寂しそうに言う人がいた」「私はゴミ収集の世界を描いた一夜の物語を、ゴミ収集員の方たちに向けて届けたいと思った。『そんなことはない』と、その人に強く伝えるために」とつづっている。
また、中田は「未明の道をひたすらに往くゴミ収集車の後ろ姿に見惚れた。機能的なはずのその姿は、主人公たちの人生の伴走者のようで、大きな包容力と無上の優しさを感じさせる」と応援コメントを寄せた。予告編はYouTubeで公開中だ。
30分の短編映画「ゴミ屑と花」は9月1日から5日にかけて東京・テアトル新宿、9月21日に大阪・テアトル梅田で上映。なお、併映作品として大黒の監督最新作「ユウジッ!!」もスクリーンにかけられ、各回上映後にはトークイベントが予定されている。
映画「ゴミ屑と花」予告編
大黒友也 コメント
この物語を書くときに、様々なゴミ収集員の方に取材をした。その中でゴミ収集の仕事を「ゴミ屋なんて誰でもできる、大したことない仕事」だと寂しそうに言う人がいた。そんなことはない、と私は強く伝えられなかった。軽く、「そんなことないですよ」としか伝えられなかった。
コロナ禍ではエッセンシャルワーカーの存在が脚光を浴びた。制限がかけられ、これからどうなるのか正解が分からない不安を感じた日々。その日々を支える人々に改めて感心する中で、その人はそう言った。だから私はゴミ収集の世界を描いた一夜の物語を、ゴミ収集員の方たちに向けて届けたいと思った。
「そんなことはない」と、その人に強く伝えるために。この映画がたくさんの人の心に届くことを願っています。
植木祥平 コメント
ゴミ収集車の運転席に座ると、ワクワクと心が踊る。不思議と少年時代を思い出した。そうか、このワクワクは浪漫だ。主人公の浩一も、運転席に座る姿とコックピットに座る姿を無意識の内に投影することで、きっと同じ事を思っただろう。ゴミ収集員の方の背中は、広く大きく、とてもカッコよかった。輝いて見えた。私たちが毎日気持ちよく朝を迎えることができるのは、こういう方々のおかげだと。どこまでも清く美しく、誇り高き仕事。まさに、ヒーローだ。私たちの日常の暮らしの背景には、こうしたヒーロー達の存在がある。そんな事を思いながら、私は今朝もゴミを出す。以前より少し優しい気持ちになれた特別な朝。
ヒーロー達の勇姿を、是非ともスクリーンでご覧ください。この映画が少しでも多くの方に届きますように。
花柳のぞみ コメント
どんな風に続いてゆくのだろう、自分の役者の道は、人生は。と思い悩み鬱々としていた時に出会った作品でした。撮影が終わって思ったことは、淡々と日々やるべきことをやるしかないのだ、と。それが明日に繋がっていくと信じて。これは「ゴミ屑と花」に出会ったおかげで気づいたことです。皆さんがこの映画に出会ってどんなことを感じるのかとても楽しみです。
中田秀夫 コメント
未明の道をひたすらに往くゴミ収集車の後ろ姿に見惚れた。機能的なはずのその姿は、主人公たちの人生の伴走者のようで、大きな包容力と無上の優しさを感じさせる。
おおとも ひさし @tekuriha
ゴミ収集員を通して描く再生の物語「ゴミ屑と花」劇場公開、中田秀夫がコメント
"「唄う六人の女」などに出演してきた植木祥平が浩一役、ドラマ「買われた男」の花柳のぞみが花役でダブル主演を務める。そのほか岩本淳、木村知貴、ステファニー・アリアン、中野剛、岩立紫竜も https://t.co/SevKkfmTHk