連続テレビ小説「なつぞら」「ブギウギ」で知られる
同作の主人公は、1995年に起きた震災の1カ月後に兵庫・神戸で生まれた在日コリアンの女性、金子灯(あかり)。出自と親から聞かされる震災の記憶の板挟みになり、双極性障害を発症した彼女が、コロナ禍を経て回復を目指す日々の中で、人生にかすかな光を見出していく12年間が描かれる。
同作の撮影は、3月21日から4月25日にかけて行われた。福島・いわき市出身で、東日本大震災をきっかけに故郷を離れた経験を持つ富田は「物語の12年間、そして灯が生まれてからの30年間分の重力を受け止める為に必要な愛情を心いっぱいに感じながらの撮影は、『あっと言う間だった』とは言い難い、尊い日々でした」と思い入れたっぷりに振り返る。安達は「人のあたたかさに満ちた港町で生きる一人の女性の息遣いを、映画に込めてお届けしたいと思います」とつづった。
世武が安達とタッグを組むのは連続テレビ小説「べっぴんさん」、ドラマ・映画「心の傷を癒すということ」に続いて3作目。世武は「まだ生まれていない作品と出会う日を、とても楽しみにしています」とメッセージを送った。
なお、映画の制作・宣伝、スタッフの全国行脚、海外映画祭出品のための支援を募るクラウドファンディングが、6月3日から9月30日までMotionGalleryにて行われる。
「港に灯がともる」は、阪神淡路大震災から30年の節目となる2025年の1月に公開。伊藤万理華、青木柚、山之内すず、中川わさ美、MC NAM、田村健太郎、土村芳、渡辺真起子、山中崇、麻生祐未、甲本雅裕もキャストに名を連ねた。
富田望生 コメント
私たちは紛れもなく、神戸で、灯の揺らぎとはぐれることなく生き続けることが出来ました。
物語の12年間、そして灯が生まれてからの30年間分の重力を受け止める為に必要な愛情を心いっぱいに感じながらの撮影は、「あっと言う間だった」とは言い難い、尊い日々でした。
素直に、映画づくりが楽しかった。
そして、神戸にありったけの愛を込めて。
ほんまにありがとう。
映画「港に灯がともる」待っていて下さい。
安達もじり コメント
誰もが何かしらの傷を抱えて生きている、そんな当たり前のことに向き合いながら、感じて、見つめて、金子灯という一人の女性の日々を映像におさめました。
彼女が置かれた現実は変わらないけれども、新しい出会いがほんの少しずつ彼女を救っていく。
灯が生きる神戸の町で、一つ一つ丁寧に大切に撮り続けました。
富田望生さん演じる灯の姿に、ただただ引き込まれ、圧倒され、息を飲むような瞬間もたくさんありました。
多くの方々との素敵な出会いもありました。
すべてがかけがえのない時間でした。
当たり前のように人が行き交い、生きている町。
笑って泣いて、人々の日常が繰り広げられる町。
そんな人のあたたかさに満ちた港町で生きる一人の女性の息遣いを、映画に込めてお届けしたいと思います。
これから思いを込めて仕上げます。
映画「港に灯がともる」皆様にご覧いただけることを心から願っています。
世武裕子 コメント
日本で育った私にとって、特に阪神・淡路大震災以降は生活と地震が切り離せないものになりました。
これまで何度か「震災」に纏わる作品の音楽を作ってきましたが、悲しい物語を悲しいものとして鳴らしたくなくて、今回も脚本を読ませてもらってからお返事しようと思っていました。
ここに描こうとしているものを私も共に鳴らしたいと思えたので、音楽をお引き受けすることにしました。まだ生まれていない作品と出会う日を、とても楽しみにしています。
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