麿赤兒とコムアイが舞う「倭文 旅するカジの木」予告、北村皆雄の特集上映も開催

ドキュメンタリー映画「倭文（しづり） 旅するカジの木」の予告編、場面写真、出演したコムアイによるコメントが到着。あわせて監督を務めた北村皆雄の特集上映「聖なる俗 俗なる聖」の開催も明らかになった。

古代の日本人が衣服に込めた力を探る本作。日本神話に現れる幻の織物・倭文（しづり）は、その白さが光の象徴とされ、邪悪なものを祓い、身体を護る神聖な力を持っていた。倭文の力の源はどこにあったのか、という謎の鍵を握るのは衣服の始源を担ったカジの木だ。映画では、中国南部を原産とするカジの木のルーツをたどり、台湾、インドネシア、パプアニューギニアへ。さらに日本各地に倭文の痕跡を求めると、古代国家の重要な謎が明らかになっていく。冨永愛が語りを担った。

YouTubeで解禁された映像には、倭文が世界各地で受け継がれている様子や、劇中劇で神話を再現する舞いを披露した麿赤兒とコムアイの姿が映し出される。倭文を織るシーンなどを捉えた場面写真は7点公開された。コムアイは「この映画は、衣類の大量生産時代に、衣の本来持つべき力を、倭文神（しづりがみ）の宿る衣を復興させようとする取り組みだと思いました」とコメントしている。

5月11日から2週間限定で開催される「聖なる俗 俗なる聖」では、北村の初期作品を含む代表作8本がスクリーンにかけられる。沖縄・西表島古見村に伝わる豊年祭に迫った「アカマタの歌─海南小記序説/西表島・古見」や、アイヌ民族の祭祀を記録した「チロンヌプカムイ イオマンテ」などがラインナップに並んだ。予告編はYouTubeで公開中だ。

「倭文 旅するカジの木」は、5月25日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

※「チロンヌプカムイ イオマンテ」の「プ」は小文字が正式表記

ドキュメンタリー映画「倭文 旅するカジの木」予告編

特集上映「聖なる俗 俗なる聖」予告編

北村皆雄監督傑作選「聖なる俗 俗なる聖」

2024年5月11日（土）～24日（金） 東京都 シアター・イメージフォーラム
＜上映作品＞
「アカマタの歌─海南小記序説/西表島・古見」
「見世物小屋／旅の芸人・人間ポンプ一座」
「ほかいびと～伊那の井月～」
「冥界婚」
「チロンヌプカムイ イオマンテ」
「白い影への対話」
「カベールの馬 ～1966年イザイホー～」
「津軽じょんがら女考―青森―」