石川泰地が監督を務めた2作品の特集上映「一部屋、二人、三次元のその先」に
本特集には、ぴあフィルムフェスティバルのコンペティション部門・PFFアワードで2年連続の入選を果たした石川が監督を務めた「じゃ、また。」「巨人の惑星」がラインナップ。石川自ら編集した特別予告には各作品の印象的なシーンが収められており、cafuneの名でラッパーとしても活動するキャストの国本太周によるラップや2作品の劇伴をリミックスした音源が使用されている。
「前作『巨人の惑星』もPFFで拝見させて頂きました」と述べる池松は、「これまで数多くの自主映画を観てきましたが、新作『じゃ、また。』には、人と人との間にある時間と経験の真実がそのまま映っていました。もう一度、自主映画を信じてみたくなりました」とつづった。岸田と高田のコメントは以下に掲載している。
「一部屋、二人、三次元のその先」は5月3日から9日まで東京・テアトル新宿で開催。なお上映当日はキャストによる舞台挨拶のほか、「アボカドの固さ」や連続テレビ小説「らんまん」などで知られる
特集上映「一部屋、二人、三次元のその先」特別予告編
岸田奈美(作家)コメント
「じゃ、また。」について
「ばかみたいって、思ってた?」
こんな言葉に、誰があんなにも、祈りを込めることができるんでしょう。半年以上が経った今でも、たまに、浮かび上がるかのように思い出します。
書いているうちに、また、彼らに会いたくなりました。
高田亮(脚本家)コメント
「巨人の惑星」について
精神に異常をきたしてしまったかのように見える友人が、実は本当のことを言っているのではないかと、じわじわと追っていく話の運びが、ジャンル映画の段取りを踏みながら、「今」を受け入れられずに仕事を辞めている主人公が、常識の外側に突き抜ける瞬間の描写にも見せていて素晴らしい。
劇中にある紙を使った例えで、我々には見えていないが、実はある、ということは現実にも多くある。
それが見えてしまったが最後、後戻りはできず、平和には暮らせない。
幻覚であろうが、リアルであろうが、それは関係ない。踏み越えてはならない一線があるのだ。
「じゃ、また。」について
「花の都の真ん中で」東京暮らしに疲れた男が二人、ある最後の時間を過ごす。
何か納得がいかないことを探るように、別れを引き延ばすように、二人は「人生ゲーム」をやり、青春の足跡を辿るように未完成の映画の断片を再生しながら、生にも、死にも、意味などないと語り、現れては消え、また現れては消えていく自分たちの姿を眺める。
引き伸ばされた時間には、官能的な悲しみが漂い、いつまでも留まっていたくなるような誘惑がある。
それこそが、石川監督作品の魅力なのかもしれない。
池松壮亮の映画作品
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おおとも ひさし @tekuriha
石川泰地の特集上映に池松壮亮、岸田奈美、高田亮がコメント - https://t.co/tkqzY0Md2o