映画「
本作は、柿崎の実体験をもとにした映画「第二警備隊」の続編。隊員の殉職を経験した要人警護のスペシャリスト集団・警備会社エステックが、再び大きな試練に立ち向かっていく。自ら代表を務める警備会社ビーテックインターナショナルで実際に請け負ったケースも物語に組み込まれ、柿崎は「物語の半分ほどは実話を含んでいるので、話せるところと話せないところがある」と話して緊張感を漂わせる。すかさず出合が「監督、それ以上ダメ!という話があったら止めてくださいね」と合いの手を入れて笑いを誘った。
エステックの一員・高城久夫役の出合をはじめ、俳優陣はピシッとしたスーツに警備会社エステックの記章を付けた劇中衣装で登壇。出合は「警棒、ベルト、無線機、防弾チョッキなどの装備類は実際にビーテックインターナショナルで使われている装具を使っています。アクションシーンでは本物の警棒を投げているので撮影中の緊張感はすさまじかった」とリアリティに言及。装備類に慣れるために「防弾チョッキを着て耳にインカムを着けて買い物に行ったりしていました」とも明かした。
撮影は8月に山梨県のキャンプ場で敢行。竹島は「標高が1100mほどあったので、(山の)下の気温は40度でも上は涼しくてダウンを着るくらいの中で撮影をしました。天候が変わりやすく雨も多く、何度も撮影が中断して。足下もぬかるんで滑りやすく、中里くんは実際に転んでいました」と山中ならではの苦労を述懐。ハードなアクションシーンでもリアルを追求し、柿崎は「通常は地面にマットを敷くが、あえて敷かず、破れてもいいようにスタッフには衣装を3つ用意してほしいとお願いした。地面には砂利があったりしたけれど……死にはしないだろうと」と裏話を披露した。
また榎木薗は自身の役柄について「勇ましい隊員に支えられる三枚目キャラ。あまりアクションはしていないけれど、ある意味で観客の皆さんの視点に近い役柄」と紹介し、「僕自身、今回の役を通して成長しました」と口にする。一方、本作で映画デビューを果たした中里は「若手隊員という設定だったので、一生懸命に取り組んで自分の精一杯を出そうと思った。そうすればたとえ芝居ができなくてもいいものが出ると信じて。砂利の上での前転とかアクションシーンも何も怖くありませんでした」と気合い十分で臨んだという。
主演の出合にとって、出演者の1人である山崎真実とは2006年の特撮ドラマ「轟轟戦隊ボウケンジャー」以来となる再共演。約18年越しの顔合わせに、出合は「いつか共演したいねと言っていたわりには、いざ共演が決まるとすごく緊張した。これまで友達として接してきたのに急に仕事仲間として同じ現場に立つと……すごいドキドキ。それが伝わったらまずいと思って本人に『ごめん、緊張している!』と伝えたら『……気持ち悪い』と言われました。『なんで!?』と思った」と苦笑いする。劇中では2人が演じる役の淡い恋が描かれるが、柿崎は「実際に警備をしているとクライアントから恋愛感情を持たれることもある。しかし隊員側から恋愛感情を持つことはあり得ない。そこに流されたら警護なんてできない。気持ちの面でも一線を引いているし、そもそも危険を伴う仕事なのでそんな感情にはなり得ない」ときっぱり。出合は「吊り橋効果的なものなのかな? クライアントさんは守られていくうちに隊員を好きになってしまうのかな?」と興味津々の様子を見せた。
「コウイン ~光陰~」は新宿武蔵野館ほか全国で上映中。
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