タイ映画「
タイの制作会社GDH 559が手がけた本作は、青春と友情、映画作りへの情熱を描いた物語。ペーは転校先で人懐っこいジョーと知り合うが、親しくなる前にジョーが事故で死んでしまう。ある日、短編映画のコンテストに入賞すると試験免除で大学に入学できると知ったペーは、ジョーの親友だと名乗り、彼をしのぶショートムービーを作ることに。ジョーの友人ボーケーらも加わり、映画制作は順調に進んでいたかにみえたが、ペーは思いもよらなかったジョーの秘密を知ることになる。「ユー&ミー&ミー」のアンソニー・ブイサーレートとティティヤー・ジラポーンシンがペーとボーケーをぞれぞれ演じ、ピシットポン・エカポンピシットがジョー役で出演。バズ・プーンピリヤら「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のスタッフが再集結した。
バズ・プーンピリヤは「この作品は、アッターさんにとって初めて手がけた映画ではあるんですが、彼はこれまでCMやミュージックビデオをたくさん手がけていて、私自身もファンだったんです。そろそろ長編映画を撮る準備ができているのではないかと思い『映画を撮らないか?』と誘ったらすぐにプロットの提案があって。彼だったらこの物語を情熱的に撮れるだろうと思いました」と振り返る。アッター・ヘムワディーは「学生の友情をテーマにした作品を作りたいと思いました。年齢を重ねると、このテーマでは物語を語れないと思ったんです」と回想し、「初めて長編映画を撮ってみてわかったのは、脚本に詳細は書かれているものの、撮影現場の雰囲気が大切であり、役者の演技がマジックを生むということです。撮影の合間にバズさんから『脚本にはこだわらなくていい、撮影中の気持ちを大切にしたほうがいい』と言われて、現場でのフィーリングを生かすことにしました」と述べる。また、自身の学生時代が作品に反映されているのか?という質問には「学生時代は映画ではなく、友達と音楽をやっていました。そのときの気持ちを映画に反映したかったんです」と説明した。
同じ質問にバズ・プーンピリヤは「この映画で僕が好きなのは、学生たちが一緒に映画を撮る場面です。僕が高校時代には、タイの学校は課外活動に力を入れていなかったので、こういう経験はしていないんです。自分のなりたい自分、やりたいことに向かっていく姿、成長していく様子はとても美しい。若い時代は戻ってこない貴重なものだと思います」と述懐。そして「本作は何も知らずに観てもGDH 559の映画だと思わせる作品」という意見が飛ぶと、バズ・プーンピリヤは「作品の雰囲気を合わせているわけではないのですが、プロデューサーも監督も脚本家も同じ信念を持って作品を作っているので、似たような雰囲気が出るのかなと思います。ただ、ここでこっそり宣伝すると、GDHは今後もっともっと多様なジャンルの作品を作ろうと計画しています」と期待を煽った。
イベント中盤には司会を務めた
最後にアッター・ヘムワディーは「この作品が、こんなに遠いところまで連れてきてくれました。大好きな日本の映画祭の舞台に立つことができてうれしいです」と喜ぶ。バズ・プーンピリヤは「この映画が大好きです。スタッフたちの熱意を脚本の段階から見ていて、映画監督としてもさらに映画作りに対するパッションが湧いてきました。ぜひ気に入ったら口コミで広げていただいて、日本の配給会社の目に止まればいいなと思います」と願いを込め、イベントの幕を引いた。
タイ映画「親友かよ」予告編
第19回大阪アジアン映画祭
2024年3月1日(金)~10日(日)大阪府 ABCホール、シネ・リーブル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
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バズ・プーンピリヤの映画作品
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