「PERFECT DAYS」の
本作は戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーのドキュメンタリー。彼はキャリアの初期に、ナチスの暗い歴史に目を背けようとする戦後の世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど、タブーに挑戦する作家として注目を浴びる存在となった。1971年にフランスに拠点を移してからも、一貫して戦後ドイツや死に向き合い、“傷ついたもの”への鎮魂を祈り続けている。
劇映画だけでなく「東京画」「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」といったドキュメンタリーも手がけてきたヴェンダース。3Dを駆使した「アンゼルム」では、絵画や建築が目の前に存在するかのような立体感のある映像を表現した。「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」と語っている。映画にはキーファー本人のほか、彼の青年期を演じる人物として息子のダニエル・キーファー、さらに幼少期の役でヴェンダースの息子アントン・ヴェンダースも出演した。
ポスタービジュアルには、作品の1つである巨大な塔のそばに佇むキーファーの後ろ姿が切り取られた。配給はアンプラグドが担当。なお京都・二条城では2025年3月下旬から6月下旬にかけてキーファーの大規模個展が開催される。
ユキンコアキラ/YukinkoAkira @yukinkoakira
“傷ついた世界”の芸術家アンゼルム・キーファーの3Dドキュメンタリー公開 https://t.co/VlhsrIW9BB