「デ ジャ ヴュ」「季節のはざまで」に著名人のコメント到着、小川あん「優美な贅沢」

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ダニエル・シュミットが監督を務めた「デ ジャ ヴュ」「季節のはざまで」デジタルリマスター版の公開にあたり、マンガ家・山岸凉子ら著名人のコメントが到着した。

「デ ジャ ヴュ」場面写真 (c)JENATSCH: 1987 T&C Film AG

「デ ジャ ヴュ」場面写真 (c)JENATSCH: 1987 T&C Film AG

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「デ ジャ ヴュ」場面写真 (c)JENATSCH: 1987 T&C Film AG

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「デ ジャ ヴュ」「季節のはざまで」はシュミットが手がけた作品の中でも幻想的で、時間を超越した物語である2作品。1987年に製作された「デ・ジャ・ヴュ」では、17世紀に存在した革命家ゲオルク・イェナチュの死の謎を追う若きジャーナリストが過去に入り込む姿が描かれる。1992年に製作された「季節のはざまで」は、スイス山中にある古いホテルで育ったヴァランタンが少年時代を追憶する物語だ。

「デ ジャ ヴュ」場面写真 (c)JENATSCH: 1987 T&C Film AG

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山岸は「デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版」について「人も建物も、映像のすべてが美しい!! 少し前の映画なのに、まったく古びていないのです」と述懐。「季節のはざまで デジタルリマスター版」を、コラージュ作家の合田ノブヨは「赤ちゃんの時からずっと持っていたタオルケットの様にどこまでも優しく甘やかな、上質の『ホラー』」と評し、俳優の小川あんは「本作に描かれる過去と現在、そして幻想と実体には境目がなく、2つの時間と空間が重層的に存在する。それは、シュミットの幻想を抱くことに対する自然な儀式。優美な贅沢なのだ」とつづった。

「季節のはざまで」場面写真 (c)HORS SAISON: 1992 T&C Film AG

「季節のはざまで」場面写真 (c)HORS SAISON: 1992 T&C Film AG[拡大]

「デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版」「季節のはざまで デジタルリマスター版」は3月8日より東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次ロードショー。

山岸凉子(マンガ家)コメント

「デ・ジャ・ヴュ デジタルリマスター版」によせて

もしかして難しい映画なの?と心配して観てみたら……
ええっ!? これってミステリー? ホラー!?
と言ってはいけないのかな? ビックリな展開!
そして人も建物も、映像のすべてが美しい!!
少し前の映画なのに、まったく古びていないのです。

合田ノブヨ(コラージュ作家)コメント

「季節のはざまで デジタルリマスター版」によせて

「♪カプリの赤い太陽が海に沈むころ 空には青い月が輝く」何という事もない歌詞だが、シュミット描く居心地良く美しい古ホテルのバーラウンジにて、宿泊の人々と共に聴いていると、“いつの間にか失くしてしまった玩具はお月様へ行って住んでいる”という話を思い出し、ノスタルジーに浸り切ってしまう。お爺ちゃんがサラ・ベルナールの給仕をしたエピソードなんて、私だって、またあのお話してと言いたくなる。

だが只のノスタルジックな映画だとは、到底思えない。主人公の少年の様に、天国や永遠について考え怖くなる子供だった方は、賛同して下さるかもしれない。語弊はあるけれど、赤ちゃんの時からずっと持っていたタオルケットの様にどこまでも優しく甘やかな、上質の「ホラー」。何故って、ラストの美しさたるや…。

鴻巣友季子(翻訳家 / 文芸評論家)コメント

「デ・ジャ・ヴュ デジタルリマスター版」によせて

大国に挟まれた交易と緩衝の要地である小国スイスが永世中立国となった歴史の起点に、こんな知られざる政治家がいたとは! 歴史(history)と物語(story)は語源的にもともと同義だ。記憶と夢、デジャヴと虚構、幻想と狂気、その境界はどこにあるのか? それらがすべて同じものであっても私は驚かない。

「季節のはざまで デジタルリマスター版」によせて

山の中の、一室だけ海の見えるホテル。オーナーだった祖母と祖父たちとの思い出が甦る。南米の富裕層家族、カプリに行けばよかったと言いつつ毎年再訪する母と息子、奇術師、ピアノ弾きと歌い手、売店の売り子。回想から回想へ、語りは入れ子状に折り重なり、観る者を時間から解き放つだろう。

小川あん(俳優)コメント

「季節のはざまで デジタルリマスター版」によせて

ダニエル・シュミットが生涯で熱中したオペラ。
そのアリア(詠唱)のように、オペラハウスと模されるホテルを舞台に主人公の感情の推移を通して物語が詠われる。
本作に描かれる過去と現在、そして幻想と実体には境目がなく、2つの時間と空間が重層的に存在する。
それは、シュミットの幻想を抱くことに対する自然な儀式。優美な贅沢なのだ。
私たちは劇場でフィナーレを迎えたときと同じように、全方位からの響きに包み込まれ、「海のある部屋」へと幕を閉じる。

真魚八重子(映画評論家)コメント

一貫して、ややこしい現実の道理を度外視した映画は愉しい。「デ ジャ ヴュ」の過去が具現化した好き勝手ぶりは、意外なオチに驚かされるまで、時間から解放された奔放さに魅了される。一方、「季節のはざまで」は脳裏に浮かぶ思い出の旅だ。本来、記憶の可視化とは、極私的なスクリーンの鑑賞ではないだろうか。脳の映画館にはわたししかいない。そのわたしの過去の映像を見つめているのは、わたしという観客だけ。しかし本作はシュミットの華やかなりし少年期の記憶を、他の観客たちとともに眺めるのだ。「季節のはざまで」は稀有な思い出の共有体験である。

山崎まどか(コラムニスト)コメント

記憶と幻覚はどちらも白昼夢。
ダニエル・シュミットの「デ ジャ ヴュ」と「季節のはざまで」では
時間と現実は消滅し、夢よりも夢のような何か、
真実に近い何かが立ち現れる。

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読者の反応

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横川シネマ @yokogawacinema

【ダニエル・シュミット監督2題】広島は、明後日21日から1週間限定上映‼️10:20回にて、2作品の交互上映です。

◎小川あんさんは、現在《濱口竜介監督特集》にて『天国はまだ遠い』を上映中。このあと18:20回です(「不気味なものの肌に触れる」「Walden」と併映)。
https://t.co/F5cnGmpckE

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