「息の跡」「二重のまち/交代地のうたを編む」の
福島県いわき市にある復興公営住宅・下神白(しもかじろ)団地には、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故によって浪江町、双葉町、大熊町、富岡町から避難してきた人々が暮らしている。プロジェクト「ラジオ下神白」は2016年から、町の思い出と当時のなじみ深い曲について話を伺い、それをラジオ番組風のCDとして届けてきた。2019年には、住民の思い出の曲を演奏する「伴奏型支援バンド」を結成。文化活動家の
YouTubeでは予告編が公開中。推薦コメントも到着した。
映画「ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ」予告編
植本一子(写真家)コメント
その人のペースに合わせて、隣を歩こうとするあたたかさ。
誰かに寄り添ってもらった経験は、これから進む道の先を、明るく照らしてくれる。
小松理虔(地域活動家)コメント
あの震災を、こんなふうに描くことができるのか。そう驚かされた。かけがえのないふるさと、そして思い出。それをつなぐのが歌であった。
本作は、人と記憶、歌とふるさとをめぐる物語である。福島の物語であり、「わたし」の物語でもあった。
月永理絵(ライター / 編集者)コメント
人が話し、笑い、歌う姿は、それぞれこんなにも異なるのだ。そんな当たり前のことを、この映画を見て初めて知った。その事実がこれほど心を打つのだ、ということも。
映画に出てくる一人一人の名前をたとえ忘れてしまっても、こうやって話していた人、あんなふうに歌っていた人、あの歌を好きだと笑っていた人、という記憶だけはいつまでも残るだろう。
イリナ・グリゴレ(人類学者)コメント
映画は「二人の恋は 清かった 神様だけが ご存知よ※」という歌声ではじまる。この声は人の心を裏返したような声で頭から離れない。
ラジオを通して、電波に乗って明かされるもう一つの団地、もう一つの世界。想いの世界。
歌の記憶と声の記憶は、永遠に流されることはない。
※柳水巴「天国へ結ぶ恋」(1932年)より
細馬宏通(行動学者)コメント
ききながら、かつて歌った歌を思い出す人。歌いながら、歌うことを思い出す人。わたしたちは、ただ歌をきくのではなく、いま歌を思い出しつつある人の声をきく。歌が思い出される時間を生々しくとらえた、かつてない映画。
ポレポレ東中野 @Pole2_theater
ちょっと変わった被災地支援活動の記録、小森はるか監督作「ラジオ下神白」公開(動画あり) https://t.co/usATAkojWX