松村北斗と上白石萌音は本気な人、「夜明けのすべて」監督・三宅唱から手紙サプライズ

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映画「夜明けのすべて」の公開記念舞台挨拶が本日2月10日、東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われ、キャストの松村北斗上白石萌音りょう光石研、監督の三宅唱が登壇した。

「夜明けのすべて」公開記念舞台挨拶にて、左から三宅唱、りょう、松村北斗、上白石萌音、光石研。

「夜明けのすべて」公開記念舞台挨拶にて、左から三宅唱、りょう、松村北斗、上白石萌音、光石研。

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松村北斗

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昨日2月9日に公開初日を迎えた本作は、パニック障害とPMS(月経前症候群)を抱えた者同士が、少しずつ互いの殻を溶かし合っていくさまを描く物語。パニック障害を患う山添くんを松村、月に1度PMSでイライラが抑えられなくなる藤沢さんを上白石が演じた。

上白石萌音

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松村は撮影エピソードとして「リハーサルでやたら好きだったシーンがあるんです」と切り出し、「予告編にも使われている山添くんと藤沢さんが車を洗うシーン。山添くんが拭き上げるときにキューッと音がするんですけど、リハではその倍ぐらいの音が鳴って、藤沢さんにギロッてにらまれた。あれはすごい好きでしたね!」と振り返る。上白石は「お母さんとのシーンがどれも大好きでした」と述懐。母親役のりょうが、母娘で雨の中に飛び込んでいくシーンに思いを馳せながら「いつも雨のシーンって寒くて『早く終わらないかな』と思うんですけど(笑)、すごく幸せでした」と口にすると、上白石も「あの瞬間は姉妹のようでもあって、雨なのに温かいシーンでした。お母さんからしかもらえない温もりを感じて、このお母さんがあっての藤沢さんなんだなと毎シーンで教えてもらった気がします」としみじみ述べた。

上白石萌音(左)の“告げ口”にたじたじの光石研(右)。

上白石萌音(左)の“告げ口”にたじたじの光石研(右)。[拡大]

また山添くんと藤沢さんを優しく見守る社長役の光石は「(主演の)お二人が醸し出す空気が、現場全体のいい空気を作っていた。僕はとにかく三宅組を邪魔しちゃいけないと思って、なるべくおとなしく目立たないようにしていました」と控えめに発言。しかし松村から「何をおっしゃるんですか。お昼休憩のときに話を回してたじゃないですか!」と即座に指摘され、上白石からも「光石さんはいたずら好き。私が撮影しているとき、『本番!』と声が掛かった瞬間、横で休憩なさっていた光石さんが小道具のライトを私の顔に当ててきたり」と証言が。松村から「今の2歳児とのエピソードじゃないよね?」と追い討ちをかけられ、光石は「62歳児です……」とうなだれて笑いを誘った。

松村北斗(左)の独特な“思いやり”に感心する上白石萌音(右)。

松村北斗(左)の独特な“思いやり”に感心する上白石萌音(右)。[拡大]

劇中では山添くんと藤沢さんがお互いを思いやりながら、前向きに生きようとするさまが描かれる。そこで「相手に対して普段から心がけていること」というトークテーマも展開された。松村は「自己満足ですけど、歩いて移動しているとき、後ろの人たちの会話が弾んでいると、ちょっとした段差に気付かないんじゃないかと思って。でも『段差あるから気を付けて』と言うのはわざとらしい。だから段差に差し掛かったら『おっと』って言いながら深めに沈むようにしています。普段はグループ活動をしているんですが、誰にもけがしてほしくないので」とユニークな“思いやり”を披露。「すみません、(気遣いを)察知できていなかった……」と申し訳なさそうな上白石に、松村は「シームレスな行動ですから。潜在的に『段差があるよ』って教えているので」と極めて真面目に応じる。

三宅唱

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三宅唱からの手紙の内容に聞き入る上白石萌音。

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また松村と上白石へのサプライズとして、監督の三宅からの手紙がMCによって代読された。手紙には「上白石さんと松村さんが、どういう人かを一言で言うなら、お二人とも本気な人であるということです。お二人の本気さは、歯を食いしばって踏ん張るようなレベルよりも、もっと本気です。本気だからこそ丁寧にやるし、本気だからこそユーモアも忘れないし、その結果、やわらかくて穏やかな人になっているんだろうと僕からは見えていました」と感謝や敬意がつづられ、2人は感激した様子で聞き入る。そして松村は「監督こそ本気の方。監督って一番本気で努力されるはずなのに、それを人の称賛のためにポイッとできるところが、人として惚れている部分であり、もらっていかなきゃいけない部分だなと改めて感じます」としみじみ。上白石も「ずるいです。監督と初めてお会いする前に何万字かのお手紙をいただいて、そのときから心をつかまれっぱなし。素敵な言葉をお持ちなのは、心と器が素敵ということ。本気になりたいと思わせてくれる監督です!」と感謝をあらわにした。

「夜明けのすべて」は全国で公開中。

三宅唱から松村北斗・上白石萌音への感謝の手紙

お二人へ。こんにちは。こういうサプライズの手紙で泣くと、翌朝のニュースになったりもしますが、泣かせる気は一切ありませんので、笑顔もしくは完全な真顔でお聞きください。

さっそくですが、最近僕が新しく発見したことを報告しますと、上白石さんと松村さんが、どういう人かを一言で言うなら、お二人とも本気な人であるということです。
お二人の本気さは、歯を食いしばって踏ん張るようなレベルよりも、もっと本気です。
本気だからこそ丁寧にやるし、本気だからこそユーモアも忘れないし、その結果、やわらかくて穏やかな人になっているんだろうと僕からは見えていました。

お二人とも瀬尾さんの書いた小説を大切に思うからこそ、悩んだことはたくさんおありかと思いますが、最後まで本気になることを恐れずに、また本気でい続けることをあきらめずにいて、だからお二人とも最高にかっこいい俳優なんだなと思います。

思えば藤沢さんもいつも本気の人だし、山添くんもずっと本気の人でした。
また本編ではカットしてしまったシーンですが、藤沢さんのもとにタクシーで駆け付けるりょうさん演じるお母さんも、本当に本気の顔をしていたし、光石さん演じる栗田社長も今はここにいない家族の位牌に本気で手を合わせていました。
そんな皆さんのおかげでめちゃくちゃいい映画ができました。

この手紙、それぞれに書こうと思ったものの、2人セットになってしまってすみません。
でもお二人のコンビネーションは最高でした。
この映画の上白石萌音が素晴らしいのは相手が松村北斗だったからであり、この映画の松村北斗が素晴らしいのは相手が上白石萌音だったからです。

俳優という仕事がなぜ美しいのか、その答えは、自分1人で輝くのではなく、一緒にいる相手を輝かせ、相手とともに輝くことができるからだと、お二人が教えてくれました。
2人は周囲の俳優も輝かせ、僕らスタッフの仕事も輝かせ、そして映画を観る多くの人の生活も輝かせてくれるだろうと確信しています。
素晴らしい仕事に改めて心から感謝と拍手です。ありがとうございました。

三宅唱

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(c)瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会

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映画「夜明けのすべて」の公開記念舞台挨拶が本日2月10日、東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われた。

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