今田美桜が朝ドラ「あんぱん」オーディションで「アンパンマンのマーチ」に感情乗せる

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2025年度前期の連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン発表会見が、本日2月2日に東京・NHK放送センターで行われ、ヒロインを務める今田美桜、脚本を手がける中園ミホらが出席した。

連続テレビ小説「あんぱん」ヒロイン発表会見の様子。左から今田美桜、中園ミホ。

連続テレビ小説「あんぱん」ヒロイン発表会見の様子。左から今田美桜、中園ミホ。

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本作は、やなせたかしと小松暢をモデルに、彼らの人生を大胆に再構成した“愛と勇気”の物語。昭和の初め、幼いときに父を病気で亡くした柳井嵩(やないたかし)は叔父の家に引き取られ、そこで“ハチキンおのぶ”こと、朝田のぶと出会う。2人を結び付けたのは1個のあんぱんだった。戦争の足音が近付く頃、周りと同様に妄信的な軍国少女になっていたのぶ。やがて戦争が始まり、出征した嵩は弟の千尋(ちひろ)を、のぶも最愛の人を戦争で亡くす。のぶの価値観は戦争ですべて変わり「何が正しいかは自分で見極めなければならない」と新聞社に女性初の記者として就職。戦後、クズ拾いの仕事を辞めた嵩も新聞社に入社し、2人は同じ雑誌の担当になる。しかし嵩は東京でマンガ家を目指したい気持ちを抱えていた。そんな彼にのぶは「あなたもあとから来なさいよ。先に東京に行って待っているわ」と告げ、新聞社を辞め上京。のぶを追いかけ上京した嵩と六畳一間のオンボロアパートでの生活が始まる。生活には不自由もあったが、暮らしを面白がり「どんな環境でも楽しめるこの人と一緒にいたい」と2人は結婚。「手のひらを太陽に」「アンパンマン」が世に出るのは、まだまだ先のことだった。

アンパンチする今田美桜。

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今田が演じるのは、小松をモデルにした朝田のぶ。三姉妹の長女で祖父母・両親の愛情をたっぷり受けて育った彼女は、行動力とスピード感にあふれ、人生の荒波をパワフルに乗り越えていくヒロインだ。持ち前の男勝りで勝気な性格から“ハチキンおのぶ”とも呼ばれる彼女は、少し気が弱く、自信のない柳井嵩と出会い、激動の時代の中、どんなときも励ましけん引し続ける。

やなせたかしが描いた自身の似顔絵を紹介する中園ミホ。

やなせたかしが描いた自身の似顔絵を紹介する中園ミホ。[拡大]

幼少期にやなせと文通をしていたことがあったという中園は「戦争を経験されたやなせさんは、『正義は逆転することがある。信じられないことだけど正義は簡単にひっくり返ってしまう。逆転しない正義とはおなかを空かせて困っている人がいたら一切れのパンを届けることだ』と仰っています。これは『アンパンマン』の真髄でもあります。この言葉をここ数年、よく思い出していました。世界中でいろんなことが起きている。やなせさんが生きていたら、今の世の中をどう思いますか?と聞いてみたかった。そんなことを思っていたときに、この企画が通ったんです」と明かし、「妻の暢さんは、調べれば調べるほどとてもパワフルでとても面白い方。やなせさんにとって、とても大きな存在で、ひょっとしたらこの女性がいなかったら『アンパンマン』も誕生しなかったんじゃないかと思います。朝田のぶは毎朝、視聴者を勇気付けてくれるヒロインだと思っています」と力強く語った。

今田美桜

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3365人が参加したオーディションの中から、のぶ役を射止めた今田。「ビデオ審査で『アンパンマンのマーチ』の歌詞を3番まで、それぞれいろんな感情で伝えるという審査がありました。すごく難しかったんですが、新しい経験で楽しかったです」と笑顔を見せ、「のぶさんは、柳井さんをどんどん引っ張っていく存在。でも、引っ張ろうと思っているわけではなく、明るくて天真爛漫で、人生を楽しんでいる彼女の生き方が、自然と引っ張ることにつながっていると思うんです。私も楽しく撮影できたらと思います」と意気込む。また嵩のモデルとなるやなせの印象を問われると「とても温かくて、やわらかくて、すごく面白い方だなと思っています。暢さんと2人の空間では、ずっと笑顔だったんじゃないかなと」と想像を膨らませた。

好きなキャラクターであるドキンちゃんにちなみ、ハートのポーズをする今田美桜。

好きなキャラクターであるドキンちゃんにちなみ、ハートのポーズをする今田美桜。[拡大]

今田は、2021年に放送された「おかえりモネ」以来の、連続テレビ小説への参加となる。「『おかえりモネ』のときは、近くでヒロインの清原果耶ちゃんの姿を見させていただきました。撮影は1年もありますし、それだけ長く同じ役を続けるのは大変だと思います。でもなかなか経験できない、すごいこと。今回自分がヒロインを務めることになって、緊張していますし、やりきれるのか正直不安もあります。でも、きっとキャストやスタッフの皆さんと家族のような時間を過ごすんだろうなと思っています」と笑みをこぼした。

倉崎憲

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チーフプロデューサーの倉崎憲は「朝ドラを自分が担当するとなったとき、何をすべきか考えました。ここ1、2年自分の生き方に悩んでいたのですが、そんなとき無意識に『アンパンマンのマーチ』の『なにが君のしあわせ なにをしてよろこぶ わからないままおわる そんなのはいやだ』という歌詞を口ずさんでいたんです。とても深い歌詞だなと思い、やなせさんの人生に興味が湧きました」と思い返し「『アンパンマン』というのは、やなせさんが70歳を超えてから世界に広がっていった作品です。やなせさんのそれまでの人生が『アンパンマン』に結ぶ付いていった。そしてやなせさんには、奥さんの暢さんの存在が常にあった。中園さんと朝ドラで何をやるべきか?と話していたときに、子供の頃にやなせさんと文通をされていたと聞いて、鳥肌が立ちました。このドラマをやらなければ後悔すると思い、今に至っています。どうか楽しみに待っていただけたら」と思い入れたっぷりに伝えた。

連続テレビ小説「あんぱん」は2024年初秋にクランクインし、翌年春から放送予定。嵩役をはじめとしたキャストについては、続報を待とう。今回のヒロイン発表にあたり中園と倉崎がつづったコメントは下記の通り。

中園ミホ コメント

ヒロインオーディションは実にすばらしい女優さんたちの競合となり、その中からたった一人を選ばなければならない私たちにとっても真剣勝負でした。
今田美桜さんの最終オーディションに立ち合ったスタッフの何人かは涙を流していました。強く、あたたかく、瑞々しい演技に私も心をつかまれました。やなせたかしさんが生涯のパートナーとして選んだ暢さんは、きっとこういう女性だったに違いないと思わせてくれたのです。
暢さんは「アンパンマン」に登場するドキンちゃんのモデルと言われています。そういえば、好奇心に輝く大きな目のドキンちゃんは、美桜さんにそっくりです。

倉崎憲(制作統括 / チーフプロデューサー)コメント

まずは今回ヒロインオーディションに応募して下さった3365人の皆様に感謝申し上げます。
書類選考では一人一人の言葉の数々に、ビデオ選考ではとあるたった一言に、グループ選考や最終カメラテストでは想いがのった芝居に、心が震えて思わず涙が出てくることもありました。
3365人の、3365通りのそれぞれの想いをぶつけていただき、我々もとにかく全身全霊でオーディションに向き合わせていただきました。
そんななか、最も心がぐらんぐらんに揺さぶられたのが、今田美桜さんでした。
セリフ一つ一つへの的確な解釈、毎朝観たいと思わせてくれる凛とした佇まいと、周りを元気にさせる笑顔。嵩をぐいぐいと引っ張っていくヒロイン・朝田のぶを演じている今田さんが想像でき、撮影だけで約一年に及ぶ長期戦を一緒に走り続けたいと心から思えました。ご本人には直接ヒロイン決定をお伝えさせていただいたのですが、その時の今田さんの表情は一生忘れません。
そして、やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩役の発表、「あんぱん」の放送も今から楽しみにお待ちいただければ幸いです。

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【ヒロイン発表会見レポート】

今田美桜が🥰

朝ドラ「あんぱん」

オーディションで🫱

「アンパンマンのマーチ」に感情乗せる 🌈🎼🍒

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