韓国映画「
コロナ禍の韓国を舞台とする本作の主人公は、人との交流を避けて家に引きこもっていた25歳のニート・ジュリ。厳しい社会状況の中でキンパの店を経営している彼女の母ヨンシムは、ある日、病気の祖母の看病のため店を離れることになる。しぶしぶ店番をすることになったジュリは、そこでさまざまな人と出会い、少しずつ変わっていく。「ムービング」で知られるシム・ダルギがジュリを演じ、ヨンシムにチョン・ウンギョンが扮した。
長編映画で主役のオファーを受けたのは本作が初めてだというシム・ダルギは「脚本を読んでみるとジュリが出ないシーンは1つもなく、それだけ重要な役だと思ったので、私がそれを上手くこなせるか少し怖かったです。でも、挑戦してみたいという気持ちのほうが大きかったです」と振り返り、「ジュリは、私にとって初めての大人の役でした。これまでは、どこかから必死に逃げたり抵抗したりする高校生役を演じる機会が多く、そこから多くのことを学ぶことができました。自分の過去がどのようなものだったのか客観的に振り返ることもできたし、さまざまな形の『欠乏』や『傷』について考える機会が多かったです。一方『ローリング・ガール』のジュリを演じるにあたっては、別の学びがありました。明らかに未成年と大人の役には違いがあることを知ることができたし、また主役としての悩みもまた違うことを知ることができました。何より楽しかったです。説明できない自由さがありました」と語る。
クァク・ミンスンは「ジュリ役は、もともと20代後半という設定だったので、キャスティングの段階で実際に20代後半から30代前半の俳優さんたちのオーディションを行いました。しかし、その中で納得のいく俳優さんが見つからなかったのです」と回想。そして「ある日、ふと当時20代前半だったシム・ダルギさんのことを思い出しました。私はシム・ダルギさんが出演している作品の多くを観ており、俳優としてよい印象を持っていました。シム・ダルギさんと最初のミーティングをすることになり、実際に会って話をしているうちに、私はこの俳優が今まで私が探していた人なんだとすぐに感じることができました。幸いなことに、シム・ダルギさんもこの作品をやりたいと言ってくれました」とキャスティングの経緯を明かす。
クァク・ミンスンは、ジュリが考え事に没頭し、1人で過ごす時間を描くことにこだわったそうで「ジュリが何もしていなくても、彼女のもどかしい気持ちや複雑な心情が画面から伝わってくるようにしたいと思いました」と述べ、「このようなシーンは、実はとても平凡で退屈に見えることもあり、難しい演出なのです。それを見応えのあるものにするためには、シム・ダルギさんの役割が非常に重要だったと思います。シム・ダルギさんはシーンごとに徐々に変化するジュリの繊細な感情を顔で上手く表現してくれました」とたたえた。
最後にシム・ダルギは「日本の映画を観たり小説を読んだり、また日本旅行をしたりしながら、韓国と似ている点、違う点を知り、知れば知るほど興味深かったです。だから日本公開が本当に楽しみです。可能なら直接日本の観客の皆さんと会ってみたいという気持ちもあります。どんな反応をされるのか、どんな質問を抱かれるのか、とても気になります」とコメント。クァク・ミンスンは「日本は韓国と似たような文化を持っているので、日本の観客の皆さんが本作を観てどのような共感を得られるのか、期待と少しの不安が入り混じった気持ちです。『ローリング・ガール』が皆さんの心に響くことを願っています」と伝えた。
「ローリング・ガール」は2月2日より東京・シネマート新宿ほか全国で順次公開される。
「ローリング・ガール」予告編
シム・ダルギの映画作品
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映画ナタリー @eiga_natalie
シム・ダルギが初めて大人演じた主演作「ローリング・ガール」を語る「学びがあった」(インタビューコメントあり)
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