本作はある出来事をきっかけに声を発することをやめた青年・沢田蒼と、事故で視力を失い絶望の中でもがく音大生・甚内美夏が静かに思いを紡いでいくラブストーリー。この日は蒼を演じた山田のほか、美夏役の
ラブストーリーの映画は初主演となる山田。現場に臨むうえでの準備を問われると「準備という準備はあまりしないで、フラットなまま現場に行って。現場で感じたこと、触れたものをその場で表現しようと考えてました」と振り返る。初日に内田から「死んだ魚の目をして生きてほしい」と言われたそうで、「どういう意味なんだろう?と思いながらも、ふと自分の中に落とし込めた瞬間があった」と話した。内田が「現場で『どこにいるんだ?』とよく探しました」と語るほど山田は存在感を消していたという。
撮影の3カ月ほど前からピアノの練習に励み、盲学校で白杖の使い方などを学んだ浜辺は「そういった基礎を作り上げてから現場で山田さんや野村さんと会って、心がどう感じるのかと身を任せていました」と述懐。脚本には体温や指先を使ったコミュニケーションの描写が多く、浜辺は「現場に入るまでは、どれぐらい距離が近いと人の体温って感じるだろう?とわからなくて。でも実際に近い距離に山田さんや野村さんがいると、本当に気配でどっちがどっちかわかるぐらい、違うものがありました」と、現場で初めて台本の内容に納得できたことを明かした。
ピアノに長けている役に扮した野村は「イベント前のインタビューでは、練習期間が1カ月間ぐらいしかもらえなくてとしんどかった!と話してたんですが、ちゃんと4カ月ぐらい練習してました」と訂正。現場では本番の合間に浜辺と野村がピアノを一緒に練習している場面も多かったそうで、野村は「弾けるようになっていくのが楽しかった」と話し、浜辺も「2人でピアノの前にいると、すぐ連弾始めちゃってました」とほほえんだ。
原案・脚本も担った内田は、ラブストーリーに初挑戦した経緯を聞かれると「今はいろいろと情報が多い社会なので、とても静かな作品を作ってみたかった」と説明。ピアノを題材にした映画は10年ほど前から構想しており、今回ようやく実現したという。山田は初タッグとなった内田のユニークな演出を「比喩表現がちょっと難しい。『目の奥10cmで美夏を見るんだよ』とか。目の奥10cmはもう裏です!と思いながら(笑)。落とし込むのに少し時間がかかる表現をされる。こういうことなのかな?と考える時間も楽しくて、今まで出会ったことのないタイプの監督さんでした」と振り返った。
「サイレントラブ」は1月26日より全国でロードショー。
関連記事
山田涼介の映画作品
リンク
石川なみ❥浜辺美波 総合 @ishikawa_373
#浜辺美波
山田涼介「サイレントラブ」は静かなラブストーリーだけど“激しいところは激しい”
ナタリー
https://t.co/OdTpszhrOy