福間健二の追悼特集「Not Born Yesterday」が開催、初長編や主演作など計8本

詩人、映画監督として活躍し、4月26日に74歳で死去した福間健二の特集上映が開催決定。過去の全作品を上映する「Not Born Yesterday 福間健二監督特集 1969-2023」が、12月2日から22日にかけて東京・ポレポレ東中野で行われる。

10代で若松プロダクションの門を叩き映画の世界に入り、同時に詩を書き始め、現代イギリス詩の研究者としての道を歩んだ福間。映画評論家としては「ピンク・ヌーヴェルヴァーグ」「石井輝男映画魂」など数々の著書も刊行し、詩と映画の両輪で活躍し続けた。現在、ポレポレ東中野では監督としての遺作「きのう生まれたわけじゃない」も上映されている。

特集では、伊藤猛演じる孤独と諦念の中にいた男がやがて他者を受け入れる変化を遂げていく初長編「急にたどりついてしまう」、母を亡くし借金を抱えた大学生と、ヨーロッパ放浪から帰還した父親の邂逅を描く「岡山の娘」などを上映。60代を迎えた2人の男の友情と彼らを取り巻く人々の人間模様を描き出す「秋の理由」、死んだ夫と夢で出会う亜矢子の喪失と再生をつづる和田光沙の主演作「パラダイス・ロスト」も並ぶ。

さらに初監督作として1969年に発表した予備校生が日常を逃れて恋人と理想郷を目指す中編「青春伝説序論」、福間が出口出の名義で脚本を書き、自ら主演も務めた若松孝二監督作「現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白」も特別上映。計8本が連日日替わりで上映される。鑑賞料金は1300円均一。YouTubeでは特集の予告編が公開中だ。

Not Born Yesterday 福間健二監督特集 1969-2023

2023年12月2日（土）～22日（金） 東京都 ポレポレ東中野
料金：1300円均一
＜上映作品＞
「急にたどりついてしまう」
「岡山の娘」
「わたしたちの夏」
「あるいは佐々木ユキ」
「秋の理由」
「パラダイス・ロスト」
「青春伝説序論」※特別上映
「現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白」※特別上映

特集上映「Not Born Yesterday 福間健二監督特集 1969-2023」予告編