43年ぶりのストライキを決行した全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が、交渉中にあった全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)と暫定合意に達したことが明らかに。現地時間7月14日から118日間続いたストライキが終結すると、IndieWireなどが報じている。
俳優組合はスタジオ側と新たな契約について暫定合意に達し、ストライキは現地時間11月9日の0時1分に正式に終了すると発表。この暫定契約の具体的な条件は明かされていないが、SAG-AFTRAの主な要求であるストリーミングにおける俳優への追加報酬、最低賃金の引き上げ、セルフテープによるオーディション、AIの使用に対する俳優の肖像権の保護などを満たすものと見られている。
ハリウッドで16万人以上の組合員を擁するSAG-AFTRA。7月中旬以来、組合員の多くがハリウッドの主要スタジオの外でピケを行ってきた。ストライキの規則として、俳優たちはAMPTPに名を連ねるスタジオのプロジェクトで働くことを禁じられ、映画やドラマの製作の大部分が停止。俳優は出演作のプロモーションや映画祭への参加も制限された。
スタジオ側は10月2日、SAGとの交渉に戻ったが、ストリーミングの収益分配モデルに関する新たな案をめぐって交渉は決裂。Netflixのテッド・サランドスCEOは、サービス加入者への「徴収」であり、スタジオ側にとっては「遠すぎた橋」だと述べていた。その後、両者は10月24日に再び交渉のテーブルにつき、今回の暫定合意に至っている。
SAGの交渉委員会は声明の中で、合意された契約は10億ドル相当であり「組合員が持続可能なキャリアを築くことができるような契約に達した。現在そして将来にわたって、何千人ものパフォーマーが恩恵を受けるでしょう」と述べた。今回の契約には主要な条件のほか、年金と健康保険の上限やエキストラの報酬の大幅な引き上げ、多様なコミュニティを保護する重要な契約条項など、複数のカテゴリーに対する数多くの改善が含まれているという。俳優組合のメンバーからの承認は今後行われ、その後、さらなる詳細が発表される。
またAMPTPも「この暫定合意は新しいパラダイムを象徴するものです。SAG-AFTRAは、過去40年間で最大の最低賃金の引き上げ、ストリーミングプログラムのためのまったく新しい収益モデル、AIの使用における広範な同意と報酬の保護、および全面的な項目に関する大幅な契約引き上げなど、組合史上最大の契約上の利益を得ることができる」と声明。AMPTPは暫定合意に達したことを喜び、業界が素晴らしい物語を伝える仕事を再開することを楽しみにしているとした。
なお俳優組合が前回スタジオに対してストライキを行ったのは1980年。このときはホームビデオの報酬をめぐる争いで、ストライキは3カ月と3日間続き、同じように映画やドラマの製作が停止された。今回の118日という期間は組合史上最長のストライキとなる。
全米映画俳優組合がストライキ終結を発表
(情報提供:IndieWire / VM / ゼータ イメージ)
大成龍祭2011 @daiseiryusai
全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)の7月14日(現地時間)から118日間続いたストライキが終結しました!いままでストップしていたジャッキー久々のハリウッド映画主演作である「ベスト・キッド」の新作が遂に動き出せます!来年12月13日の全米公開に何とか間に合うかもしれません。https://t.co/vNRbfaF2k0