「ブルー・ウインド・ブローズ」は2018年に開催された第68回ベルリン国際映画祭のジェネレーションコンペティション部門に出品され、その後劇場公開が予定されていたがコロナ禍の影響で延期に。ベルリンでのワールドプレミア上映から約5年を経てようやく封切られる。
全編撮影が行われたのは、「わたくしどもは。」と同じく新潟・佐渡島。島の美しい風景の中で、家族と少年少女の出会いと別れがつづられる。メインキャストとなる兄妹を演じたのは、島内オーディションで選ばれた実の兄妹・
「わたくしどもは。」にも参加した内田也哉子は「佐渡島という美しく神秘的な島で、父と初めて映画に出演し、図らずも最後の経験となりました。ほんのワンシーンではありましたが、忘れがたい思い出です。この作品の主人公である少年は、お父さんを化け物に連れ去られたと信じています。私も彼の気持ちが少しばかりわかるような気がしました」と心境を伝える。内田裕也は娘との共演について、撮影前から「照れるなー」を連発し、その後「こんな機会あるとは思ってなかったけど、よかった」と感慨深く話していたという。
また富名は、本作のタイトル「ブルー・ウインド・ブローズ(Blue Wind Blows)」の意味である「青い風が吹く」の由来について「宮沢賢治が青色の風は涅槃から吹く風と話していたことを本で目にして、自分の頭の隅にずっとあった」と明かした。
新宿武蔵野館で上映される11月10日から23日の間、富名とプロデューサーの畠中美奈が連日登壇する予定。11月12日には内田也哉子が登壇するほか、今後もゲストが追加発表される。YouTubeでは本作の予告編が公開中だ。
さらに富名が2013年に制作した短編映画「終点、お化け煙突まえ。」の併映も決定。
映画「ブルー・ウインド・ブローズ」予告編
公式あらすじ
舞台は佐渡島。息子の誕生日のプレゼントを買いに行ったまま帰ってこなくなった父。少年アオはバケモノに父親がさらわれたと思っている。ある日、孤独を感じているアオの前に、謎の転校生・小夜子が現れる。里親に育てられ同じく孤独を感じている小夜子とアオは心を通わせる。義肢制作を生業にしているアオの母ミドリは、幼なじみから思いを寄せられ心が揺らいでいる。アオの祖父は子供たちの未来を案じている。そんなある夜、里親につらい仕打ちを受けた小夜子がアオの元を訪ねてくる。深夜、2人はミステリアスなバスに乗って、アオの父親が幼い頃に見たというバケモノが現れた海へと向かうことになるが……。
末尾ルコ(アルベール)「母連れ狼」「言葉の革命」「文学・映画・音楽」「人生と介護」、美は醜に勝る。 @sueorukoalbert
内田裕也と内田也哉子が初共演、佐渡島で撮影した映画公開 併映に岸井ゆきの主演短編(予告編あり) https://t.co/MLRak3byPO