本作は、カーワイが手がけた「どこでもない、ここしかない」「いつか、どこかで」に続くバルカン半島3部作の完結編。マカオ出身の主人公エヴァは、旅先のバルカン半島で映画監督のジェイと出会う。その後、世界がパンデミックと戦争に支配される中、ジェイはエヴァへメッセージを残して姿を消してしまった。エヴァはジェイを探しに再びバルカン半島を訪れ、かつてエヴァが出演した映画が「いつか、どこかで」というタイトルで完成していたことを知る。ジェイを探すエヴァは、やがて彼の過去と秘密を知ることになるのだった。劇中では、ジェイの監督作として「どこでもない、ここしかない」「いつか、どこかで」が登場する。
「いつか、どこかで」の
映画「すべて、至るところにある」特報(英語字幕)
リム・カーワイ コメント
昨年、映画「あなたの微笑み」がタリン・ブラックナイト映画祭で上映され大盛況となりました。そして再び映画「すべて、至るところにある」が、同映画祭でワールドプレミア上映されることを誇りに思います。国内では、2024年1月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開できることになりました。
バルカン半島三部作の完結編となる本作は、前作同様に最小限のメンバーで制作されました。私と主演の尚玄とアデラ・ソー、 そして撮影と録音のスタッフ、合計5人が車一台に乗りこみ、バルカン半島のセルビア、ボスニア、北マケドニアを撮影しながらまわりました。彼らの素晴らしいチームワークなしでは完成させることができませんでした。この場を借りて最大限の敬意と感謝を表します。
そしてこのパンデミックと戦争の時代を生き抜いた我々に捧げる、サイパーパンクテイストなラブサスペンスのロードムービーをぜひ多くの方にご覧頂きたいです。
アデラ・ソー コメント
映画「すべて、至るところにある」が、北欧最大のタリン・ブラックナイト映画祭で上映されることが決まり、本当にうれしいです! 映画祭でのワールドプレミア上映、そして日本での劇場公開を通して、たくさんの観客の方々と出会えることを期待しています。より多くの方々にこの映画に関心を持って頂けように願っています。
この映画の撮影自体が、映画のストーリーと同じようにファンタジックでアメージングでした! 人と人の巡り合い、そして淡々とした日常の中にある貴重さを噛みしめてほしいです。
尚玄 コメント
こんな場所で映画が撮れたらと、旅の途中で夢想することはあっても、実際行動に移す人は稀でしょう。それをライフワークとしているのがシネマドリフターの異名を持つ監督 リム・カーワイです。
今作の舞台はコロナ禍のバルカン半島。一台の車に乗り込み、行き当たりばったりに撮影をしながら縦断しました。案の定、台本は用意されておらず一抹の不安もありましたが、役者として瞬発力を試される刺激的な日々でした。
美しい自然と旧ユーゴ時代の遺産。そして未だ街角や人々の心に残る戦争の傷跡。僕らのひと夏の旅がエストニア、そして日本の観客の皆さまにどのように感じてもらえるのか楽しみです。
『すべて、至るところにある』リムカーワイ @cinemadrifter
正直に言うと、この作品の後、しばらく引退してもいいと思うぐらい、シネマドリフターの集大成。
無国籍映画の到着点、サイパーパンクテイストなラブサスペンスのロードムービー。国境、言葉、過去、現在、未来はすべて無効化される。 https://t.co/DMSZulyfvR