リアル・オンライン一体型台湾映像フェス「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」のオープニングイベントが、本日10月13日に東京のユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で開催され、台湾映画「あの頃、君を追いかけた」などで知られる
台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)による本企画では、「心に刺さる1本が台湾にはある」のキャッチコピーのもと、台湾映画・ドラマにおいて人気のホラー・BL・ロマンス、さらに新鋭監督の長編映画デビュー作の4つのジャンルから、伊藤さとり、よしひろまさみち、月永理絵、児玉美月の4人が上映作品を選定。オープニングイベントは、ギデンズ・コー監督作「
本イベントについてギデンズ・コーは「『赤い糸 輪廻のひみつ』はこれまでの作品の中でもっとも気に入っているので、皆さんに観ていただけることがうれしいです。今、新作の制作に取り組んでいるところなので、呼んでいただけたことが励みになります」と伝える。日本のリメイク版である「あの頃、君を追いかけた」を鑑賞したという彼は「日本版ならではのよさを感じました。出演している俳優さんほど僕がかっこよければ、告白に成功したかもしれません」と話し笑いを誘った。
ギデンズ・コーは「僕も日本のマンガから影響を受けました。台湾映画のリメイク版が日本で上映されるのはとてもうれしいことですし、台湾と日本のクリエイターが抱きしめ合っているような“今”を迎えているように感じます」と伝える。伊藤から日本の文化で影響を受けたものを尋ねられると「日本の名作からは価値観のレベルで影響を受けました。例えば『ONE PIECE』。一番心を打たれたのは、“この大海原でもっとも自由なやつになる”ことを夢見るルフィの姿です。僕も映画の現場で、『僕たちは必ず成し遂げられる!』とチームを鼓舞しています」と明かした。
続いてギデンズ・コーは「僕は小説家だったので、映画を撮るときは冷ややかな目で見られていました。そんな目線や声があったからこそがんばれたと思います。僕が未熟な人間だからこそ撮れる作品を皆さんに観てほしいです。ある日、円熟期を迎えたら、今のような作品は撮れないかもしれません」と語る。さらに「僕はいまだに青春の中で生きているような感覚でいます。よく僕の作品を観た人に『ギデンズ・コーっていつ大人になるの?』とコメントをいただきますが、ただ僕が今、興味があるものを撮っているんです」とほほえんだ。
「赤い糸 輪廻のひみつ」についてギデンズ・コーは「実は当初、この作品は僕が監督を務めるつもりはありませんでした。しかし脚本が完成すると同時に愛犬が他界し、愛犬にもう一度会いたいという気持ちが高まりました。愛犬と出会い直すための作品として、自分が手がけるべきだと思いましたね」と振り返る。また伊藤から「日本の映画監督で影響を受けた、興味がある人は?」と質問されると「北野武監督です。出演されている作品も好きで、例えば『バトル・ロワイアル』は残酷な物語ですがヒューマニティとはどういうものなのか考えることができました」と回答した。
最後にギデンズ・コーは「『赤い糸 輪廻のひみつ』を撮る前は、死ぬのが怖かったんです。この作品を完成させてからは達観しました。皆さんもこの作品を観て、死生観にどこかユーモアを持って対峙していただけたら」と呼びかけイベントを締めた。
「TAIWAN MOVIE WEEK(台湾映像週間)」は10月28日まで開催。
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ギデンズ・コーの映画作品
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おきらく台湾研究所 @okiraku_tw
映画ナタリー「TAIWAN MOVIE WEEK、ギデンズ・コーが来日「ONE PIECE」から受けた影響とは」 https://t.co/I5tSUABz0G 今日からスタート。今日は『赤い糸 輪廻のひみつ』 @yuelao_jp を先行上映。 @TAICCA_Japan