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コロナ禍を経た現代を舞台にした本作。映画監督デビューという長年の夢を奪われた花子と不器用な男・正夫が運命的な出会いを果たし、10年以上音信不通だった花子の家族を巻き込んで、理不尽な社会へ反撃していく。花子を松岡、正夫を窪田が演じ、花子の父に佐藤、花子の兄に池松と若葉が扮した。
本作で初共演を果たした松岡と窪田。お互いの印象を問われると、窪田は「こんなに軸のしっかりした女性はいないんじゃないかというくらい、現場では大黒柱。彼女のストイックさ、役との向き合い方を近くで見れて刺激的でした」と松岡への信頼をあらわにする。松岡は「恐縮です。でも本物の大黒柱を隣にして『私が大黒柱でした』とは申し上げづらい!」と言って佐藤を気にしつつ、「窪田さんはドラマや映画でずっと拝見していましたが、個人的にはスクリーンでお会いしたい俳優さんでした。もっと知りたくなるんですよ。何を考えているのか見えづらい、ミステリアスな印象で。その気持ちが、スクリーンでお会いしたいと思わせるんですね」と分析した。
衝動に駆られて短期間で脚本を書き上げた石井は、撮影現場でも誰よりも楽しんでいたという。「特別な才能を持った方々が集まるとうまくいかないことが多いんです。でも今回そういうのがまったくなくて、特別なアンサンブルになっていくのが本当に不思議で。幸せな時間だったし、僕はずっと笑ってました。何もしてないんじゃないかな?(笑) 才能のぶつかり合いを近くで見ることが仕事でした」と充実感たっぷりに振り返る。佐藤が「これだけ気持ちよくアンサンブルが決まったのは稀有なこと」と手応えを明かすと、松岡は「光栄! 我が身に余る喜び!」と声を弾ませ、「私のお芝居やりすぎ? やらなすぎ?って考えながら浩市さんをチラッと見たとき、ニコニコしながら『いやあ楽しいねえ』と言ってくれたのがうれしくて」と撮影を述懐。そして「撮影期間中につけていた日記を、パンフレットに載せることになりました。撮影秘話たっぷりです!」とアピールした。
初の石井組に参加した窪田は「監督が一番楽しんでいる現場って、僕たちもやりがいがあります。モニタではなく肉眼で芝居を見るんですよ。近い距離で監督が見ているときもあったけど、だんだん違和感はなくなりました」と感想を述べる。また石井渾身のオリジナル脚本について、池松は「すさまじいものを作ろうとしていると感じました。“あの頃”のことってもう忘れ始めているし、コロナ禍のことを忘れて気ままに次の時代を迎えたい人もいるかもしれないけど、あのときマスクを着けていたすべての人に観てもらいたい」、若葉は「俳優としてこんないい船を用意してもらって乗らない人はいない。やらない選択肢はなかったです」とそれぞれ語った。
タイトルにちなんで「体にイナズマが走った出来事は?」というトークコーナーも。松岡は本作の初号試写でのエピソードを挙げ、「浩市さんの隣の席で観て、エンドロールが流れ終わったあと、浩市さんのお顔を見たときに自信がついて、うれしくてイナズマが走りました」と回想。そして佐藤が劇中の花子を見ているうちにイナズマが走ったと述べると、松岡は「うれしいなあ」とほほえむ。
“親子”の温かいやり取りを見つめ、窪田らは「もう(回答しなくて)大丈夫です!」と舞台挨拶の締めに入ろうとするも、MCがそれを制止。池松は「石井さんとは(付き合いが)長いんですけど、出会えたことにイナズマが走りました」、若葉は「最近買ったオペルクリカリアパキプスという植物の値段が15万円でイナズマが走りました」、窪田は「この靴が(登壇)5分前まで届かなくてイナズマが走りました」と素っ気ない口ぶりで回答して笑いを誘った。
「愛にイナズマ」は10月27日より全国でロードショー。
映画「愛にイナズマ」予告編
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