劇場アニメ「
突然起こった製鉄所の爆発事故により出口を失い、時まで止まってしまった町を舞台とした本作。“恋する衝動”を武器に未来へともがく少年少女の姿が描かれる。
岡田の故郷であり、脚本を手がけた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」の舞台にもなってきた秩父。冒頭、MCから観客への質問タイムがあり、中には10回以上作品を鑑賞したという人も。「秩父に来たのはいつ以来か」と尋ねられた岡田は「セメント工場を取材したとき以来でしょうか。そのあとは……今年お祭りにみんなで行きましたね」と話した。
「お祭りシーンの屋台ばやしは『秩父音頭』のアレンジですか」という質問に対し、岡田は「そうなんです。祭りばやしと花火について調べていて、秩父のほかにもいろいろなおはやしの音を聴いたんですが、秩父の祭りばやしが一番しっくり来て。ペースが速いのでカーチェイスに合うなと思い、カーチェイスのシーンを盛り上げるために使いました。やはり自分は秩父人で、秩父は大きいお祭りが多く、胃にドンドン来る感じというか、否が応でも高ぶる感じがありました」と明かす。
また「特に“ここが好き”というシーンやキャラクターについて教えてほしい」と聞かれると、平松は「どこも思い入れがあるので、1つに絞るのが難しいですね(笑)。見伏の地図とにらめっこして想像して作っていたのですが、海沿いの町がああいう感じであることとか、山がこちらに見えているから今このキャラクターはここにいる!といった具合に意識して作れたこと、キャラクターが生きている場所を作れているということが面白くて好きでした」と制作過程を振り返った。
石井はキャラクターデザインについて「まずは最初のもともとの小説を読ませてもらったときに、落書きで『睦実や五実はこんな感じでしょうか?』と送りました。そのうえで岡田さんもひらめいたものがあって『危ういきれいさがあるものがいいよね』などと話したり、原宿の人形が売っている店に2人で見に行ったりしました」と回想する。続けて「空気感は人形が展示されている店でも響くものを感じたのですが、人形として描くわけにはいかない。睦実や五実は自分から出てきたものだったのですが、正宗やそれ以降のキャラクターは実在した人たちの映画や写真を見たりして、岡田さんと常にディスカッションしていました。生っぽさみたいなのは、そういうやりとりからも生まれたのではないでしょうか」と、岡田と密なディスカッションを交わしたことを明かした。
そして「舞台になった街は実際にある街ですか? モチーフや参考にされた場所があったら教えてほしい」と問われた東地は「モチーフにした場所は、日本全国にあります。長崎・池島や岩手・釜石にも行きました。でも想像しながらが楽しいというか、想像のほうがいいものが描けると思うんです。今回(現地を訪れた際の)写真のレイアウトは一切使っていないので、同じアングルで同じ画は1枚も撮れないはず。Xを見ていると、皆さんいろいろと探してくださっているんですが、まだ出ていない場所がありますので探してみてください」と答えた。
最後に岡田は「メインスタッフと一緒にこのような形で話す機会はなかったのですが、仕事場ではいつもこんな風に和やかだったり、そうではなかったり(笑)。熱のある旅の仲間です。いいチームでやることができたこの作品を何回も観ていただいてありがとうございます。皆さんのおかげで、作品が色付いているなと思っています」とメッセージを送った。
トークショーの後には岡田、平松、石井、東地によるサイン会を実施。1時間を超える盛況ぶりだった。なお入場者プレゼント第6弾は石井、東地による描き下ろしイラスト「繋がる私たちの未来〈みんな〉クリアファイル(A5サイズ)」に決定。10月20日より一部を除く上映劇場にて配布される予定だ。
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東地和生 KazukiHigashiji @Higashiji
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