中国映画「
廃刊寸前のUFO雑誌編集長・タンを主人公とする本作。ある日、タンは中国西部の村で宇宙人の仕業と思われる不思議な現象が起きたという情報をつかみ、一癖も二癖もある編集部員と外部の同志を連れ調査の旅に出る。そこで彼らを待ち受けていたのは人智を超えた出来事だった。
中国の大学・北京電影学院の卒業制作でありながら、平遥国際映画祭で最優秀作品賞などを受賞した「宇宙探索編集部」。コン・ダーシャンが本作を着想したきっかけは、たまたまあるニュースを目にしたことだった。「ある村の住民が『宇宙人を捕まえたので、皆さん、ぜひ取材に来てください』とマスコミに連絡し、たくさんの記者が彼の家にやってきました。ところが、彼が見せたのは、冷凍庫に保管されていたシリコンのおもちゃだった。宇宙人を捕まえたいきさつを語る彼の様子は真剣そのもので、とても真実味があって、他人をだまそうとしているなんて全然思えない。実際に話していることは荒唐無稽なのに、このうえなく真面目で真剣。このギャップに惹かれてしまったんです」と振り返る。そこから、かつて中国で宇宙ブームを牽引したUFO雑誌「飛碟探索」をモデルに、くたびれた中年の編集長が“宇宙人探しの旅”をする物語を構想していった。
本作の大きな特徴であるフェイクドキュメンタリーのスタイルについては「ドキュメンタリーは絶対的な本物、完全なリアルとして規定されますよね。一方で、この映画で語られる物語は荒唐無稽です。完全な本物を映す手法で、突拍子もない物語を撮る。このギャップが好きなんです」と述べ、「もう1つの理由は、登場人物たちと一緒に旅をしているような感覚、観客の作品への没入感をより強くするためです。観客に本当に彼らと一緒にこの旅を経験しているように感じてほしいと考えました」とコメント。そして「僕の作品はとても変な映画でしょうね(笑)。定義しにくい映画なのでいつも答えるのに困っています」「日本のポスターにある“UFOロードムービー”というのが一番いいかもしれないですよね」と笑った。
コン・ダーシャンは大好きな監督としてロイ・アンダーソンやアキ・カウリスマキの名前を挙げる。日本の映画監督からも影響を受けているそうで「岩井俊二監督が大好きで、その後は中島哲也監督、湯浅政明監督、ほかにもたくさん好きになりました」「日本の俳優で一緒に仕事してみたいのは蒼井優さん。岩井監督の『花とアリス』や『リリイ・シュシュのすべて』の蒼井さんが大好きなんです」と話した。
なお、「論語」で有名な中国春秋時代の思想家で哲学者・孔子の末裔だというコン・ダーシャン。「孔子の故郷である山東省の曲阜の出身で、75代目にあたる子孫。孔子の子孫は110代まで名前にどの漢字を使うかが決まっていて、75代目は『祥』の字なので、僕の本名は孔祥山なんです」と言い、「ダーシャン(大山)は子供時代の呼び名で、このほうがかわいいと思ったから」と監督名の由来について照れながら説明した。
「宇宙探索編集部」は10月13日より、東京・新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。
中国映画「宇宙探索編集部」監督コン・ダーシャンのメッセージ動画
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マサ・ッそ凸 @masassoDECO
「宇宙探索編集部」監督は孔子の末裔、コン・ダーシャン「僕の作品はとても変(笑)」 https://t.co/7PFHTwDDIE