ジャニーズ事務所は解体へ、社名を変更し補償業務終了後に廃業の方針

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ジャニーズ事務所が本日10月2日、創業者で前社長の故・ジャニー喜多川による性加害問題をめぐる2回目の記者会見を東京都内で開催。代表取締役社長の東山紀之、ジャニーズアイランドの社長を務める井ノ原快彦、9月30日付でチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)に就任した弁護士の山田将之、事務所の顧問弁護士を務める木目田裕が出席した。

左から山田将之、井ノ原快彦、東山紀之、木目田裕。

左から山田将之、井ノ原快彦、東山紀之、木目田裕。

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東山紀之

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会見にてまず東山は「本当に今までつらい思いをさせて申し訳なかったと感じています。すみませんでした」と被害者に謝罪し、井ノ原は被害者への誹謗中傷はやめてほしいと真摯に呼びかける。そして前回の会見で変更しないことを明言していた「ジャニーズ」の社名は、方針を一転し、「SMILE-UP.」(スマイルアップ)に変更することを発表した。SMILE-UP.では被害者の補償業務のみを行い、タレントのマネジメント業務や育成からは撤退。補償が終わり次第、廃業する。現在所属するタレントやグループとは、別に立ち上げる新しい会社で所属ではなく個別に契約を結ぶエージェント契約という形で関わっていく。なお、この新会社の名称はファンからの公募で決定することも明らかにした。

井ノ原快彦

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ジャニーズ事務所は被害補償の受付窓口として9月13日に3人の弁護士から構成される被害者救済委員会を設置。東山は「9月30日までにこちらの委員会には478人から申し出があり、その内325人が補償を求めています。補償は11月からスタートさせていただきたい」と述べ、「今後は被害者の方に寄り添う形を作っていきたい。そしてジャニー喜多川氏と完全に決別する決意を示すため、社名を10月17日付でSMILE-UP.と変更していきます。引き続き私が代表取締役社長を務め、藤島ジュリー景子氏は100%株主として取締役にとどまります」と語る。その理由を「第三者の資本を入れると、法を超えた補償ができなくなるからです。最後まで補償を行い、廃業いたします」と説明した。

なお、会見ではジャニーズ事務所の前代表取締役社長・藤島ジュリー景子の手紙が、井ノ原によって代読された。以下にその内容を掲載する。

井ノ原快彦によって代読された藤島ジュリー景子の手紙

このたび、叔父・ジャニーズ喜多川により、性被害に遭われた方々に改めて心からお詫び申し上げます。5月2日に被害に遭われた方と初めてお会いしました。その後もいろいろと実際にお話を伺う中でこの方々にどのように補償していくのがいいのか、加害者の親族としてやれることはなんなのか考え続けております。そしてジャニーズ事務所は名称を変えるだけでなく、廃業する方針を決めました。これから私は被害に遭われた方々への補償や心のケアに引き続きしっかり対応させていただきます。叔父ジャニー、母メリーが作ったものを閉じていくことが加害者の親族として、私ができる償いなのだと思っています。

私は4年前に母親であるメリーからジャニーズ事務所を相続しました。ジャニーズ事務所は、ジャニーだけでなく、私の母であるメリーも権力を握っていたと思います。ジャニーはメリーからお小遣いをもらうという形でしたので経営的なことはすべてメリーが決めていたと思います。ジャニーと私は生まれてから一度も2人だけで食事をしたことがありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。ジャニーが裁判で負けたときもメリーから「ジャニーは無実だからこちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは弁護士のせい」と聞かされておりました。当時、メリーの下で働いていた人たちも同じような内容を聞かされていて、それを信じていたと思います。

そんなはずはないだろうと思われるかもしれませんが、ジャニーがある種、天才的に魅力的であり、皆が洗脳されていたのかもしれません。私も含めいい面を信じたかったのだと思います。そして母メリーは私が従順なときはとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと気が狂ったように怒り、たたき潰すようなことを平気でする人でした。20代のときから私はときどき、過呼吸になり、倒れてしまうようになりました。当時、病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されています。私はそんなメリーからの命令でジャニーズ事務所の取締役にされていましたが、事実上、私には経営に関する権限はありませんでした。そして2008年春から新社屋が完成した2018年前まで一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません。これは性加害とはまったく違う話で、私が事務所の改革をしようとしたり、タレントや社員の環境を整えようとしたことなどで2人を怒らせてしまったことが発端です。

ジャニーとも2008年頃から2016年頃までライブ会場ですれ違うことはあっても会話はしておりませんでした。その後、ジャニーの稽古場に呼び出されて、久しぶりに話しましたが、それ以降もジャニー本人に会ったのは数回です。その期間のJr.からのデビューや管轄外のグループの解散のプロセスにも関わっておりません。メリーからは私の娘である孫に会いたいと切望され、1年に数回食事をすることやお正月には孫と旅行することを決められておりましたが、私自身はメリーと話をすることを極力避けて生きてきた人生でした。このような説明をすると嘘だとか親子で仲がよかったのを見たことがあるだとか、またバッシングされる記事が大量に流れるのだと思いますが、近い関係者の方、タレントの方々、社員などであればこうした事情を知っていると思います。

心療内科の先生に「メリーさんはライオンであなたはシマウマだからパニック障害を起こさないようにするにはこの状態から逃げるしかない」と言われ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこに慕ってくれるグループが何組か集まり、メリー・ジャニーとはまったく関わることなく、長年仕事をしておりました。このような理由でジャニーがいる稽古場とはまったく違う場所で働いており、Jr.の皆さんとの接点もなかったので今回、申し出てくださった中で私がお会いしたことがあるのは9人です。それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。今から思えば、ジャニーの親族であり、女性である私にJr.の皆さんはもちろんのこと、タレントの皆さんもうわさ話をすることや相談をしにくかったのではないかと思います。今被害を申告されている方々の中で、私を含めて現在の役員が被害者の方々について直接知る情報は在籍していたかどうか以外にほぼございません。そこでジャニーやJr.と私以上に近い距離で接していらした元役員、元社員、外部スタッフの皆さまには被害者救済のご協力をぜひお願いできたらと思っております。

ジャニーズ事務所は廃業に向かっておりますが、1人たりとも被害者を漏らすことなくケアしていきたいと思っております。知らなかったということを言い訳にするつもりはまったくありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことやそれを放置してきた自分の鈍感さ、すべて私の責任です。また、今回なぜ私が100%の株主として残るのか、多くの方々から批判されました。実は多くのファンドの方々や企業の方々から私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのは補償責任もなくなり、一番楽な道だと何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。しかし、100%株主として残る決心をしたのはほかの方々が株主で入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなると伺ったからでした。その理由で現在の会社には株主100%として残りますが、チーフコンプライアンスオフィサーを外部から招聘し、今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切当たりません。

また、今後私はすべての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続をしたとき、ジャニーズ事務所を維持するためには事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、速やかに収めるべき税金をすべてをお支払いし、会社を終わらせます。ジャニーズ事務所を廃業することが私が加害者の親族としてやりきらなければならないことなのだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います。

最後にジャニーズ事務所の所属タレントをこれまで応援してくださった世界中のファンの方々のお気持ちを考えると、本当に本当に申し訳なく言葉にもなりません。また、関係各所の皆さま、ご迷惑、ご心配をおかけして、大変申し訳ありません。

今日、記者会見に出席せず、このようなお手紙を出すことで逃げた、卑怯だと言われることは重々承知です。今回は初めて公に話をしたメリーは本当にひどい面も多くあったのですが、優しいときもあり、自分の母でもあり、皆さまの前でお話ししたいことを過呼吸にならずにお伝えできる自信がなく、このようなお手紙にさせていただきました。誠に申し訳ございません。

改めて被害者の皆さま、ジャニーのしたことを私も許すことができません。心から申し訳ないと思っています。また、タレント、社員の皆さんがこれから新しい道に思いっきり羽ばたき、みんなが幸せになれるよう、私はそれを後押しできるような形になるよう、精一杯がんばっていきたいと思っております。引き続き、ご指導ご鞭撻いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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