映画「Cloves & Carnations」が、「
トルコ出身の映画監督、
このたび解禁されたティザービジュアルには、登場人物たちがイラストで描かれ「祖父の “想い”を胸に約束の地を目指す」というコピーが添えられた。場面写真には雪景色を背景にこちらを見つめるムサの姿や、彼がハリメと棺を運ぶ様子が切り取られている。
ビュルビュルは昨年参加した東京国際映画祭について「上映後は、思ってもみなかったお祝いの言葉や評価をいただき、心から感謝しています」とコメント。また「死と旅という題材は、私が常に深く考えてきたテーマであり、小津安二郎監督から受け継いだレガシーでもあります」とつづった。本作を鑑賞した映画評論家の暉峻創三、映画監督・
ベキル・ビュルビュル コメント
昨年、東京国際映画祭でワールドプレミア上映をしていただき、監督として、とてもエキサイティングな経験をしました。上映後は、思ってもみなかったお祝いの言葉や評価をいただき、心から感謝しています。
死と旅という題材は、私が常に深く考えてきたテーマであり、小津安二郎監督から受け継いだレガシーでもあります(日本に来てすぐに彼のお墓参りをしました)。
私たちは誰もこの世に属していません。母親の胎内にいるときと同じように、私たちの口、鼻、目は、そのときは何の役にも立たないにもかかわらず、来世への贈り物として与えられる器官です。同様に、私たちはこの世で非現実的な多くの感情や欲望を抱いています。(すべてを手に入れたい、永遠に生きたい、鳥のように空を飛びたいなど)。
このような神秘のサイクルを感じながら、私は「葬送のカーネーション」を作りました。この映画を通じて皆さんとつながることができるのは、さらにエキサイティングなことだと感じています。
暉峻創三(映画評論家)コメント
虚飾なき描写の積み重ねの果てに、突如 夢幻的、魔術的とも見える光景が出現する斬新で寓話的な構成。
説明描写を極力避け、挙動や表情、小道具、そして風景の力で多くを語らせる映画的演出。主人公たちの寡黙さとは対照的に、周縁的存在に大多数の台詞を付与する非一般的な脚本美学......。
先鋭的で強烈な作家性を世界に印象付ける一作が登場した。
深田晃司(映画監督)コメント
人間は理不尽に訪れる死を前になすすべもない。
だからこそ、何千年も前からずっとあがき爪痕を残すように、芸術は死を描き続けてきた。
戦争という理不尽に翻弄される少女にとって、死を背負う祖父の切実な歩みもまた理不尽である。
しかし、その理不尽の中でもとにかく足を前に進ませなくてはならないその姿は、生きることそのもののようでもある。
だからこそ、歩みの先にある「越境」の瞬間と、それを目撃する少女の姿に胸を打たれる。
なぜなら、それはいずれ私たちに必ず訪れる未来の予兆でもあるからだ。
りりじま-NGS @LiLip_a
年老いた難民の男が妻の棺を背負い故郷を目指す「Cloves & Carnations」公開(コメントあり) https://t.co/ea55JjFUfG